<本日の一言>
千葉県の停電などの問題が長引いていますね。
早い復旧を願っています。
皆様こんばんは。
明日は竜星戦準決勝や仲邑菫初段の対局などが行われます。
また、月曜日なのでSGW杯の予選もあります。
5枠、6枠の組み合わせはこのようになっています。
ちなみに、注目棋士の棋譜を探す際は、日本棋院ネット対局幽玄の間ホームページを活用しています。
ログイン後、中継→中継棋譜鑑賞と進めば、中継された棋譜の検索や閲覧ができます。
<5枠の注目棋士・加藤充志九段(45)>
羽根直樹碁聖と同様、あまりAIの真似をしない棋士だと思います。
新しい打ち方が生まれるのは良いことですが、そればかりでは面白くありません。
オリジナリティを追求している棋士には注目しています。
棋風としては、昔から一貫して手厚い碁ではないでしょうか。
1図(伊田-加藤戦1)
伊田篤史八段(黒)との対局です。
白△と当てた手に注目しました。
右上黒は生きているので、この手は先手になりません。
ですから、普通の棋士は白AやBなどと先を急ぎたくなるところでしょう。
しかし、実戦は後手を引くのを承知で、きっちりした形を作って黒の出方を待ちました。
2図(伊田-加藤戦2)
そして、黒1の飛びを見てから白2と仕掛けていきました。
面白い呼吸だと思います。
3図(伊田-加藤戦3)
白6まで、黒を分断しました。
そして右辺白は、予め白△と打ってあるので危険は無いというわけですね。
加藤九段は他の棋士よりも本手を重視していると感じます。
本手をきっちり打っておけば、後で必ず良いことがあるという信念があるのではないでしょうか。
<6枠の注目棋士・鈴木歩七段(35)>
同門の棋士はなんとなく避けてしまいがちなのですが、この機会にご紹介しておきましょう。
私の印象としては、「囲碁界一真面目な碁」です。
あいまいな手は好まず、一手一手きっちりポイントを押さえていくことを好みます。
詰碁が得意なのは上野愛咲美二段と同じですが、力の使い方はだいぶ違うようです。
本因坊秀策や小林光一名誉棋聖などから大きな影響を受けているでしょう。
1図(向井-鈴木戦1)
向井千瑛五段(黒)との対局です。
黒△と引いてAの断点を狙ってきましたが、私ならなんとか手抜きできないかを考えます。
先に白△を打ったことで、右下白が強化されていますからね。
2図(向井-鈴木戦2)
しかし、実戦は白1としっかりつなぎました。
黒の注文通りですが、ここは守るべきと判断したのです。
気分で碁を打たないタイプですね。
さて、黒8となって、白はAやBの断点が生じましたが・・・。
3図(向井-鈴木戦3)
白1のノゾキや白3のツケコシから、傷をしっかりと守りました。
また、中央黒への攻め方も、ノゾキを全部決めてから白15と、穴が開かないように打っています。
攻めも守りも堅実ですね。
昔から女流棋士は力碁が多いと言われていますが、鈴木七段は一線を画しています。
☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。
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