白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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百霊杯

2018年07月24日 23時52分37秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
本日は百霊杯1回戦が行われました。
日本勢2勝2敗はまずまずといったところですね。
今回は檀嘯九段(中国)と芝野虎丸七段の対局をご紹介しましょう。
檀嘯九段は世界戦優勝経験者です。
中国の若い九段は、大体世界戦優勝で昇段しているようです。



1図(テーマ図)
芝野七段の白番です。
白△とつなぎ、右辺を広く構えました。
ここで、上下の白の強弱が問題となりますが・・・。





2図(実戦)
黒1と打ち込みました。
白は決して強くない、むしろ攻めの対象だと主張しています。
一方、白も2とボウシして、黒を攻める態勢を取っています。
どちらの判断が正しいかという疑問が湧くところですが・・・。
これはどちらも正しいのでしょうね。
白石は強いとは言えませんが、石数が多いです。

プロ同士の対局では、どちらの言い分も正しい時に戦いが起こりやすいです。
どちらかが明らかに間違っている時に戦いが起こると、あっという間に形勢が傾きますからね。





3図(実戦)
例によって延々と戦いが続きました。
黒△と打ったところでは、ようやく局面が落ち着き、ヨセに入るかと思われましたが・・・。





4図(実戦)
あっという間に盤面が激変しました。
白が黒×を取り、黒が白×を取る振り替わりです。
にわかには損得勘定ができませんが、この2人のことですから良い勝負なのでしょう。
これだけ激しく戦って半目勝負になるとは、面白いものですね。