【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【レゲエプレイス】

2007年09月30日 | アジア回帰
 今日は午後1時に、ある食堂の経営者と待ち合わせた。

 私とラーはこの食堂が気に入っているのだが、彼も自分の生活があるからなかなか「うん」と言わない。

 代わりに「知り合いがレストランを貸したがっている」ということで、そこに案内してくれることになったのである。

 貸し物件は、カラオケ用の舞台を備えた倉庫のようなレストランだった。

 建物自体は殺風景だが、土地にゆとりがあり屋外も有効に使えそうだ。

 舞台も、そのままライブミュージックの演奏に使える。

 だが難点は町からかなり離れている点で、タイ人の常連以外にはほとんど客が入らないという。

 これでは、どうしようもない。

 あきらめて、食堂に戻った。

 こうなったら、人のよさそうな経営者をなんとか口説くしかない。

 とりあえず、タイ流の商談作法(とラーは信じている)に従ってウイスキーを酌み交わす。

 だが、話がなかなか進まない。

 そこで、ラーが立ち上がり、奥まったところにあるレゲエプレイス(以前はライブハウスだったのだが、現在は閉鎖して音楽仲間の溜まり場になっているらしい)に立ち寄って、友人のミュージシャンを連れ出してきた。

 4人で話をしているうちに、二人のミュージシャンと一人のコーディネーターが合流した。

 そのうちの一人の友人の父親が土地の所有者ということで、彼は賃貸料を払ってこの土地を借りているという。

 そして、彼はここでライブハウスを再開し、あまった土地に自らの音楽思想にかなったコテージを建てるという夢を描いているのだが、資金がない。

 そこで、彼の夢に共鳴してくれる出資者を探しているのだという。

 これはある意味で理想的な流れで、物件とともに音楽関係の人脈も一気に獲得できることになる。

 難点は共同経営ということで、収益が折半になるという点だ。

 ラーはその点が気になるらしく(彼女は息子や甥夫婦など信頼できる家族でスタッフを固めたいと思っている)、なかなか結論を出そうとしない。

 じれた相手は、ラー抜きで話を進めたがるのだが、現場で働くのはラーだからそういうわけにもいかない。

 とりあえず、明日地主と直接面談することにして、今日の話し合いは終わった。

 ラーは疲れたのか、食堂のキッチンを借りて得意のサラダ料理を作り始めた。

 酒の勢いもあって、若いミュージシャンたちとかわす馬鹿話はなかなか面白い。

 レゲエミュージシャンというから、もっと破天荒だと思っていたのだが、意外に礼儀正しく英語力も高い。

 調子に乗ったラーは3種類のサラダを作り、開店準備を始めた経営者を苦笑させた。

 家に入れば、なかなかいい主婦になるのかもしれない。

 商談は私が仕切って(コーディネーターはかなり英語がしゃべれる)、早く現場に立たせた方がいいのかもしれない。

 そんなことを思いながら、音楽のリズムに乗ってキッチンに立つラーの姿を眺めていた。



 
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