映画『ダークナイト ライジング』 - オリジナル予告編 (日本語字幕)
1997年【米】
監督&脚本 ジェームズ・キャメロン
キャスト
レオナルド・ディカプリオ
ケイト・ウィンスレット
主題歌 セリーヌ・ディオン
あらすじ
豪華客船タイタニック号はイギリスからアメリカ・ニューヨークまで向うが途中氷山にぶつかっる。三等船客の貧しい画家ジャックと一等船客の富豪の令嬢ローズの短くも儚い恋愛を描くロマン映画。観客の涙をそそったラヴストーリーの要素を加えたスペクタル超大作であり、総制作費2億ドルを投じた客船の再現など雰囲気も見所。
寸評
全米で6億ドル、全世界で18億3500万ドルという史上一位の興行収入を誇る作品。
それ故に、賛否が分かれるという、不思議な作品だ。
みんな見てるのに好き嫌いを語る。
そうなのだ。
この作品の最大の弱点は高度に発達した情報化社会の中で誕生した超ド級大作なのである。
つまり、売れすぎた作品なのだ。
キャストはメインの2人以外は殆ど無名。
そして、当時飛ぶ鳥を落とす勢いのディカプリオと実力派女優のケイトウィンスレット。
殆ど、この2人のみを軸にして物語は進行する。
他の設定は良くも悪くもオーソドックスで、初心者ライターでも思いつくくらい判りやすい設定だ。
身分差の恋。
これ以外に設定らしい設定は無いのだ。
ここで、舞台設定である。
タイタニック号だ。
これは設定としてはパワフルだ。
沈むことを観客は知っている。
それをいかにして再現するのか、というドキュメンタリーを観客は求める。
2人のドラマは悪く言えばありきたりなわけだが、このドキュメンタリーは空前の規模だ。
だから、キャメロンは2人のドラマを判り易くしたのかもしれない。
空前絶後の事件を舞台設定にして、それを浮き立たせつつ、2人のメロドラマを乗せる。
従って、このドラマの好き嫌いを持って、この作品の評価をするのは如何なものか。
この作品の見どころは、巨大な豪華客船が、あっという間に沈む、スペクタクルな映像美なわけだ。
キャメロンは、名作「T2」や「エイリアン」などにも見られる、最新鋭のスペクタクルそのものを作ってきた男だ。
この男が作った映像に息を飲み、そしてタイタニックで実際に起こったであろう極限状態の人間達が織りなすドラマを見るのが、この作品なのだ。
監督&脚本 ジェームズ・キャメロン
キャスト
レオナルド・ディカプリオ
ケイト・ウィンスレット
主題歌 セリーヌ・ディオン
あらすじ
豪華客船タイタニック号はイギリスからアメリカ・ニューヨークまで向うが途中氷山にぶつかっる。三等船客の貧しい画家ジャックと一等船客の富豪の令嬢ローズの短くも儚い恋愛を描くロマン映画。観客の涙をそそったラヴストーリーの要素を加えたスペクタル超大作であり、総制作費2億ドルを投じた客船の再現など雰囲気も見所。
寸評
全米で6億ドル、全世界で18億3500万ドルという史上一位の興行収入を誇る作品。
それ故に、賛否が分かれるという、不思議な作品だ。
みんな見てるのに好き嫌いを語る。
そうなのだ。
この作品の最大の弱点は高度に発達した情報化社会の中で誕生した超ド級大作なのである。
つまり、売れすぎた作品なのだ。
キャストはメインの2人以外は殆ど無名。
そして、当時飛ぶ鳥を落とす勢いのディカプリオと実力派女優のケイトウィンスレット。
殆ど、この2人のみを軸にして物語は進行する。
他の設定は良くも悪くもオーソドックスで、初心者ライターでも思いつくくらい判りやすい設定だ。
身分差の恋。
これ以外に設定らしい設定は無いのだ。
ここで、舞台設定である。
タイタニック号だ。
これは設定としてはパワフルだ。
沈むことを観客は知っている。
それをいかにして再現するのか、というドキュメンタリーを観客は求める。
2人のドラマは悪く言えばありきたりなわけだが、このドキュメンタリーは空前の規模だ。
だから、キャメロンは2人のドラマを判り易くしたのかもしれない。
空前絶後の事件を舞台設定にして、それを浮き立たせつつ、2人のメロドラマを乗せる。
