【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【もー、大変】

2009年03月02日 | アジア回帰
 昨年取得した1年ヴィザ(通称リタイアメントヴィザ)の有効期限は、今年の1月14日までだった。

 このヴィザは、期限切れ1ヶ月前に更新できるのであるが、私は昨年11月に一時帰国してしまったため手続きももままならず、これを放置したまま期限切れ後の22日にノーヴィザでの再入国となった次第である。

 ノーヴィザによる滞在可能期間は、30日だ。

 従って、滞在可能期間が過ぎる数日前にチェンマイのイミグレーションを訪れ、1年ヴィザの再申請を行えば事は簡単に運ぶのだと思い込んでいたのだった。

       *

 ところが、先月18日に預金残高証明書などの必要書類を揃えてイミグレ窓口でパスポートを提示すると、若い男の係官が、「リエントリー(再入国)の期限が過ぎているので、ここでは1年ヴィザの申請は行えない」と言うではないか。

 では、どこでできるかと問えば「ラオスの首都ビエンチャンがベターであろう」と答える。
 
 つまり、ビエンチャンにあるタイ領事館でリタイアメントヴィザの申請を行えば、まずは90日間の滞在許可がもらえる。

 その許可期限が過ぎる前にチェンマイで延長申請を行えば、通算1年間の滞在が可能になるというのである。

 だが、わずか2日の間でビエンチャンに行く準備を整えるのは不可能だ。

 そう告げると、その係官は「ならば。まずはメーサイに行ってミャンマーのタチレクに徒歩で入り、タイに再入国すれば15日間の延長が可能になる。そのあとでビエンチャンに行けば問題はないだろう」と言う。

 しかし、どうも腑に落ちない。

 2007年1月に初めて1年ヴィザの申請をしたときには、確かノーヴィザでの入国でもOKだったはずだ。

 それに、リエントリー有効期間が過ぎているといっても、同時に申請した1年ヴィザはすでに期限切れしており、今回の入国に関する拘束力は持たないのではないか。

 現に、私はこうして何の問題もなくタイに入国しているではないか。
  
 そう問い質してはみたのであるが、その係官は「リエントリーの期限切れ」を楯に、「とにかくメーサイに行って、それからビエンチャンに行け」の一点張りで、取りつく島がない。

 そこでやむなく、その翌日メーサイに行き、さらにはビエンチャン行きの手配などを済ませていったんオムコイに戻り、昨日再びチャンマイに戻ってきたという次第なのだ。

        *

 ビエンチャンへのフライトは、明日3日の予定だった。

 空路を選んだのは、成田を出発する際に「ノーヴィザの場合、出国用の航空券がないと入国を拒否されるおそれがある」と脅され、その時点で一番安かった「バンコク~ビエンチャン」行きの片道切符を買わされていたからだ。

 しかも、その切符は払い戻しを前提にしており、燃油料や空港税などが含まれていないという。

 そこでまず、バンコクのJAL事務所まで行き、追加料金を払ってタイ・エアウェイズの正式チケットに変更しなければならない。

 「そんな面倒なことはしたくない」とごねると、それでは新国際空港のJALカウンターに当日の午前9時までに来られるなら、空港でチケット変更できるように手配しようということになった。

 そこであれこれ思案のあげく、高くはつくがチェンマイ~バンコクも空路を手配したのであるが・・・。

        *

 本日、ビエンチャンでの申請に必要な書類等を再確認するためチェンマイのイミグレーションを再訪すると・・・。

 制服を着た係官が私のパスポートを眺めたあと、

「あ、これなら日帰りでメーサイに行って、すぐにここに戻ってくれば問題ないよ」

 と、事も無げにのたまうではないか。

「えー!?だって、数日前にあんたの同僚はビエンチャンに行くしかないって断言したんだぞ」

「そりゃあビエンチャンでもいいけど、お金と時間の無駄でしょう?メーサイなら日帰りで済むから、ずっと楽だよ。
メーサイで15日間の滞在許可をもらってくれば、ここで7日間の延長ができる。滞在許可日数が21日以上あれば、1年ヴィザの申請も問題なくできるから、まあ心配する必要はないさ」
 
 ・・・ということは、前回メーサイに行った帰りにこの窓口に来ていれば、1年ヴィザの申請ができていたということなのか。

 いやはや、まったく。

 なってこったい。

 人の良さそうな顔をした係官は、呆れ返って言葉を失った私の顔をのぞき込み、最後に片言の日本語で「分かった?」とダメを押してにっこりと笑った。

「・・・悪いけど、もう一度上司に確認してくれないか」

 やっと私が口を開くと、彼は嫌な顔もせず背後の椅子に座った上司らしい女性係官のもとに歩み寄り、私のパスポートを示して何やらうかがいをたてている様子だ。

 そして窓口に戻ってくると、上司が書いたらしい簡単な説明用の英語メモを私に示し、「間違いないよ」と強くうなづいた。

        *

 イミグレーションオフィスを出ると、私はそのまま空港まで歩き、明日のバンコク行きのフライトをキャンセルした。

 払い戻しはできず、3ヶ月の保留手続きしかできなかったが、今さらビエンチャンまでのこのこ出かける気にはなれない。

 ついでに、バンコクのJALオフィスにも電話を入れ、ビエンチャン行きもキャンセルした。払い戻しはバンコクでしかできないというので、これもまた1年間保留することにした。

         *

 やれやれ。

 グッティオの店を開いたばかりの大事な時期に、とんだことで振り回されてしまったものだ。

 宿に戻って、事の次第をおかみに報告すると、大いに憤慨し、同情してくれたものだが、当の私は意外に冷静で、
「まあ、これがタイですから」などと他人事のように呟くばかり。

 嫁が日ごと発散するモンスーンのごとき猛烈タイ・パワーに較べれば、イミグレのミニ官僚型タイ・パワーなど物の数ではありませぬ。

         *

 さて、明日は往復10時間のチェンマイ~メーサイ日帰り強行スケジュール・ツアーである。

 もー、大変。

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