いちごわさびの徒然草

アニメ大好き! ガンダム大好き! そんなこんなを徒然なるままに・・

<第51話>フォン・ブラウンへ・・ / [小説]ガンダム外伝

2011-09-11 23:44:58 | [小説]ガンダム外伝
<ここまでの話>
【第1部】
<第1話> から <第24話>までのリンク
【第2部】
<第25話> から <第46話>までのリンク

【第3部】
<第47話>月面着陸・・
<第48話>敵か味方か?
<第49話>アロー市自衛軍
<第50話>大丈夫だよね・・
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「よし! シャフトは途中下車だ! フォン・ブラウンに行くぞ! どうする?」

「えっ! 私ですか?」

「いや、無理強いはしないつもりだが・・
 フォン・ブラウンまで行くと、帰るのが遅くなる・・ それでも良いなら・・」

「特に今日は何も予定がありませんので、私は問題はないですが・・」

「そうかぁ?・・ ひょっとしたら・・ 泊まるかもしれんぞ♪」

「えっ! そ・・ でも、あの・・
 大丈夫・・ うん、私、明日は非番だし・・ 大丈夫だよね・・ うん・・」

「そうかな? 大丈夫かなぁ? う~ん・・ わからんぞ?」

「え~ え~ え~!! だって心の準備が・・」

「おいおい♪ リアクションが大袈裟だな 冗談だよ・・って 半分だけな
 さて、そろそろ3層目だ・・ 降りるぞ!」

「えっ?、 なんて? 今、半分って ねぇ 三佐ぁ・・ ねぇ・・」

ゴチャゴチャと、うるさいのだが、チロル三尉の言葉には、私に対する不信感が全くない事が
感覚的に感じられるのか、何か心地よい♪・・
また、癖なのか? 『え~』と言う度に目が大きくなり、そして、目をそらさず、
じっと私の目を覗き込むように正視する・・
その視線に思わず目をそらしてしまいそうだが・・ その覗き込む顔がなぜか可愛い♪

(そういえば、最近は私がM系にばかりなっていたらかなぁ・・)

つい、いじめたくなるのだが、それが心地よいため邪魔にも感じず、
なぜか自然と顔もほころんでしまう・・

「あ~ぁ なんか悪い事を考えている顔ですよね~
 というか、お返事してくださいよぉ! 無視ですか? 放置ですか? 三佐ぁ・・」

シャフトが第3層に止まり、ドアが開く・・
そのまま、私が降りると、チロル三尉も私に続いてシャフトを降りる・・
が・・ 何か小さな声でブツブツ言っている・・

「私の家がここだから、降りただけで・・
 フォン・ブラウンに行く訳じゃないんだからね・・ うん・・ お家に帰るんだから・・」

「さて・・ 地下トンネルってどっちにあるんだ?」

「は?・・」

「だから、地下トンネルだ・・」

「は・・ハイ・・ リニアの乗り場は少々離れています、
 シャフトステーションの出口付近に、トロリーバスターミナルがありますので、それで行くか
 またはエレカーで、リニアステーションまで行けば・・
 というか、エレカーを借りたら、乗り換える必要なしで地下トンネルの通行が可能ですよ
 そのままエレカーでフォン・ブラウンまで行けちゃうって手もありますが♪
 リニアより時間がかかりますし、少々お高いところがミソですが・・ 」

「そうか・・ そういう手もあるんだな・・
 エレカーだと寝てても行けそうだな・・ 私が泊まりになっても、三尉はそれで帰れるし・・」

「そ!! そうですよね!! 私は帰れますよね!! エレカーを借りましょう♪」

「そんなに帰れることが嬉しいのか? 私は泊まりの方が嬉しいのだが♪・・」

「三佐・・ それ、セクハラです!」

(なんだ? さっきまでの弱気が、帰れるとなっただけで、これだけ強気に出れるものなのか?)