従って、このドラマの好き嫌いを持って、この作品の評価をするのは如何なものか。
この作品の見どころは、巨大な豪華客船が、あっという間に沈む、スペクタクルな映像美なわけだ。
キャメロンは、名作「T2」や「エイリアン」などにも見られる、最新鋭のスペクタクルそのものを作ってきた男だ。
この男が作った映像に息を飲み、そしてタイタニックで実際に起こったであろう極限状態の人間達が織りなすドラマを見るのが、この作品なのだ。
2006年【米】
監督 マーティン・スコセッシ
キャスト
レオナルド・ディカプリオ
マット・デイモン
ジャック・ニコルソン
マーク・ウォールバーグ
マーティン・シーン
製作
マーティン・スコセッシ
ブラッド・ピット
ジェニファー・アニストン
あらすじ
犯罪集団のボスに我が子のように育てられたコリン。ボスに命じられるまま内通者となるべく警察学校に通い、見事優秀な成績を修め私服警官となる。一方貧困の中に生まれ育ち、自らの過去に決別すべく警官を目指したビリー。彼もまた優秀な成績で警察学校を修了するが、犯罪集団への潜入捜査を命じられる。そして二人の人生が交錯する。香港映画「インファナル・アフェア」をマーティン・スコセッシ監督がリメイク。
寸評
三人のスターが対決する大作。
とはいっても絡みは少ない。
それだけに、中間あたりでニコルソンとディカプリオが絡むシーンは迫力がある。
ニコルソンが追いつめ、それをかわすディカプリオの構図はスリリングだ。
ニコルソンは彼ならではの怪演を如何なく発揮している。
ディカプリオはここ最近、熱演っぽく力む傾向が強いが、この作品でもそうだ。
が、本作ではそれが非常にマッチしており、作品に緊張感を与えている。
二者に比較すると、マットデイモンは存在感がイマイチ希薄だ。
キャリアからすると、遜色ないはずだが、役にあっていないのと、消化しきれていないのかもしれない。
まだまだ経験不足なのか。
スコセッシの演出は普通だ。
マフィアを描かせたら彼と比肩する人も少ないだろう。
が、この作品自体に原作があるので、それも生かしながらという難しい仕事だったのかもしれない。
しかしながら、設定の面白さもあり、非常にスリリングだ。
両組織のスパイを側面から捜索するという展開にはハラハラする場面を演出している。
この作品、最後にバタバタ人が死ぬ。
結構な勢いで死んでいくんだが、なかなかアッサリしていて好感が持てた。
ビックリするなり、マジかよって思ったりもしますが、コイツは死ななきゃっていうのも死んでくれる。
異論はあるかもしれないが、一応すっきりさせてくれた。
伏線っぽいところで未回収だったりするが、まぁあんまり関心の無い部分だったりもするのでどうでもいい。
この作品は大熱演の2人と、スリリングな展開を楽しむ作品だ。
監督 マーティン・スコセッシ
キャスト
レオナルド・ディカプリオ
マット・デイモン
ジャック・ニコルソン
マーク・ウォールバーグ
マーティン・シーン
製作
マーティン・スコセッシ
ブラッド・ピット
ジェニファー・アニストン
あらすじ
犯罪集団のボスに我が子のように育てられたコリン。ボスに命じられるまま内通者となるべく警察学校に通い、見事優秀な成績を修め私服警官となる。一方貧困の中に生まれ育ち、自らの過去に決別すべく警官を目指したビリー。彼もまた優秀な成績で警察学校を修了するが、犯罪集団への潜入捜査を命じられる。そして二人の人生が交錯する。香港映画「インファナル・アフェア」をマーティン・スコセッシ監督がリメイク。
寸評
三人のスターが対決する大作。
とはいっても絡みは少ない。
それだけに、中間あたりでニコルソンとディカプリオが絡むシーンは迫力がある。
ニコルソンが追いつめ、それをかわすディカプリオの構図はスリリングだ。
ニコルソンは彼ならではの怪演を如何なく発揮している。
ディカプリオはここ最近、熱演っぽく力む傾向が強いが、この作品でもそうだ。
が、本作ではそれが非常にマッチしており、作品に緊張感を与えている。
二者に比較すると、マットデイモンは存在感がイマイチ希薄だ。
