goo blog サービス終了のお知らせ 

白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

名人戦第4局封じ手予想

2022年10月06日 22時27分46秒 | 幽玄の間

皆様こんばんは。
10/9(日)に第25回湘南ひらつか囲碁まつりが開催されます。
伝統のイベントで、私の知る限りでは中止されたことがなかったと思います。
しかし、2019年は台風により中止、2020年と2021年もコロナにより中止となってしまいました
今回は通常の1000面打ちが700面打ちになるなど、やや規模が縮小されるようですが、4年ぶりに開催されることはとても嬉しいです。
私も指導碁を担当しますので、多くのお客様と対局できることを楽しみにしています。
なお、雨天でもテントを設営して開催される予定ですが、当日平塚市まちづくり財団ホームページをご確認頂ければ確実かと思います。



さて、本日は名人戦第4局の1日目が行われました。
シリーズは井山裕太名人が先勝しましたが、その後芝野虎丸挑戦者が連勝して本局を迎えています。
井山名人が五分に戻すか、芝野挑戦者が3勝目を上げるかということで、心理的にも重要な一局ですね。

1図(打ち掛け局面)
本局は序盤から変化が多かったですね。
特に白×は、芝野挑戦者にしか打てない手ではないかと思います。
この手が具体的にどう働くかは、打った時点でははっきり見えていなかったはずですが、それでも自分の感覚を信じて打ったということですね。

さて、井山名人が黒△と打ったところで封じ手となりました。
次の白の手が封じ手です。



2図(封じ手予想)
封じ手は白△と予想します。
左辺黒への攻め方としては、他にA~Cなど考えられますが、これが最も厳しい迫り方です。
芝野挑戦者らしいのではないでしょうか。

明日はどんな展開になるのか楽しみですね。
対局の模様は、ネット対局「幽玄の間」や朝日新聞の「囲碁将棋TV」などをご覧ください。



永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。2020年7月から共同経営者になりました。

☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
現在、「やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 「やさしく語る 棋譜並べ上達法」の4冊を出版しています。
5冊目も出ました!


SGW杯予選その13 西村慶二-中小野田智巳

2022年10月03日 23時59分59秒 | 幽玄の間

皆様こんばんは。
天元戦第1局は凄かったですね!
AI時代に白番天元とは、魅せてくれました。

本日はSGW杯予選12枠1回戦、西村慶二八段(黒)と中小野田智巳九段の対局をご紹介します。
なお、SGW杯の対局は全て日本棋院ネット対局幽玄の間にて中継されています。
過去棋譜も幽玄の間公式サイトやソフトからご覧いただけます(有料会員のみ)。

1図(テーマ図)
黒△とノゾいた場面です。
白Aと受けさせれば、それから黒Bと守るつもりでしょう。
黒△は黒×の強化などに役立ちます。
僅かとは言え黒にプラスしかない交換になるので、プロは反発したくなります。



2図(実戦)
実戦は白1、3と反発しました。
黒4の守りが必要になるので、白5、7のワリツギを利かすことができました。
黒にAやBの弱点を残すことができたので、そこで白Cと戻る、というのが一つのバランスです。



3図(実戦)
ところが、実戦は白1とさらに反発!
あえて黒2の切りを許しました。
非勢を意識したのかもしれませんが、なんと言ってもダメは絶対につなぎたくないという、反発精神が根底にあるとみるべきでしょう。



4図(実戦)
黒×と白×の振り替わりに進みました。
テーマ図の時点では思いもよらぬ結果になりましたね。
結果は白中押し勝ちでした。



永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。2020年7月から共同経営者になりました。

☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
現在、「やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 「やさしく語る 棋譜並べ上達法」の4冊を出版しています。
5冊目も出ました!


SGW杯予選その12 久保秀夫-大澤奈留美

2022年09月30日 22時46分03秒 | 幽玄の間

皆様こんばんは。
本日はSGW杯予選8枠1回戦、久保秀夫七段(黒)と大澤奈留美五段の対局をご紹介します。
なお、SGW杯の対局は全て日本棋院ネット対局幽玄の間にて中継されています。
過去棋譜も幽玄の間公式サイトやソフトからご覧いただけます(有料会員のみ)。

1図(テーマ図)
白△と押さえた場面です。
右上白は十分なスペースがありますが、若干の隙があります。
その隙を衝く手段は?