「というか、エレカーで行くって、実は初めてなんです! 滅茶苦茶高いんですよ!
 フォン・ブラウンまで遊びに行っても、リニアにある時間までに帰るのが基本で・・
 エレカーで帰るより、宿泊する方がはるかに安いんですから!」

「そ・・ そう言う事なのか・・ というか、借りるのはチロル三尉が・・」

「ダメですよ~! 三尉ごとき下っ端のお給料でエレカーなどに乗れるわけがなく!!
 そこは高額所得者の三佐が・・」

「いったい幾らなんだ? まぁ仕方が無いか・・ エレカーを借りる方が楽そうだしな・・
 確か、フォン・ブラウン市内でも使えるんだよな?」

「はーい♪ 決定ですね♪ エレカーで行きましょう♪」


・・・


シャフトステーションの入口横にあるエレカーターミナルで、空車のエレカーに
軍の身分証をかざし車中に入る、コロニーにあるエレカーと仕様が同じなので違和感は無い。
エレカー運転席正面のナビゲーションシステムに、私の名前が表示されている・・
認証はOKみたいだ・・(ヒックス准将・・ 正式って・・ さすがです・・ )
行き先の入力を求められたため、チーフの店の名前を入力すると、暫くの検索の後
基幹道路の出口名が表示された・・ そこまでは自動運転で行く事ができる。
基幹道路では、電磁誘導で電力は外部から給電されるが、期間道路を出ると
エレカーに搭載されているバッテリーで駆動する・・
つまり、基幹道路以外は自分で運転する必要があると言う事だ。
行き先に表示されている基幹道路の出口名に「OK」と入力すると、
静かにエレカーが動き出した・・

(チーフ・・ この前、少し無線で話をしたが、元気そうだったな・・
 というか、急に顔を出すと、どんな顔をするだろう・・ビックリするだろうな・・)

「三佐・・ どちらに行かれるのですか?」

「うん・・ 戦友だ・・ ケガをして今はコックをしている・・」

「えっ? 三佐・・ ・・ 三佐は戦闘に参加されたのですか?」

(うっ・・ しまった・・ ついチーフの事を考えていたから・・ポロリと・・)

「いや・・ サイド6自治軍から地球連邦軍に出向していてね・・ その時の仲間だ・・」

「戦闘って モビルスーツ戦ですか!?」

「いや、彼とは宇宙戦闘機中隊で一緒だった・・」

「そうですか・・戦闘機隊なんだぁ・・ じゃぁザクとは戦ってないんですか?」

「なんだ? がっかりしたのか?
 しかしな、実はザクとは数回戦った事があるぞ、彼とも一緒に戦った・・」

「えっ! えっ!! ザクと戦って・・ それで生還されたんですか?!!」

「まぁな・・足があるだろ? で・・いくつかザクを落としたが、それは機密だ・・」

「え~ え~ え~ !! 戦闘機でザクをですかぁ! 秘密ってそんなの無いですよね
 そのお話を聞かせてください!! やっぱり何かある!って思ってたんですよ~♪」

「おいおい・・ そんなに目を輝かせるなよ・・ で・・ なんだ?その何か?って」

「だって、司令の感じからして、きっと重大な任務についていた人だ!って直感です♪
 だから、シャフトでお見かけしたときに、これはチャンス!! って思ったんです
 それにエレカーだもんね、時間はたっぷりありますよね♪ トンネル内は退屈だし・・」

「そんな・・ 話す事など、そんなに無いぞ・・ というか具体的に何を聞きたい?」

「じゃ、宇宙戦闘機でザクを落としたのが軍機なら、その時の戦法を教えてください♪」

エレカーは市街地を抜け、地下トンネルに入っていった。
キャノピーがロックされエア-がエレカー内に充填される・・ トンネル内は真空だ
周りの景色は単調になり、チロル三尉の言うように確かに退屈でもある・・
そこにチロル三尉のおだての上手さにも乗せられ、ルウム戦役での話を始めてしまった
一通りの武勇伝から、宇宙戦闘機での戦術論になった時、飽きてきたのか・・