キャリアからすると、遜色ないはずだが、役にあっていないのと、消化しきれていないのかもしれない。
まだまだ経験不足なのか。
スコセッシの演出は普通だ。
マフィアを描かせたら彼と比肩する人も少ないだろう。
が、この作品自体に原作があるので、それも生かしながらという難しい仕事だったのかもしれない。
しかしながら、設定の面白さもあり、非常にスリリングだ。
両組織のスパイを側面から捜索するという展開にはハラハラする場面を演出している。
この作品、最後にバタバタ人が死ぬ。
結構な勢いで死んでいくんだが、なかなかアッサリしていて好感が持てた。
ビックリするなり、マジかよって思ったりもしますが、コイツは死ななきゃっていうのも死んでくれる。
異論はあるかもしれないが、一応すっきりさせてくれた。
伏線っぽいところで未回収だったりするが、まぁあんまり関心の無い部分だったりもするのでどうでもいい。
この作品は大熱演の2人と、スリリングな展開を楽しむ作品だ。
1996年【英】
監督
ダニー・ボイル
キャスト
ユアン・マクレガー
ユエン・ブレムナー
ジョニー・リー・ミラー
ケヴィン・マクキッド
ロバート・カーライル
あらすじ
ヘロイン中毒のレントンはドラッグ断ちを決意。必死の麻薬治療を受けた彼は、ひと旗揚げようとロンドンで仕事を見つけ真っ当な生活を目指す。
寸評
昨今の麻薬汚染に関して考える部分もあるので、この映画をネタにチョイス。
本作は、麻薬の中でも特に危険性の高いヘロイン中毒者を扱っている。
かといって、別に麻薬撲滅を目指す映画でもなく、イギリスの若者群像を、当時シーンを席巻していたブリットポップに乗せて重くならないように、ある意味軽快に描いた作品だ。
バッドトリップをするときのイメージ映像も強烈だ。
最悪に汚いトイレに頭から突っ込んでいくトリップも酷い。
しかし、これを一種コミカルに描き、客は無軌道な若者達と自分達を切り離して鑑賞している。
若者の映画であり、映像とかファッション、音楽がスタイリッシュな映画である。
当時はこれが、非常に流行り、Tシャツを着る者も多数いた。
ドラッグの映画というよりも、ポップの一環だった。
それは当時の世相には薬物に対しての世間の反応がそれほど殺気立ったものではなかったせいかもしれない。
現在でも恐らく、もっと自主規制なり、報道にも規制がかかっただろう。
ある意味では大らかな時代である。
しかし、この映画などは見ようによっては薬物の危険性を分かりやすく提示してくれている。
トリップ体験の描写などは克明だが、病的である。
赤ん坊は死ぬし、万引きや強盗に走り、HIVの危険性も疑われる。
仲間の一人は実刑も食らう。
これを明るく描くので、それほど致命的危険性を感じないのだ。
が、本来描いているテーマをキチンと読めば、これが楽しい映画ではなく、麻薬の危険なり恐怖の警鐘を鳴らす映画であることは明らかだ。
であるにも関わらず、軽快に描いて、見易くしているのはダニーボイルの腕だ。
役者陣もそれに応えて、パンキッシュに演じている。
ところで、芸能界を含んだ麻薬汚染の現状について。
芸能界から逮捕者も出ているが、これらの人間は全員、バカである。
薬物の危険性も知らないし、副作用なり社会的制裁の厳しさを知らない、或いは想像力の欠如である。
ケースによっては、精神的な弱さの為せる業だったのかもしれないが、他に様々な道もあるのに薬物を頼る者には、同情の余地はない。
薬物にもいろいろある。
大麻、ヘロイン、コカイン、そして覚醒剤。
特にコカインや覚醒剤は依存性が強く、一回キメたら止められないものだ。
大麻(マリファナ)やタバコとは常習性のレベルが違う。
これら覚醒剤やコカインに手を出す者はある意味では悪魔に魅入られた者である。
MDMA(エクスタシー、バツ)という、手を出し易い新種もあるが、基本的には覚醒剤と同様の危険性がある。
常習性も強く、依存性も強い。
簡単には抜けられず、死ぬまで、或いは捕まるまではやってしまうのだ。
これらに手を出すのは自殺行為である。
だから捕まったら、簡単に出てきてはいけないし、芸能界に復帰するような甘い措置は許せない。
