白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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本日の指導碁

2016年04月27日 23時59分59秒 | 仕事・指導碁・講座
皆様こんばんは。
本日は指導碁を題材にします。
最近は膨大な図を扱うことが多いですが、今回はシンプルに行ってみましょう。



6子局の黒番です。
左辺の白が弱そうですが、どう攻めますか?




実戦は黒1とハネていきました。
黒7までと中を打って白8、黒9となって一段落。
白は先手で生きたので他の大場に回りました。
おや?黒の攻めの効果が見当たりませんね・・・




黒1が攻めの第一歩でした。
二眼できた時点で攻めが終わってしまうので、それを防ぐ意味合いです。
地味ながら地として見ても大きいです。
白は2と逃げるぐらいですから、黒3とでも打ってみましょうか。
左右の白をばっさり両断した感じがしませんか?




白1と左を逃げれば黒2と右側を封鎖、白が生きている間に包囲網が出来ていきます。
そして8、10などとモタレ攻め。好調です。
中に石が増えてくれば黒Aなどもより効果的になるでしょう。




白1と右を逃げれば、左を封鎖してしまいます。
黒10となっては白ピンチです。


序盤で2線に石が行くのは良くないとされますが、例外もあります。
石の根拠に関わる所は序盤でも非常に急がれます。



多くの皆さんが最初に教わる基本定石です。
白1は2線ですが、根拠を広げる目的で打たれます。




また、こういう場面でのAの地点は大変な要点になります。
打ったほうは生き、打たれた方は生きていない状況になります。


石の強弱は眼があるか無いかが基本です。
しっかりと意識していきましょう。