白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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孫喆-芝野虎丸

2020年05月21日 23時44分58秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
日本棋院ネット対局幽玄の間で行われている、古碁解説企画の第3回は本因坊秀策四段-太田雄蔵六段戦でした(解説・前田良ニ七段)。
江戸幕府成立と共に囲碁棋士という職業が確立され、囲碁界のレベルは着実に上がっていきました。
この対局当時の1842年は、それが頂点に達した時期だったと思います。
名人格の棋士が複数存在しましたし、彼らに及ばぬまでも一流の芸を備えた天保四傑と呼ばれた棋士たちがおり、太田雄蔵もその一人でした。
しかし、その後の幕府の崩壊をきっかけに、囲碁界も長い低迷期に入っていきます。
囲碁界の発展と世の中の安定とは密接な関係があったと考えられますが、現代ではどうなるでしょうか。



皆様こんばんは。
本日は5/18に日本棋院ネット対局幽玄の間で行われた、井山研究会の孫喆七段(24)-芝野虎丸名人(20)戦をご紹介します。

1図(実戦)
孫七段の黒番です。
白が左下黒を取りにいっている状況です。
中央では眼ができないので、辺だけで2眼作らなければいけませんが、どうしたものでしょうか?



2図(実戦)
黒1~5が好手順でした。
白6と受けるしかなく、黒7の当てを利かすことで一歩前進しました。



3図(実戦)
さらに、黒4の押さえを先手で打ちましたが、まだスペースは不十分です。
そこで、黒8と割り込みを放ちました。
これで白を切れるわけではありませんが・・・。



4図(実戦)
Aに断点が残った関係で、黒4のハネが先手になりました。
それから黒6と手を入れ、無条件生きです。
上手いものですね。

プロの石は簡単に死なないと言われます。
それは、僅かな手がかりでも見逃さない眼力あってこそなのです。

なお、結果は白4目半勝ちでした。



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