白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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松本武久ー大西竜平(研究会対抗戦)

2021年04月18日 23時59分59秒 | 幽玄の間

皆様こんばんは。
本日は研究会対抗戦から、松本武久八段と大西竜平七段の対局をご紹介します。
ちなみに、4/30(金)に研究会対抗戦を振り返るオンラインイベントが行われます。
ご都合の合う方はぜひご参加ください。

1図(実戦)
松本八段の黒番です。
まず白1、3が独特の感覚だと思います。
白Aの押さえを狙っている意味があり、そう突飛な形でもありませんが、普通のプロは白Bなどの効果が分かりやすい手を選ぶでしょう。



2図(実戦)
本当の驚きは、黒1に対する白2、4です。
私は黒Aや5のようなハネを許してはいけないというのは、多くのプロが持っている感覚ではないでしょうか。
しかし、大西七段には先入観というものが無いようです。
黒5とハネられた場面も、私ならとりあえず形と思って白Bとハネ返しそうですが・・・。



3図(実戦)
強く白1と切りました。
そして、さらに白5の割り込みから白9のハザマ!
ずいぶん強引に手を作っていくものですね。

大西七段は優雅な手を打ったり捨て石を用いることも多いのですが、一方でこのような力技を仕掛けることもしばしばあります。
全部まとめて一つの流儀なのでしょうが、一体どのような論理で組み立てられているのか・・・。
頭の中を覗いてみたくなります。



4図(実戦)
取るか取られるかの戦いに発展しています。
松本八段は剛腕で知られていますが、今回は大西七段の方が戦いを求めましたね。
この戦いでは黒に決め手があったかもしれませんが、結果は白中押し勝ちでした。



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