「クンター、コンニチワ。ゲンキデスカ~?」
久しぶりにラーに電話をすると、妙な発音の日本語が飛び出してきた。
「えーと、ソーリーは何だっけ?」
「日本語か?それなら、ごめんなさいだ」
「そうだ、そうだ、ゴメンナサ~イ!」
まったく、いきなり、これである。
前回よりは、かなり元気そうだ。
「体は大丈夫?ちゃんと、ご飯食べてる?仕事は順調?」
「ああ、大丈夫だ。でも、パソコンが壊れて大変だった」
「え、酔っぱらって壊したの?」
「まさか、お前さんじゃあるまいし・・・。たぶん、お前さんのピー(霊)の仕業だろう」
「そんなことないよお。あたしは、すべてがうまくいきますようにって毎日仏様にお祈りしていたんだから。ねえ、いつ帰ってくるの?」
「まだ、分からん」
「え~、もうすぐあたしたちの誕生日だよ」
5月7日はラーの、9日は私の誕生日である。
*
「あれからお酒は全然飲んでないし、お店もちゃんと毎日開いてるよ。いまは、朝の運動から戻ってきたばかり。おなかもすっかりへっこんで、すごくセクシーになったよ。見たい?」
「あのなあ」
「あたしね、すごく反省して仏様に誓いをたてたの。二度と酔っぱらって、クンターに悲しい思いをさせたりはしませんって。滝で酔っぱらうのはピーカウ(霊が憑いた)のせいだから、そのお祓いもちゃんとすませました。とにかく、自分の目で確かめて。あたしは、すっかり変わったんだから」
「俺には信じられない」
「だから、お願い。もう一度、自分の目で確かめて。あのね、あたし、よく分かったんだ。自分が、どんなに悪かったかって。まわりのみんなもそう言うし、犬たちだってあたしを嫌ってるんだよ」
「元気と雄太か?」
「うん、クンターがいなくなってから餌を食べなくなったから、なんとか食べさせようとしているんだけど、いくらあたしが世話してもあたしの目を見ようとしないの。きっと、クンターを怒らせたあたしのことを怒ってるんだよ」
「・・・」
「ねえ、明日チェンマイに迎えに行っていい?」
「駄目だ。パソコンが完全じゃないから、まだ帰れない」
消えてしまった各種ソフトの補充と整備が、まだ済んでいないのである。
イミグレでの用事もある。
「それに、まだ帰る気になれない。もしも、その気になったら、その時はひとりで帰る」
「ひとりじゃ、心配だよ。あのね、クッティアオ用のスープや薬草がそろそろ切れそうなの。だから、あたしがチェンマイに行って仕入れを済ませて、それから一緒にオムコイに帰ろう」
「駄目だ」
「クンタ~」
泣き出した。
「日本語も毎日勉強してるのに~。この間はウチの牛が人の野菜畑を荒らしたから、2000バーツも弁償金を払ったんだよ。5000バーツって言われたんだけど、頑張って値切ったんだよ。おかげで、ジョーは毎日牛に付きっきり。ひとりじゃ、やっていけないよお~」
「店も、ひとりでやってんのか?」
「ううん、ジョーの弟のドーと姪っ子が手伝ってくれてる」
「じゃあ、大丈夫じゃないか」
「駄目だよお~。クンターじゃなきゃ、駄目だよお~」
「・・・とにかく、いまはパソコンをちゃんと直さないとオムコイで仕事ができないんだ。落ち着いたら、電話するから」
「駄目だよ、また携帯の電源切っちゃうでしょ。毎日毎日電話してもつながらないから、疲れてしまったよお。明日チェンマイに行ってもいいって、いま約束して」
「電源は切らないって、約束する」
苦笑しながら、電話を切った。
*
新しい画像圧縮ソフトを試していると、また電話がかかってきた。
「クンター、チェンマイも雨?」
「いや、降ってない」
「オムコイは、すごい雨なんだよ。えーとね・・・」
なんだか、ゴソゴソやってる。
「あ、これこれ。カミナリガ、オチタ。イナズマガ、ヒカッタ。コワイ、コワイ」
日本語の教科書を開いているようだ。
「アメガ、タクサンフッテル。あ、お客さんがきた!じゃあ、また電話するね」
・・・まったく。
*写真は、街角で見つけた「観賞用唐辛子」。バラと一緒、という大らかなセンスに脱帽。
☆応援クリックを、よろしく。
久しぶりにラーに電話をすると、妙な発音の日本語が飛び出してきた。
「えーと、ソーリーは何だっけ?」
「日本語か?それなら、ごめんなさいだ」
「そうだ、そうだ、ゴメンナサ~イ!」
まったく、いきなり、これである。
前回よりは、かなり元気そうだ。
「体は大丈夫?ちゃんと、ご飯食べてる?仕事は順調?」
「ああ、大丈夫だ。でも、パソコンが壊れて大変だった」
「え、酔っぱらって壊したの?」
