白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

チャリティー囲碁会

2016年05月04日 21時51分15秒 | 仕事・指導碁・講座
皆様こんばんは。
本日は永代塾囲碁サロンにてチャリティー囲碁会に参加しました。
多面打ち数回の後は、2対2の公開タッグマッチ!
黒番白石勇一&万波奈穂、白番首藤瞬村上晶英の組み合わせです。
結果は万波さんが黒が大石を撲殺して

中押し勝ちとなりました。
味方が強すぎました(笑)

さて、本日の講座はヨセを題材にしてみます。



6子局の白番です。
左辺の黒地に隙間が空いていますが、どうヨセますか?




白1は黒2でこれ以上進めず、失敗です。
Aに傷があるため白3と打っても繋げません。




白1のトビ込みもうまくいきません。
黒8の後黒A、白Bが先手になるので、この図は前図と全く同じ結果になります。




白1のスベリは手筋で、かなり進歩しました。
黒は2以下の対応が最善です。
黒6の後白A、黒Bとなって一段落です。
今までの図に比べて3目弱(正確には2と2/3目)得です。
しかし最後2目が追い落としになっているのがやや不満です。




正解は白1のコスミでした。
結局の所今までの図はダメ詰まりが原因で失敗していました。
中盤戦でのダメヅマリは恐ろしいですが、ヨセでもやはり重要です。
この図は前図よりさらにダメ詰まりを回避しており、どこも取られません。
黒の対応は2と控えて止めるのが良く、黒6までとなります。
後にA~Dが先手で決まります。
この図は前図よりさらに1目強得です(正確には1と1/3目)
最初の図から比べると4目もの差が生じました。





実戦は黒2が失着で、白3とトビ込まれて困りました。
黒Aには白Bで何事もありません。
黒4と受けましたがさらに白5・・・黒Cと押さえるのは白Dと切られます。




仕方なく黒1と外し、黒5に至ってようやく止まりました。
後に黒A~白Fまで決まる所です。
この結果は正解図と比べて黒6目損ということになりました。
最初に示した図との比較で言えば10目です。
アマの形勢判断と結果が大きくずれるのはこういう所に原因があります。
上手相手に地が多そうに見えても、油断しないように気を付けましょう!




おまけに類型を載せておきましょう。
白1のサルスベリをどう止めますか?
サルスベリも非常に悲劇が起きやすい形です(笑)




黒2、4などとくっつけて行っても止まってくれず、どんどん入られてしまった・・・。
誰しもこんな経験があるのではないでしょうか。
こういうミスをすると勝っている碁が台無しになりかねません。





こういう場面でも黒2と柔らかく止めておけば大怪我はしません。
後に黒A~白Fが先手で、ぴったり止まっていることをご確認ください。




こちらは上級編です。
読みが必要になりますが前図より2目得になります。


一線のヨセに限らず、相手の侵入を強引に止めようとすると無理が生じるケースは多々あります。
柔らかい止め方もぜひ身に付けてください。