現状の刑法が麻薬中毒者に対しての措置が甘いのだから、社会的制裁は甘くてはいけない。
参考までに、芸能界における麻薬での逮捕者を列挙する。
知っておく必要があると思う。
酒井法子
押尾学
小向美奈子
ジョン健ヌッツォ
加勢大周
岡村靖幸
桂 銀淑
赤坂 晃
槇原 敬之
大森隆志(元サザンオールスターズ)
西川隆宏(元ドリームズ・カム・トゥルー)
田代まさし
カルーセル麻紀
いしだ壱成
Sakura(ラルク・アン・シエル)
長渕剛
勝新太郎
尾崎豊
美川憲一
にしきのあきら
研ナオコ
内田裕也
井上陽水
岩城滉一
大物と言われる人間が多いことに驚く。
今後もこの手の逮捕が、続くことは間違いないが、個人的にはお笑い芸人にだけは逮捕者が出て欲しくない。
監督
ダニー・ボイル
キャスト
ユアン・マクレガー
ユエン・ブレムナー
ジョニー・リー・ミラー
ケヴィン・マクキッド
ロバート・カーライル
あらすじ
ヘロイン中毒のレントンはドラッグ断ちを決意。必死の麻薬治療を受けた彼は、ひと旗揚げようとロンドンで仕事を見つけ真っ当な生活を目指す。
寸評
昨今の麻薬汚染に関して考える部分もあるので、この映画をネタにチョイス。
本作は、麻薬の中でも特に危険性の高いヘロイン中毒者を扱っている。
かといって、別に麻薬撲滅を目指す映画でもなく、イギリスの若者群像を、当時シーンを席巻していたブリットポップに乗せて重くならないように、ある意味軽快に描いた作品だ。
バッドトリップをするときのイメージ映像も強烈だ。
最悪に汚いトイレに頭から突っ込んでいくトリップも酷い。
しかし、これを一種コミカルに描き、客は無軌道な若者達と自分達を切り離して鑑賞している。
若者の映画であり、映像とかファッション、音楽がスタイリッシュな映画である。
当時はこれが、非常に流行り、Tシャツを着る者も多数いた。
ドラッグの映画というよりも、ポップの一環だった。
それは当時の世相には薬物に対しての世間の反応がそれほど殺気立ったものではなかったせいかもしれない。
現在でも恐らく、もっと自主規制なり、報道にも規制がかかっただろう。
ある意味では大らかな時代である。
しかし、この映画などは見ようによっては薬物の危険性を分かりやすく提示してくれている。
トリップ体験の描写などは克明だが、病的である。
赤ん坊は死ぬし、万引きや強盗に走り、HIVの危険性も疑われる。
仲間の一人は実刑も食らう。
これを明るく描くので、それほど致命的危険性を感じないのだ。
が、本来描いているテーマをキチンと読めば、これが楽しい映画ではなく、麻薬の危険なり恐怖の警鐘を鳴らす映画であることは明らかだ。
であるにも関わらず、軽快に描いて、見易くしているのはダニーボイルの腕だ。
役者陣もそれに応えて、パンキッシュに演じている。
ところで、芸能界を含んだ麻薬汚染の現状について。
芸能界から逮捕者も出ているが、これらの人間は全員、バカである。
薬物の危険性も知らないし、副作用なり社会的制裁の厳しさを知らない、或いは想像力の欠如である。
ケースによっては、精神的な弱さの為せる業だったのかもしれないが、他に様々な道もあるのに薬物を頼る者には、同情の余地はない。
薬物にもいろいろある。
大麻、ヘロイン、コカイン、そして覚醒剤。
特にコカインや覚醒剤は依存性が強く、一回キメたら止められないものだ。
大麻(マリファナ)やタバコとは常習性のレベルが違う。
これら覚醒剤やコカインに手を出す者はある意味では悪魔に魅入られた者である。
MDMA(エクスタシー、バツ)という、手を出し易い新種もあるが、基本的には覚醒剤と同様の危険性がある。
常習性も強く、依存性も強い。
簡単には抜けられず、死ぬまで、或いは捕まるまではやってしまうのだ。
これらに手を出すのは自殺行為である。
だから捕まったら、簡単に出てきてはいけないし、芸能界に復帰するような甘い措置は許せない。
現状の刑法が麻薬中毒者に対しての措置が甘いのだから、社会的制裁は甘くてはいけない。
参考までに、芸能界における麻薬での逮捕者を列挙する。
知っておく必要があると思う。
