沖縄・伝統文化

沖縄の伝統行事や伝統芸能・民俗芸能などを紹介するブログです。
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糸満ハーレー

2006-05-30 13:33:22 | 行事
旧暦5月4日は、沖縄県内各地で伝統行事のハーリーが行われます。ハーリーは中国から伝来した爬竜船(はりゅうせん)が変化したものとされていますが、漁業の町・糸満ではハーレーと呼ばれる一大行事です。例年、ハーリーが始まると梅雨明け間近といわれていますが、今年はまだ梅雨のさなかで小雨が降っていました。
古くから漁業の町であった糸満のハーレー舟には沖縄の伝統的なサバニが使用されていますが、このサバニは昔から宮崎県産の杉板を釘を使用することなく、巧みに継ぎ合わせて製作されているのだそうです。

糸満のハーレーは、かつての糸満を構成していた西村(シンダカリ)、中村(メンダカリ)、新島(ミージマ)の三つの集落で競漕が行われる習わしです。最初の競漕は伝統儀式の色濃い御願(うがん)バーレーで始まります。手前から西村、新島、中村のハーレー舟ですが、この御願(うがん)バーレーのときだけ旗振りが乗りこんでいます。

御願(うがん)バーレーを終えると、漕ぎ手たちは神職(ノロ)とともに港近くの拝所である白銀堂で報告した後、鉦を叩きながら古謡のハーレー唄を唄います。

糸満ハーレー名物の一つ、アヒル取り競争です。ハーレー競漕の合間に行われるアトラクションですが、港内に放されたアヒルを素手で捕まえるとそのアヒルがもらえるという競技です。誰でも参加自由だというので大勢の参加者が港に飛び込みました。もともと泳ぎも潜りも得意なアヒル、それが必死に逃げ回るとあって、泳いで捕まえるのは容易なことではありません。

糸満ハーレーだけで行われる名物競技、転覆競漕(クンヌカセー)です。通常通りにスタートしたハーレー舟は本部前の黄色旗の前で一旦、舟を転覆させた後、水を掻い出しながら再び漕ぎ始めるという難易度の高い競技です。故意に転覆させた後、絶妙のタイミングでくるりと反転させながら中の水を押しだして、残った水は櫂を漕ぎながら掻い出すのです。熟練の技にかかれば、転覆から修復して再びこぎ出すまで、ものの20秒とかかりません。