函館港イルミナシオン映画祭 会期中広報「イルプレ」

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クロージングは究極の愛です!

2005年12月07日 | 2005
「VITAL」…。
辞書で調べてみるとその意味は、「生命の、生命に関する」と明記されていた。
うむむ…なるほど。
塚本監督の「ヴィタール」はその映像や手法とは裏腹に、
根底のあるのは「愛」なのだと気づかされた。

「ヴィタール」それは「愛」の映画でもあり、そして「喪の仕事」の映画でもある。
しかもそのそれは恋人を解剖する・・・という究極の「喪の仕事」なのだ。
喪の仕事・・・・。
人が亡くなった後、私たちが最初にしなければならない事・・・
それはその人の死を受け入れること。
医学生の博史は恋人の解剖を通して・・・無くなった記憶を思いだし
そしてその彼女を死を受け入れ始める。

恋人の体を解剖する・・・それはある意味とても静粛で厳かな行い。

都市と肉体をテーマに撮り続けてきた塚本監督は、
ここに来て自然を取り入れ始める。
「今まで都市ばかり撮っていたので、自然を取り入得るのはテレがあります」
監督はそんな事を言っていた。
照れ屋であるからこそ、こんな愛の映画が創れるのかもしれない。

今回はこの撮影に向けて、2ヶ月にわたり解剖の現場を取材したという監督。
監督業ほか、製作、脚本、撮影監督、美術監督・・・
と、何から何まで全てをこなしてしまう監督に、そこを聞いてみた。
その答えは「自主上映の頃からやっているので・・・」と、淡々としたもの。
でもそこには絶対に監督のこだわりがある事を観客は知っている。
監督の作品はどれも皆塚本作品だとわかる、色濃いものなのだから。

そんな塚本監督の9作目である次回作は49分の短編「ヘイズ」。
予告編を上映してもらったものの、観ただけでは解らない・・・。
「狭いところから、逃げ出そうとする映画です」と注釈をつけてくれた監督。
何やらまた塚本監督の面白い作品を観られる事になりそうです。

そうそう最後に、この映画で主役を務めた浅野忠信が生まれた病院がなんと
この映画で使われた病院(今は廃病院)だと言う事をお知らせしておきます。
何かしら因縁めいたものを感じますねぇ~~~。

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