酒井法子
押尾学
小向美奈子
ジョン健ヌッツォ
加勢大周
岡村靖幸
桂 銀淑
赤坂 晃
槇原 敬之
大森隆志(元サザンオールスターズ)
西川隆宏(元ドリームズ・カム・トゥルー)
田代まさし
カルーセル麻紀
いしだ壱成
Sakura(ラルク・アン・シエル)
長渕剛
勝新太郎
尾崎豊
美川憲一
にしきのあきら
研ナオコ
内田裕也
井上陽水
岩城滉一
大物と言われる人間が多いことに驚く。
今後もこの手の逮捕が、続くことは間違いないが、個人的にはお笑い芸人にだけは逮捕者が出て欲しくない。
2008年【米・仏・スペイン】
監督 スティーヴン・ソダーバーグ
キャスト
ベニチオ・デル・トロ
ヨアキム・デ・アルメイダ
あらすじ
前作の後、革命家チェ・ゲバラがキューバ革命を経て、再び革命に走り、ボリビアでの革命を先導しながらも敗北し、処刑されるまでを描いている。
寸評
前作が、革命の成功までの過程を淡々と描いているが、本作は革命の失敗までを丹念に淡々と描いている。
実に重苦しく、じわじわとだが、死が迫る様子が克明に描かれている。
面白い作品か、と問われると全面的には肯定できない。
前作は、革命の英雄となりながらも彼を英雄として描くのではなく、一人の革命家、人間として描いた点で好感が持てた。
それはある意味では期待を裏切るようなアプローチではあったが、意外性も一貫したテーマでもあり、納得もした。
しかし、本作においては映画的なカタルシスなり、複雑な感情を想起させるような類の感動を覚えなかった。
これは構造的な欠点なのかもしれない。
ゲバラの生涯を克明に描く。
というテーマのもとに制作された2部作である。
1作目には革命成立という輝かしい功績がベースになっている。これは立派な感動的事業だ。
しかし、2作目には革命の失敗、そして惨めな処刑という圧倒的な事実が横たわっている。
ということになると、リアルに描くにはあまりにも現実的すぎるのだ。
これを悲劇的に描くのもまた至難の業だ。
と、いう構造的な欠陥も手伝ってか、本作はなかなかに退屈な作品になってしまった。
が、ゲバラ本人の人生の評価と、この作品の評価とは全く別だ。
ゲバラの人生は痛快だ。
この作品を観る人はある程度ゲバラに興味を持って鑑賞するわけだから、ある程度は楽しめるのではないだろうか。
監督 スティーヴン・ソダーバーグ
キャスト
ベニチオ・デル・トロ
ヨアキム・デ・アルメイダ
あらすじ
前作の後、革命家チェ・ゲバラがキューバ革命を経て、再び革命に走り、ボリビアでの革命を先導しながらも敗北し、処刑されるまでを描いている。
寸評
前作が、革命の成功までの過程を淡々と描いているが、本作は革命の失敗までを丹念に淡々と描いている。
実に重苦しく、じわじわとだが、死が迫る様子が克明に描かれている。
面白い作品か、と問われると全面的には肯定できない。
前作は、革命の英雄となりながらも彼を英雄として描くのではなく、一人の革命家、人間として描いた点で好感が持てた。
それはある意味では期待を裏切るようなアプローチではあったが、意外性も一貫したテーマでもあり、納得もした。
しかし、本作においては映画的なカタルシスなり、複雑な感情を想起させるような類の感動を覚えなかった。
これは構造的な欠点なのかもしれない。
ゲバラの生涯を克明に描く。
というテーマのもとに制作された2部作である。
1作目には革命成立という輝かしい功績がベースになっている。これは立派な感動的事業だ。
しかし、2作目には革命の失敗、そして惨めな処刑という圧倒的な事実が横たわっている。
ということになると、リアルに描くにはあまりにも現実的すぎるのだ。
これを悲劇的に描くのもまた至難の業だ。
と、いう構造的な欠陥も手伝ってか、本作はなかなかに退屈な作品になってしまった。
が、ゲバラ本人の人生の評価と、この作品の評価とは全く別だ。
ゲバラの人生は痛快だ。
この作品を観る人はある程度ゲバラに興味を持って鑑賞するわけだから、ある程度は楽しめるのではないだろうか。
2004年【米・英】
監督
ウォルフガング・ペーターゼン
キャスト
