今年になってから、コロナ対策でどこへも行けないので、先月国宝についての本を2冊図書館で借りて読んでみた。
1冊目は『国宝入門』(小和田哲男氏著)で2冊目は『国宝の解剖図鑑』(佐藤晃子氏著)である。
どちらもなかなか面白かったですが、基礎的なことを少し書かせていただくと、
国宝というのは、文字通り国の宝ですが、人間国宝は国宝ではありません。(重要無形文化財保持者ということになるそうです。)
これらの本ではありませんが、国宝は昔はもっと数が多かったそうですが、戦後文化財保護法ができたころに国宝を厳選して数を減らしたようです。
ですので、平成30年3月1日現在では8分野1110件(1件に約7万点ほどのものもあるそうです)になるそうです。(1年間に5件程度増加。東京国立博物館に展示される)
内訳は、建造物225、絵画160、彫刻134、工芸品253、書跡・典籍227、古文書61、参考資料47、歴史資料3。
国宝はすべて日本製かというとそうではなく、中国、朝鮮、西洋などで生まれたものが100以上もあるそうです。逆に非常に国宝級の作品でもアメリカにあるものは国宝ではありません。
また、正倉院の宝物や桂離宮など宮内庁所管の物は国宝には指定されないそうです。
日本で一番国宝をたくさん所蔵している都道府県は?
京都?奈良?ではなく、東京都で280件。京都は2位で233件。奈良は3位で202件だそうで、国宝の55%が近畿の6府県に集中しているらしい。(徳島県と宮崎県には1件もないとか)
一番大きな国宝は高さでは京都府東寺の五重塔が約55mでトップ。大きさなら東大寺の大仏殿(高さ約45m)とその中の大仏(高さ約15m)で、
一番小さな国宝は有名な「漢委奴国王」の金印で一辺が2.3cmと1円玉くらいらしいです。(砂金を入れると1mm以下の物もあり)
その他、奈良県の新薬師寺の12神将の中で1体だけが国宝でないとか銀閣は国宝だが金閣は昭和62年に再建されたものなので国宝でないとか、犬山城は最近まで成瀬さんという方の個人所有だったとか色々と新発見がありました。
なお、国の重要文化財は13000件以上。世界遺産は文化遺産が17件のようです。