「で・・ お話の途中ですが・・
 司令は『三佐はMSパイロットだ』って、おっしゃってましたよね・・
 そろそろモビルスーツのお話を聞きたいなぁ・・ って♪
 三佐はいつからモビルスーツに搭乗されたのですか? で・・戦闘経験は?」

「なんだ・・ 戦闘機の話は飽きたのか? これからだと言うのに・・
 で、興味はやはり、モビルスーツか・・ まぁ、戦闘経験はあるがな・・ 」

少々素直なチロル三尉の相手をするうちに口が軽くなっているようだ・・

「え~ え~ え~ !!! やっぱり! やっぱりあるんですね♪」

「こら! 顔が近い♪・・ まぁ戦闘機とMSは全く異なると言われるが
 基本的なパイロットのセンスは、どちらも同じだと思う・・
 私は運が良いのかもしれない・・ 連邦軍のMS配置計画の1期生に入れたからな、
 早い段階で訓練に入り、連邦宇宙軍でも最初の頃にMSに乗った・・
 知っているだろ? 連邦軍の初の量産型ジムっていうモビルスーツだ・・」

「ハイ知っています。最近は後期量産型や新型も出ているそうで・・」

「良く知っているな・・ 初期型はマシントラブルも多かったが、
 ジムに標準装備されているビームスプレーガンは、すごい武器だと実感できた・・
 最初の配属は試験隊でな、輸送船護衛任務が主な任務だったんだが・・
 ジオン軍は連邦軍にはMSなどは無いと思っている頃で、更に、ビーム兵器を携帯している
 何てことも考えていなかった時代だ、大概が1小隊3機ほどのザクで、2機出てくることが
 多かった・・ 最初は連邦軍は1小隊を戦闘機と同じく5機のMSで編成したからな
 ザクマシンガンは初速が遅いだろ? 対峙したらビームスプレーガンの連射で即効でけりが
 付いてしまう・・ 今まで劣勢だった連邦軍なのに、我らの小隊は無敵だった・・
 が、それは携行できるビーム兵器のおかげでな・・ MSだから勝てた訳ではなかったんだ
 最初だけさ・・ 強かったのは・・ まだ、制宇(空)権がジオンに取られていたからな・・
 ジオンのMSパイロットは優秀だから、こちらにビーム兵器があることが解ってくると
 戦術を変えてきたんだ・・ 調子に乗って慢心した連邦のパイロットは、性能では劣るザクが
 相手でも、生きて帰っては来なくなったんだな・・」

「やっぱりジオン軍のパイロットの方が熟練者が多いって事なんですね・・」

「そうだな・・ 戦闘機や戦車乗りが適正だけでバンバンMSに機種変えしても、
 やっぱり、MSで慣れているジオン軍との実力の差は明白だったんだ・・
 その頃からかな、ちゃんとした戦闘論や戦法などが真面目に議論され始めた訳だ・・
 ただ・・ そのように考えるのも一部の人間でな・・
 一人前のパイロットに育つまで待てない訳だ、今の状況だな・・
 ジオンに対し、連邦軍は待った無しの攻勢をかけているだろ?
 つまり、経験不足のパイロットでも、物量でジオンに対抗する戦術を取れば・・
 ということだ・・ アロー市で良かったな・・ 連邦軍に志願してたら、今ごろは最前線だぞ」

「そんなぁ・・ まだシュミレーションと、工事用プチモビルスーツで180時間ですよ・・」

「立派じゃないか? 実はな100時間も乗ってない奴らが戦場に出ているんだ・・
 16~18の子供もだぞ・・それが現実さ・・ で・・ その後は、サイド6自治軍だ・・」

「サイド6って・・ つい数日前にジオンのモビルスーツがコロニー内で大暴れした
 ってニュースがありましたが・・ 三佐はその場に居られたのですか?」

「ああ・・ 居たよ、2度目の戦闘時は宇宙に出てたので、
 コロニー内の事はニュースでしか知らんが・・」

「2度ある事は3度ある・・ って言いますよね・・
 中立だって言っても攻めて来ると防ぎようが無い・・
 アロー市だって中立だから安全とは絶対に言えないって事で
 あのニュース以来、月面都市でも危ないって噂が・・
 私達に今できる事は何か?って 私の仲間達も毎日議論しています」