ブラッド・ピット
エリック・バナ
オーランド・ブルーム
あらすじ
3000年前。トロイの王子パリス(オーランド・ブルーム)は敵国スパルタの王妃ヘレン(ダイアン・クルーガー)と恋に落ち、彼女を略奪してしまう。王妃奪還のため城塞都市トロイに差し向けられたギリシャ連合軍。その中には最強の戦士と崇められるアキレス(ブラッド・ピット)の姿があった。/伝説的なトロイ戦争を描いた古代ギリシャの詩人ホメロス作『イリアス』を映画化。名誉、栄光、国家、愛。男たちの壮大な戦いを描く大英雄叙事詩。
寸評
ブラッド・ピットが男臭いカッコよさを体現している作品。
最初の登場シーンからしてカッコいい。
戦いが始まってんのに
「アキレスはどこだー」
と鬼軍曹みたいな奴が叫んで、テントに足軽が走っていくと金髪美女沢山と裸で寝てる。
「戦です、起きてください」
「なんだよめんどくせぇなー」
みたいなテンションで敵に向かっていくのにサックリ勝っちゃう。
本人曰く
「ロックスターみたいだろ?」
というが、まさしくその通りで、彼は分かってやっているのだ。
ここが凡百の二枚目と違うところなのだ。
あまりにもコテコテのシーンを変に気負うこともなくやってのけるのだ。
他にはエリック・バナもカッコいい。
彼は知性も指導力もあるリーダーというポジションだ。
が、オーランド・ブルームのヘタレっぷりも堂に入っている。
彼ほどの美形がヘタレ役をやると、本当に他の役者は敵わないのだ。
感情移入出来る役ではないが、実に人間味のあるヘタレを演じていて好感が持てた。
ストーリーだが、スケール感はある。
戦いが主なので、そこが楽しめるか。
個人的には、殺陣シーンが特殊で楽しい。
所謂西洋的な殺陣はあまり好きではなかったのだが、この作品では別。
時代考証が正しいのかは分からないが、斬るというよりは叩き斬る若しくは刺し殺すという感じで、非常に野蛮だ。
しかしそんなもんだ。
別に深みもなにも無い。
それほど深く考える必要もなく、ただ漫然と見ても楽しいであろう作品。
監督
ウォルフガング・ペーターゼン
キャスト
ブラッド・ピット
エリック・バナ
オーランド・ブルーム
あらすじ
3000年前。トロイの王子パリス(オーランド・ブルーム)は敵国スパルタの王妃ヘレン(ダイアン・クルーガー)と恋に落ち、彼女を略奪してしまう。王妃奪還のため城塞都市トロイに差し向けられたギリシャ連合軍。その中には最強の戦士と崇められるアキレス(ブラッド・ピット)の姿があった。/伝説的なトロイ戦争を描いた古代ギリシャの詩人ホメロス作『イリアス』を映画化。名誉、栄光、国家、愛。男たちの壮大な戦いを描く大英雄叙事詩。
寸評
ブラッド・ピットが男臭いカッコよさを体現している作品。
最初の登場シーンからしてカッコいい。
戦いが始まってんのに
「アキレスはどこだー」
と鬼軍曹みたいな奴が叫んで、テントに足軽が走っていくと金髪美女沢山と裸で寝てる。
「戦です、起きてください」
「なんだよめんどくせぇなー」
みたいなテンションで敵に向かっていくのにサックリ勝っちゃう。
本人曰く
「ロックスターみたいだろ?」
というが、まさしくその通りで、彼は分かってやっているのだ。
ここが凡百の二枚目と違うところなのだ。
あまりにもコテコテのシーンを変に気負うこともなくやってのけるのだ。
他にはエリック・バナもカッコいい。
彼は知性も指導力もあるリーダーというポジションだ。
が、オーランド・ブルームのヘタレっぷりも堂に入っている。
彼ほどの美形がヘタレ役をやると、本当に他の役者は敵わないのだ。
感情移入出来る役ではないが、実に人間味のあるヘタレを演じていて好感が持てた。
ストーリーだが、スケール感はある。
戦いが主なので、そこが楽しめるか。
個人的には、殺陣シーンが特殊で楽しい。
所謂西洋的な殺陣はあまり好きではなかったのだが、この作品では別。
時代考証が正しいのかは分からないが、斬るというよりは叩き斬る若しくは刺し殺すという感じで、非常に野蛮だ。
しかしそんなもんだ。
別に深みもなにも無い。
それほど深く考える必要もなく、ただ漫然と見ても楽しいであろう作品。
