朝の6時だというのに、すでに暑い。
シャワーを浴び、市場でもとめた手絞りオレンジジュースを飲んで、クルマのオイル交換に出かけた。
ちと二日酔い気味だが、今日はオムコイに戻らねばならない。
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宿のそばのガソリンスタンドに入り、エンジンルームを開ける。
オイルをチェックした店員が、「プッ」と吹き出した。
真っ黒でどろどろの上に、残量もぎりぎりになっていたのだ。
まだ5,000キロも走っていないのに、山道の上り下りは思っている以上に厳しいらしい。
整備担当スタッフが、オイルとフィルターのセットを見せて、
「6リッターで1,190バーツ。洗車は、無料サービスです」
「オッケー。で、時間はどのくらいかかる?」
「30分ください」
それなら、9時には学校に着けそうだ。
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ワットプラシンのそばにある中学校に入ると、すでに協会関係者が待ち構えていた。
外の木陰で待っていると、すぐに戻ってきたが、まだ書類が完全でないという。
「ラー、どうしたんだ?」
「寄宿舎のアメリカ人オーナーが、息子を養子のような扱いにしていたらしい。まったく、勝手なことして!」
「まあ、怒るな、怒るな。怒ると、余計に暑くなる」
結局、11時になっても埒があかない。
手続きは関係者に任せて、いったん宿に戻ることにした。
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「今日、オムコイに戻れるかな?」
「うーん、わからない。でも、さっき店に電話したら、食材が残り少なくなってきたっていうから、明日仕入れて戻った方がいいかもしれない。なにしろ、専門店は朝の10時に閉まってしまうからね」
「うーん」
唸っていると、ラーが洗濯を始めた。
どうやら、今日戻るのは早々と諦めたようだ。
*
関係者から電話が入ったのが、午後1時前。
あたふたと駆けつけると、息子の顔写真が必要だという。
彼らは、昼食をとる時間もなかったそうだ。
写真屋に駆け込み、現像を待つ間に昼食をとらせる。
食べ終えたら、関係者を寄宿舎まで送らねばならない。
彼女は書類を整えて、水曜日にまた学校に出直すのだという。
寄宿舎への往復時間を考えると、やはり明日食材を仕入れてからオムコイに戻る方が賢明なようだ。
暑い中でばたばたしているうちに、運転する気力も消え失せた。
やれやれ。
さすが、タイというべきか。
物事は、なかなか予定通りには進まない。
宿に戻る途中で、待ちに待った激しいスコールが降り出した。
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予定が立たないのが一番つらいですわ。
判ってるのは優先順位だけ。
ところがタイ人手のは優先順位も気にしないから。
なにせ山暮らしなので参考になるかどどうか分りませんが、今後ともよろしく!