2図(実戦)
黒1の置きから、黒3と切りました。
白Aと取れば、黒Bで白×を取ることができます。
傷とダメ詰まりが白の弱点でした。



3図(実戦)
そこで、白1とつなぎましたが、黒2がまた手筋です。
黒4まで、Aの所のコウ争いになりましたが、黒の花見コウです。
黒が鮮やかに止めを刺しました。





4図(変化図)
黒1に対して白2と受ければ黒3とつなぎます。
白はAともBとも打てない、押す手無しになってしまいます。



永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。2020年7月から共同経営者になりました。

☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
現在、「やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 「やさしく語る 棋譜並べ上達法」の4冊を出版しています。
5冊目も出ました!


SGW杯予選その11 村松大樹-白石勇一

2022年09月29日 23時50分58秒 | 幽玄の間

皆様こんばんは。
本日はSGW杯予選6枠準決勝、村松大樹六段との対局を振り返ります。
なお、SGW杯の対局は全て日本棋院ネット対局幽玄の間にて中継されています。
過去棋譜も幽玄の間公式サイトやソフトからご覧いただけます(有料会員のみ)。

1図(実戦)
私の黒番です。
ここで黒Aと抜けば白B、黒C、白Dで左辺白に生きられますが、それで形勢は十分です。
ただ、この後の進行に関して色々と見落としがあり、実戦は黒Eと眼を取りにいってしまいました。



2図(実戦)
白△まで生きられ、攻めは空振りに終わりました。
この後は黒Aが相場ですが、白Bと当てられてまず勝ち目が無いと感じました。
黒は厚いことは厚いですが、形が不十分です。



3図(実戦)
そこで、黒1と目一杯の手を打って紛れを求めました。
とは言え、黒は×の所にしか眼が無く、苦しい姿になりました。
ただ生きるだけでは負けなので、黒Aと切って反撃するしかありません。
ノックアウトされても文句は言えない状況ですが・・・。



4図(実戦)
騙しました。
黒があまりにひどさすぎたせいで、白も手が滑ったかもしれません。
この結果は黒が強力な外勢を得たうえ、攻め合いはセキです。
一転して黒大優勢になりました。

しかし、この後僅か30手程度で逆転されるとは、自分でも信じられません・・・。
悔やんでも悔やみきれない一局でした。



永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。2020年7月から共同経営者になりました。

☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
現在、「やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 「やさしく語る 棋譜並べ上達法」の4冊を出版しています。
5冊目も出ました!


SGW杯予選その10 白石勇一-村松竜一

2022年09月28日 23時27分45秒 | 幽玄の間

皆様こんばんは。
本日はSGW杯予選6枠1回戦、村松竜一八段との対局を振り返ります。
なお、SGW杯の対局は全て日本棋院ネット対局幽玄の間にて中継されています。
過去棋譜も幽玄の間公式サイトやソフトからご覧いただけます(有料会員のみ)。

1図(実戦)
私の黒番です。
黒1の切りは一粒で二度おいしい切り。
取られるまでに黒3、5を利かし、下辺黒模様を広げることができました。
少しポイントを上げた場面です。



2図(実戦)
白1と黒模様を消しにきた場面です。
周囲の黒は堅いので、黒Aなどと受けるところではありません。
黒2~6と攻撃して戦いに入りました。



3図(実戦)
白×を取った後、下辺が焦点になっています。
黒6は最も堅く打った手で、白Aには黒B以下攻め合い黒勝ちです。
そこで、実戦は白7と変化しました。



4図(実戦)
白2まで下辺で生きられましたが、先手を取って黒3と荒らしに向かって勝勢です。
最後は白の時間が切れて決着しました。



永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。2020年7月から共同経営者になりました。

☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
現在、「やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 「やさしく語る 棋譜並べ上達法」の4冊を出版しています。
5冊目も出ました!