1986年日本
監督
宮崎駿
声
田中真弓
横沢啓子
初井言栄
寺田農
原作 宮崎駿 「天空の城ラピュタ」
脚本 宮崎駿
音楽 久石譲
寸評
日本映画史上の作品である。
ジブリというブランドの中でも傑出した作品である。
どこが好いのかを分析することに挑戦してみたい。
・ストーリーについて。
まず、判りやすさ。特筆すべき点である。
ハラハラドキドキの冒険活劇であり、徹底してスリリングである。
キャラクターの項でも述べるが本作のキャラクターは特殊能力を持たない、等身大の人間だ。(たまに尋常じゃない運動能力を見せるが本筋には関係しない)にも関わらず、勇気や行動力に溢れた魅力的な人物達が、躍動する。
世界観は独特で、人の名前その他からはどこの国なのか全くわからない。
生活様式などからはヨーロッパ的と取れる場面もあるが、定かではない。時代設定も曖昧だ。汽車などもあるので、産業革命以降ということは明白だが、飛行船などで、かなり飛ぶのだな。
これらを総合すると、曖昧にしたかった理由は様々で一つには絞れない。
空を飛ぶ話だが、地上は西洋にしたい。
そう考えると近代的な列車にはしようがない。
など矛盾を解決し、自由度を高めるために、この独特の世界観が生まれたと考える。
総合的にはハッピーだが、一部明るくはなりきれない暗さも持ち合わせている。
パズーを始め、殆どのキャラクターは社会的には弱者の立場だ。
身寄りのないパズーと盗賊一家の話なのだ。
この辺が作品を突き抜けた明るさのない、ダークな色調を持たせ、設定に説得力を持たせた所以かと考える。
そして、セリフである。
名台詞のオンパレードだ。
ムスカ、ドーラは声優が優秀なこともあってか、心に残る名台詞を多数吐いている。
列挙するのは控えるが、観る者によってラピュタの名台詞は違うだろう。
・キャラクターについて。
本作は、キャラクターはシンプルである。
主人公の2人は勇気と行動力とぶれない軸を持った健康優良少年と、過去を持った可憐で清楚で儚げだが強い信念と凛とした美少女。
こんな設定はアニメでしか成立しないのだ。
なぜなら、ストーリー上、この2人はこの世代でなくてはならない必然性があるのだが(大人なら恋愛が発生する)、この世代だと芝居は下手である。
だから無理。
脇役ではムスカとドーラが大きな役割を演じる。
ムスカは徹頭徹尾サディスティックだ。
しかも実際に大量殺戮を行い、悦に浸る独裁者的な側面を見せる。
しかしながら、振る舞いはエレガントでインテリジェンスに溢れている。
ドーラは反対に乱暴で下品だが、母の様な愛情に満ちており、懐の深い面を持つ。
海賊ゆえに粗野だが、人殺しを行うこともなく、ひたすら財宝にのみ執念を燃やす。
この2人が互いに二律背反の関係性になっており面白い。
・ビジュアル
美しい。
この当時はCGもなく、現在のテクノロジーとは比較にならないくらいのローテクだと思う。
が、美しさの点で、現在の作品と比較しても引けを取るどころか軽く凌駕しているだろう。
特に、パズーの家にドーラ一家が勝手に入り暴飲暴食する場面の飯が美味そうだ。
(ジブリ作品はどれも美味そうだがこの作品では食事のシーン2つとも良い雰囲気だ)
・音楽
久石節全開である。
完璧な仕事。
以上、本作が如何に優れているかを論じてみた。
作品を褒めるよりも貶す方が簡単な作業である。
本稿も苦労をした割にはあまり面白いとは思えない。
しかし、それだけ、この作品には隙がない。
不朽の名作である。
監督
宮崎駿
声
田中真弓
横沢啓子
初井言栄
寺田農
原作 宮崎駿 「天空の城ラピュタ」
脚本 宮崎駿
音楽 久石譲
寸評
日本映画史上の作品である。
ジブリというブランドの中でも傑出した作品である。
どこが好いのかを分析することに挑戦してみたい。
・ストーリーについて。
まず、判りやすさ。特筆すべき点である。
ハラハラドキドキの冒険活劇であり、徹底してスリリングである。
キャラクターの項でも述べるが本作のキャラクターは特殊能力を持たない、等身大の人間だ。(たまに尋常じゃない運動能力を見せるが本筋には関係しない)にも関わらず、勇気や行動力に溢れた魅力的な人物達が、躍動する。