「そうだな・・ 有事の際に、市民を守ること・・これが君らの一番大事な使命だろ?
 そのためにも、訓練を積み上げる事が大事と思うな・・」

「君らですかぁ 私達ですよね 三佐?」

「あ・・ ああ・・ すまんすまん・・
 外が長くて、連邦軍根性が染み付いたかもしれんな、許してくれ 私達だ♪」

「はい♪ そういう事ですよね!
 で・・ モビルスーツでのお話・・ もう少し聞きたいですっ♪ 」

「って・・ 結局MSの話が一番聞きたいようだな・・ じゃあ・・ 」

と、先ほど話した、ルナ2所属時の輸送艦護衛任務の話の続きから、幾つかの話を経て、
グリフィンでの話になった時、ドクロ野郎の事を思い出した・・
話がドクロ野郎との戦闘の話になる、話しながら異様に力も入る・・
(やっぱりこいつは許せん!)
そして、つい先日の戦闘の話になると、口が止まった・・

「どうされたのですか?」

「いや・・ 思い出すのも辛い戦闘も数多くあるんだ・・と言う事だ・・
 もう・・ この辺で良いだろ? 」

「すみません・・ やっぱり戦争なんですよね・・
 意味があるのかな?・・ 宇宙の民が互いに戦うって・・
 こんな事を言うと、叱られると思いますが・・ 三佐だから言えそうな気がして・・
 私達は中立を宣言していますが、結局は裏で地球連邦のお世話を受けている訳で・・
 でも・・ 地球連邦って正しいのでしょうか? 私はジオン公国も悪いけど
 地球連邦だって悪いようにも思ってて・・」

「おいおい・・ 外では言うなよ・・
 だがな、チロル三尉の言いたい事は解った・・ というか解ると思う・・
 叱らないさ♪ 」

「やっぱり、三佐は思った通りの方でした♪ 言ってちょっとスッキリしました♪
 で・・ 三尉とかじゃなくって、チロルとかチィロって呼んでください♪
 そして、もっともっと色んな事を教えてください!!」

「って・・ いろんな事って・・ あと教えることは・・ あっちの事か?」

「もう! 三佐ぁ・・ セ・ク・ハ・ラ ですってば♪」

「だな・・ じゃ私も三佐じゃなくって良いぞ・・」

「え~? なんて呼べば・・ ベリーさん?」

「いや、名前は味気ない・・ う~ん そうだな・・ おにいちゃん とかどうだ?」

(うん、名案だ!・・ フォン・ブラウンでチーフに会ったときに『おにいちゃん』と
 呼ばれていたら、説明しなくても新しい彼女か何かだと思ってくれるだろう・・
 というか、ベリーなどと異なる名前で呼ばれると、いろいろと都合が悪くなりそうだ・・)

「え~・・ おにいちゃんですかぁ・・ 」

「だめか?」

「だめですよぉ・・ なんか照れくさいし・・ 年も・・」

「てめぇ・・ 年って言ったな! これぐらい離れた兄弟もいるだろ?
 というか、慣れちゃうと言いやすいぞ、そしてな、おにいちゃんと言われると
 手も出せなくなる効果もあるしな・・ 『ベリー三佐ぁ』とか萌え声で言われると
 あっちがその気になるかもしれんぞ♪ どうする?」

「何ですか? その萌え声って・・ というか、いつもそっちの話になるんですね・・」

「そうだな、社交辞令と言っておこう、半分本気で半分冗談だ・・ 死んでも治らん♪」

「はい!はい! ご病気という事ですね・・ では・・ 冗談であると信じますね♪」

するとチロル三尉は私に敬礼をし・・

「了解であります♪ 身の安全のためにも
 全力で『おにいちゃん』と呼称させていただきます!」

といいながら、ペロっと舌を出す・・(いい感じじゃないか・・)

