【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【帰りたい、帰れない】

2010年05月10日 | チェンマイに潜む

 朝の6時だというのに、すでに暑い。

 シャワーを浴び、市場でもとめた手絞りオレンジジュースを飲んで、クルマのオイル交換に出かけた。

 ちと二日酔い気味だが、今日はオムコイに戻らねばならない。

       *

 宿のそばのガソリンスタンドに入り、エンジンルームを開ける。

 オイルをチェックした店員が、「プッ」と吹き出した。

 真っ黒でどろどろの上に、残量もぎりぎりになっていたのだ。

 まだ5,000キロも走っていないのに、山道の上り下りは思っている以上に厳しいらしい。

 整備担当スタッフが、オイルとフィルターのセットを見せて、

「6リッターで1,190バーツ。洗車は、無料サービスです」

「オッケー。で、時間はどのくらいかかる?」

「30分ください」

 それなら、9時には学校に着けそうだ。

     *

 ワットプラシンのそばにある中学校に入ると、すでに協会関係者が待ち構えていた。

 外の木陰で待っていると、すぐに戻ってきたが、まだ書類が完全でないという。

「ラー、どうしたんだ?」

「寄宿舎のアメリカ人オーナーが、息子を養子のような扱いにしていたらしい。まったく、勝手なことして!」

「まあ、怒るな、怒るな。怒ると、余計に暑くなる」
 結局、11時になっても埒があかない。

 手続きは関係者に任せて、いったん宿に戻ることにした。


     *

「今日、オムコイに戻れるかな?」

「うーん、わからない。でも、さっき店に電話したら、食材が残り少なくなってきたっていうから、明日仕入れて戻った方がいいかもしれない。なにしろ、専門店は朝の10時に閉まってしまうからね」

「うーん」

 唸っていると、ラーが洗濯を始めた。

 どうやら、今日戻るのは早々と諦めたようだ。

     *

 関係者から電話が入ったのが、午後1時前。

 あたふたと駆けつけると、息子の顔写真が必要だという。

 彼らは、昼食をとる時間もなかったそうだ。

 写真屋に駆け込み、現像を待つ間に昼食をとらせる。

 食べ終えたら、関係者を寄宿舎まで送らねばならない。

 彼女は書類を整えて、水曜日にまた学校に出直すのだという。

 寄宿舎への往復時間を考えると、やはり明日食材を仕入れてからオムコイに戻る方が賢明なようだ。

 暑い中でばたばたしているうちに、運転する気力も消え失せた。

 やれやれ。

 さすが、タイというべきか。

 物事は、なかなか予定通りには進まない。

 宿に戻る途中で、待ちに待った激しいスコールが降り出した。

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3 コメント

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体力気力 (バンコクジジイ)
2010-05-11 16:20:58
日本と違うから仕方ないけど何をするにしても疲れます。
予定が立たないのが一番つらいですわ。
判ってるのは優先順位だけ。
ところがタイ人手のは優先順位も気にしないから。
返信する
Unknown (ジュリ)
2014-02-04 21:11:08
こんにちは。楽しく読ませてもらいました。このブログを今後も参考にさせてもらいます。ありがとうござい
返信する
恐縮です。 (クンター)
2014-02-05 17:44:54
ジュリさん

 なにせ山暮らしなので参考になるかどどうか分りませんが、今後ともよろしく! 
返信する

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