白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

扇興杯準決勝その2

2018年07月14日 23時34分40秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
最近の暑さは非常に厳しいですね。
ちょっと外を歩いただけで汗だくに・・・。
囲碁が屋内でできるゲームで良かったです(笑)。

さて、本日は扇興杯準決勝、万波奈穂三段(黒)と佃亜紀子五段の対局で印象に残った場面をご紹介します。
なお、この対局の模様は日本棋院ネット対局幽玄の間やYoutube「日本棋院チャンネル」にてご覧頂けます。



1図(テーマ図)
白△とノゾいた場面です。
黒Aと受けさせてから、白B周辺に回る予定でしょう。





2図(実戦)
ここで、黒はまず△と打ちました。
黒×の動き出しを睨んでいます。





3図(実戦)
白は左上隅を受けましたが、黒は先手で上辺の石を強化したことになります。
そこで、手抜きで右下黒6、8に先行!





4図(実戦)
当然、白は1、3とバッサリ切ってきました。
上下の黒が弱くなりますが、黒はこれを怖くないとみたのでしょう。
実際、この後の白の攻めを上手くかわし、先行逃げ切り作戦成功となりました。


俗にノゾキにツガぬ馬鹿は無しなどと言います。
実際、ノゾキにつなぐことは基本であり、多くのアマの皆様はまずそれに従うことを考えた方が良いでしょう。
ただ、プロはひねくれていて、ノゾキにつながないことから考えます(笑)。
プロの対局では、ノゾキ1つ打ったことが局面の転機になることもしばしばです。