「まさか、お前さんじゃあるまいし・・・。たぶん、お前さんのピー(霊)の仕業だろう」
「そんなことないよお。あたしは、すべてがうまくいきますようにって毎日仏様にお祈りしていたんだから。ねえ、いつ帰ってくるの?」
「まだ、分からん」
「え~、もうすぐあたしたちの誕生日だよ」
5月7日はラーの、9日は私の誕生日である。
*
「あれからお酒は全然飲んでないし、お店もちゃんと毎日開いてるよ。いまは、朝の運動から戻ってきたばかり。おなかもすっかりへっこんで、すごくセクシーになったよ。見たい?」
「あのなあ」
「あたしね、すごく反省して仏様に誓いをたてたの。二度と酔っぱらって、クンターに悲しい思いをさせたりはしませんって。滝で酔っぱらうのはピーカウ(霊が憑いた)のせいだから、そのお祓いもちゃんとすませました。とにかく、自分の目で確かめて。あたしは、すっかり変わったんだから」
「俺には信じられない」
「だから、お願い。もう一度、自分の目で確かめて。あのね、あたし、よく分かったんだ。自分が、どんなに悪かったかって。まわりのみんなもそう言うし、犬たちだってあたしを嫌ってるんだよ」
「元気と雄太か?」
「うん、クンターがいなくなってから餌を食べなくなったから、なんとか食べさせようとしているんだけど、いくらあたしが世話してもあたしの目を見ようとしないの。きっと、クンターを怒らせたあたしのことを怒ってるんだよ」
「・・・」
「ねえ、明日チェンマイに迎えに行っていい?」
「駄目だ。パソコンが完全じゃないから、まだ帰れない」
消えてしまった各種ソフトの補充と整備が、まだ済んでいないのである。
イミグレでの用事もある。
「それに、まだ帰る気になれない。もしも、その気になったら、その時はひとりで帰る」
「ひとりじゃ、心配だよ。あのね、クッティアオ用のスープや薬草がそろそろ切れそうなの。だから、あたしがチェンマイに行って仕入れを済ませて、それから一緒にオムコイに帰ろう」
「駄目だ」
「クンタ~」
泣き出した。
「日本語も毎日勉強してるのに~。この間はウチの牛が人の野菜畑を荒らしたから、2000バーツも弁償金を払ったんだよ。5000バーツって言われたんだけど、頑張って値切ったんだよ。おかげで、ジョーは毎日牛に付きっきり。ひとりじゃ、やっていけないよお~」
「店も、ひとりでやってんのか?」
「ううん、ジョーの弟のドーと姪っ子が手伝ってくれてる」
「じゃあ、大丈夫じゃないか」
「駄目だよお~。クンターじゃなきゃ、駄目だよお~」
「・・・とにかく、いまはパソコンをちゃんと直さないとオムコイで仕事ができないんだ。落ち着いたら、電話するから」
「駄目だよ、また携帯の電源切っちゃうでしょ。毎日毎日電話してもつながらないから、疲れてしまったよお。明日チェンマイに行ってもいいって、いま約束して」
「電源は切らないって、約束する」
苦笑しながら、電話を切った。
*
新しい画像圧縮ソフトを試していると、また電話がかかってきた。
「クンター、チェンマイも雨?」
「いや、降ってない」
「オムコイは、すごい雨なんだよ。えーとね・・・」
なんだか、ゴソゴソやってる。
「あ、これこれ。カミナリガ、オチタ。イナズマガ、ヒカッタ。コワイ、コワイ」
日本語の教科書を開いているようだ。
「アメガ、タクサンフッテル。あ、お客さんがきた!じゃあ、また電話するね」
・・・まったく。
*写真は、街角で見つけた「観賞用唐辛子」。バラと一緒、という大らかなセンスに脱帽。
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確かに。そろそろですかね。うーん。
*
みんさん
確かに。バックアップは厳重にしなければと痛感しています。どんな写真を撮っていらっしゃるのでしょう?
*
なかちゃん
確かに。「ピーのせい」という台詞にはずっこけました。
そして、確かにチェンマイには、ブログのネタもあんまりありません。さてさて。
ラーさん、とりあえず元気が出たみたいで良かったですね!(^^)
許す許さないは別としてクンターさんもその辺は気になってたのでは?とお察し致します。
僕個人としては『ピーのせい』というところが若干引っかかるところではありますが...。(^.^;)
退屈はしなそうですよね...オムコイは。
万が一、同時に2つ壊れてしまっても、最後の1つが生きていれがOKということで…
パソコンは消耗品、、毎日使っていたら、すぐに壊れてしまいますからね。