<本日の一言>
今年の最多勝利と最多対局は芝野虎丸名人(20)、最高勝率は一力遼八段(22)でした。
この2人は本当に大活躍でしたね。
今年は井山三冠が頂点を守りましたが、来年はどうなるでしょうか。
皆様こんばんは。
本日は久しぶりの棋士紹介シリーズです。
<藤井浩貴初段(公式プロフィール)>
平成14年(2002年)7月25日生まれの17歳です。
今年の夏季採用で、既に対局を始めています(正式な採用は来年4月)。
彼とは全く面識が無く、入段までは碁も見たことがありませんでしたが、注目していました。
下に彼の2018年4月から2019年6月までの院生での順位(冬季採用試験時を除く)を記します。
2・3・1・2・2・1・2・1・2・1・2・1・2
冬季棋士採用試験で8位と崩れたのが不思議なぐらいの安定した成績ですね。
いくら強くても、なかなかここまでの成績は出ません。
堅実で隙の無い、優等生的な碁を想像していました。
それは間違ってはいないかもしれませんが、しかし私のイメージとは大分違ったようです。
それでは、木曜日に行われた名人戦予選の井上国夫八段(71)との対局をご紹介しましょう。
1図(実戦)
井上八段の黒番です。
ここで藤井初段、白1の肩衝き!
そして、黒2に対して白3の押さえ込み!
この2手にはびっくりしました。
ミニ中国流が流行ったとき、似たような手が打たれていた気もしますが、それにしても驚きですね。
こういうことをすると白の形が悪くなりそう、という先入観があります。
2図(実戦)
しかしこうなってみると、左上白の構えがなかなか立派に見えます。
色々な打ち方があるものですね。
3図(実戦)
ここで白番です。
目に付く所は白AとBですね。
右辺が大きいか上辺が大きいかという問題ですが、藤井初段は右辺が大きいとみました。
それ自体は普通の感覚だと思いますが・・・。
白1と、5線にケイマ!
これにまた驚かされました。
黒2を待って、そこでようやく白3とハネています。
やはり堅実派のようですが、それでいて独創的でもあります。
ここまでの打ち方を見て、本因坊秀和の名前が浮かびました。
どことなく似た雰囲気を感じます。
なお、この後は白が着実にリードを維持・拡大し、単手数で相手を投了に追い込みました。
囲碁界の藤井も素晴らしい才能の持ち主ですね。
これからどんな成績を残していくのでしょうか。
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