「よ~し! じゃあ練習だ! チィロ♪」

「え~・・ いきなりですかぁ・・ えっとぉお・・
 あ~ん! やっぱだめですぅ・・ もうちょっと時間をください 三佐ぁ・・」

「ん? 今『三佐ぁ・・』って言ったよな・・ 次に言ったら本当に宿泊だ!」

「え~ え~ !! 冗談ですよね? ねぇ!! 」

とか馬鹿話をしているうちに、地下トンネルを過ぎ、エレカーは検問所に入った、
フォン・ブラウン市の検問だ、エレカーが止まり3人の兵士がエレカー内部を
確認するが、アロー市自衛軍の識別と軍服着用のため、細かな質問はなく
身分証の確認だけで通過する・・
これが地球連邦軍の身分証明と制服だったら、入市にはかなりの時間が必要だ・・

エレカーは基幹道路の支線に入り先に進み、数分後に基幹道路EXITを通過し
エレカーターミナルに停車する・・

「さて・・ 第4層のサウスエンド地区に行きたいんだが・・
 ナビでは基幹道路はここまでで、シャフトも第4層には行ってないようだ
 私は来た事がないので分からんが・・ チィロは行った事があるか?」

「フォース(第4層)ですか? ボトムズ(最下層)の1つ上ですよね・・
 というか、フォースもボトムズも、私は行ったことが無くって・・
 ジャンク屋さんとか、ジオンのダイクン派などが、ジオン公国から隠れて住んでいるとか
 地元の子(フォン・ブラウン)でも、あまり行かない所ですよ
 アロー市の最下層より、危ないとも言われています・・」

(ボトムズって嫌な呼称だな・・ ルナリアンの格差社会か・・)

「まぁ、そうかもしれんが、そんな所でしか商売できない奴らも居るって事だ、
 というか、そういう所の方が、本音で生きているんじゃないかな、人間らしい!」

「そりゃ三佐の・・」

「こら!『おにいちゃん』だ♪」

「えっ? い・・ 今のカウントですか?」

「う~ん 『三佐ぁ♪・・』じゃなく『三佐』だったからセーフにしよう・・
 でも、次からはアウトだ♪」

「よし! セーフ!・・
 で・・ 言われる事も分かりますが、やはり少し危険かと・・」

「じゃ、チィロはここで降りろ! 危ないところには連れて行けんからな!」

「いや・・ えっとぉ・・ 危険なのは私ではなくって
 おに・・ いや、ですから私も行きます!」

「ん? そんなに、『おにいちゃん』と言うのが嫌か?」

「うん・・ だってぇ・・ そんな単語は、やっぱり私の辞書には無いし・・」

「というか、危険だから兄弟の振りをするんだ、軍務だと思え!
 でな・・ さっきから中途半端なタメ語と敬語のチャンポンは違和感があるぞ・・
 本当の兄貴だと思えば、もっと言いやすいだろ?」

「はぁ・・ 私には兄は居ませんし・・ まして上官に対し・・
 というか、意味があるような無いような・・ 」

「いや・・ 意味があるから言っている・・ そして上官と思わんで良い!
 どうなんだ? 呼ぶのか? そしてタメ語だ、それが連れて行く条件だ・・」

「はい・・ わかりました・・ ・・・おに・・・」

「ん? 聞こえんな?」

「はいはい・・ わかりましたってば! おにいちゃん!」

(おっ・・ いい感じじゃないか・・ やっぱり予想したように萌えるな♪)

「よし♪ じゃぁ出発だ・・ まずは第4層に降りよう、私が運転するからな
 あとは口と耳があれば大丈夫だろ、聞いて回ればいいさ・・」

「そうですね♪ 行った事が無いんで、ちょっと楽しみでもあります♪
 マップは私が見ますので、運転はお願いいたします
 というか、軍に入ってからエレカー免許を取得したので、まだペーパー免許なので・・」

「なんだ、プチモビルスーツは180時間も乗っているのに、エレカーはペーパなのか?」

「てへっ♪」

と、ペロッと舌を出し、笑うチロル三尉の顔に癒される自分が居た・・

<第52話>セカンド・ルナ」に続く・・・

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