函館港イルミナシオン映画祭 会期中広報「イルプレ」

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「監督」池内博之 ~ 13の月と空白の一日

2005年12月06日 | 2005
 1年を13か月に分けた暦がある。潮の満ち引きで換算すると一月は28日になる。そして、13の月の暦の上では1年のうち何日でも何曜日でもない空白の1日ができる。その空白の日にはそれまでのすべての矛盾が形になって現れ,その反動で世界のつじつまは一気に合う。それでつじつまが合ったら世界は元に戻る。

 だれも意識をせず,でもきっとだれの中にもある空白の1日をモチーフにもどかしいほどの純愛を描いた,痛いほど切なく優しい映画「13の月」。実はこの日がワールドプレミア!
 
 池内博之監督は,3年前のイルミナシオン映画祭に「ロックンロール・ミシン」で俳優として来函,そのたときの弾けたイメージとは一転,今回は少しナーバスな御様子。

 舞台挨拶では開口一番「すごく緊張してます・・・・。」。

初監督の苦労は?
「どう作っていくか,どう観客を引っ張っていくかを考えたけど難しかった。俳優の気分を尊重して撮ったつもりですが,周囲が『どーすんの,これ』って空気になって,みんなが敵に見える一瞬がありました(場内笑)。」

俳優さんとの対応は?
「友達でも割り切ろうと,柏原君とは同年齢だけど絶対敬語。あえて壁を作りました。」

監督御自身も出演されていましたが。
「前日までキャストが決まらなくて仕方なくやったんです。頭の中は次のカットのことで一杯一杯でテンパってました。」

特に気を付けたことなんてありましたか?
「死に関する場面ですね。死を扱うのは責任重大なのでちゃんと撮らなきゃと思いました。」

次回監督作はいかがですか?
「もう最初で最後かもしれない(場内笑)。でも,撮るならコメディ,15分くらいでできるだけ短く。」

俳優としての今後のお仕事は?
「『全身と小指』という作品で大杉黽さんと共演します。役どころは,禁断の愛,自分の妹を好きになるという。(キャーッ!!と場内どよめき)」

 俳優池内博之のアクティブなイメージとはちょっと違い,古風とも言える純愛を描いた本作については,古風というより主人公ははっきり言えない感じで,なかなか前に進めない性格だと語り「自分もそうかも・・・」とちょっと気になる一言をぽろり。
 俳優として,そして監督として今後ますます目が離せません!!(陽子)



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