特別展『寺平遺跡』を企画しました、生涯学習課文化担当の三村と申します。
歴史民俗資料館の展示や歴史・自然関係の教室を考え、発信しています。
昨年の夏は縄文時代のくらしに関する展示を企画しましたが、今回は市塙地区(現城見ヶ丘運動場)で
発掘された当遺跡にスポットをあて展示を行いました。
人によってはこういった展示や、歴史に関する教室は敷居が高く感じられると思います。
その原因の一つに、歴史の大きな流れと自分をうまくリンクできないということがあげられます。
市貝町には誰でも知っているヒーローのような武将がいるわけではありませんし、県内を見ても歴史の
目立つ面は南西部に集中して、なかなか身近なものに思えません。私も学生時代、苦手意識を持っていました。
そんなとっつきにくさを感じている人でも、今回発掘調査された寺平遺跡を通すことで歴史をグッと身近なものに
感じられるのではないでしょうか。
たとえば、奈良・平安時代、寺平遺跡に住んでいた人物は、743年に施行された墾田永年私財法により力を付けた
豪族とされています。この法律は中学、高校で必ず習うもののひとつです。
他にも、南北朝・室町時代に館を構えたのが益子氏由来の人物という見方が高まっていますが、この益子氏の
一族は紀清両党(益子氏と芳賀氏のこと)として宇都宮氏の精鋭武士団として活躍し、奥州合戦にも参加します。
このように点が線となり、線が面となり、一つの絵画が出来上がるように、古代の出来事がストーリーとなって
私たちの目の前に姿を現してくれます。
一歩踏み出せば長く寄り添ってくれる旧友のような存在、それが『歴史』です。
今回は実際に発掘調査に携わった中村信博先生が解説の文章を手掛け、分かりやすく、しかも深く理解できる
展示となっています。特別展『寺平遺跡』は11月13日まで開催しています。ぜひ会場に足をお運びください。
今後も学習に役立つことを目標に展示・企画を実施していきますので、楽しみにしていてくださいね。
生涯学習課文化担当
三村