白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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ゼイ廼偉-藤沢里菜戦

2018年05月13日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
本日は天台山杯第3戦、ゼイ廼偉九段と藤沢里菜四段の対局をご紹介しましょう。
かつては世界で男性と対等に戦える女流棋士と言えば、ゼイ九段しかいなかった時代もありました。



1図(実戦)
ゼイ九段の黒番です。
左上はAlphaGoが打ち出した定石(?)です。
白Aと切られると黒×が取られますが、先手で他に回れば黒十分ということですね。





2図(実戦)
本局で最も目を引いたのはこの場面です。
白△は黒Aと受けてくださいという手ですが、この後黒Bから反撃されることになり・・・。





3図(実戦)
白△までと進みましたが、白×が飲み込まれています。
一見すると、せっかく打った1手が無駄になったようですね。
ただ、よく見ると後に白Aとハネた時に黒Bと押さえられない形になっています。
また、実戦は後に中央の戦いでも、間接的に白×が役に立ちます。

そう考えると、後々のことまで考えた柔軟な打ち回しと言えるでしょうか。
藤沢四段は頭が柔らかいですね。





4図(実戦)
黒△まで、右下白が攻められるのはなんとなく気分が悪いのですが、きつい攻めはないと見切っていたのでしょう。
最後は半目を争う際どい勝負になりましたが、藤沢四段が貴重な勝ち星を挙げました。