世界観は独特で、人の名前その他からはどこの国なのか全くわからない。
生活様式などからはヨーロッパ的と取れる場面もあるが、定かではない。時代設定も曖昧だ。汽車などもあるので、産業革命以降ということは明白だが、飛行船などで、かなり飛ぶのだな。
これらを総合すると、曖昧にしたかった理由は様々で一つには絞れない。
空を飛ぶ話だが、地上は西洋にしたい。
そう考えると近代的な列車にはしようがない。
など矛盾を解決し、自由度を高めるために、この独特の世界観が生まれたと考える。
総合的にはハッピーだが、一部明るくはなりきれない暗さも持ち合わせている。
パズーを始め、殆どのキャラクターは社会的には弱者の立場だ。
身寄りのないパズーと盗賊一家の話なのだ。
この辺が作品を突き抜けた明るさのない、ダークな色調を持たせ、設定に説得力を持たせた所以かと考える。
そして、セリフである。
名台詞のオンパレードだ。
ムスカ、ドーラは声優が優秀なこともあってか、心に残る名台詞を多数吐いている。
列挙するのは控えるが、観る者によってラピュタの名台詞は違うだろう。
・キャラクターについて。
本作は、キャラクターはシンプルである。
主人公の2人は勇気と行動力とぶれない軸を持った健康優良少年と、過去を持った可憐で清楚で儚げだが強い信念と凛とした美少女。
こんな設定はアニメでしか成立しないのだ。
なぜなら、ストーリー上、この2人はこの世代でなくてはならない必然性があるのだが(大人なら恋愛が発生する)、この世代だと芝居は下手である。
だから無理。
脇役ではムスカとドーラが大きな役割を演じる。
ムスカは徹頭徹尾サディスティックだ。
しかも実際に大量殺戮を行い、悦に浸る独裁者的な側面を見せる。
しかしながら、振る舞いはエレガントでインテリジェンスに溢れている。
ドーラは反対に乱暴で下品だが、母の様な愛情に満ちており、懐の深い面を持つ。
海賊ゆえに粗野だが、人殺しを行うこともなく、ひたすら財宝にのみ執念を燃やす。
この2人が互いに二律背反の関係性になっており面白い。
・ビジュアル
美しい。
この当時はCGもなく、現在のテクノロジーとは比較にならないくらいのローテクだと思う。
が、美しさの点で、現在の作品と比較しても引けを取るどころか軽く凌駕しているだろう。
特に、パズーの家にドーラ一家が勝手に入り暴飲暴食する場面の飯が美味そうだ。
(ジブリ作品はどれも美味そうだがこの作品では食事のシーン2つとも良い雰囲気だ)
・音楽
久石節全開である。
完璧な仕事。
以上、本作が如何に優れているかを論じてみた。
作品を褒めるよりも貶す方が簡単な作業である。
本稿も苦労をした割にはあまり面白いとは思えない。
しかし、それだけ、この作品には隙がない。
不朽の名作である。
監督
スティーブン・ソダーバーグ
出演
ベニチオ・デル・トロ
フランカ・ポテンテ
カタリーナ・サンディノ・モレノ
あらすじ
アメリカ・フランス・スペイン合作の2008年の映画。
元々長編だった『チェ』を、二部作に分けた内の前編で、革命家チェ・ゲバラが、フィデル・カストロと共にキューバ革命を成功に導くまでを描いている。
寸評
チェ・ゲバラは革命家のシンボルである。
そして革命戦士以外にも、医師、政治家、文筆家と多才の人であり、一種のファッションイコンである。
この映画を評する前に彼の事を少し知る必要がある。
ゲバラはキューバ革命を成立に導いた功労者の一人であり、現在もキューバにて絶大な影響力を持つフィデル・カストロの同志である。
確固たるゲリラ戦理論の持ち主であり、その後半生の殆どを戦地で過ごした。
一国の閣僚クラスに上り詰めながら、政治家としても英雄にまでなっておりながら、ポジションを捨て、再度ゲリラ戦に復帰するのである。
こんな政治家は現代には彼を除いてはいない。
具体的には1965年のアジア・アフリカ経済会議に出席した翌年に、コンゴ動乱に革命指揮のために参加し、翌年にはボリビアに変装して潜入しているのである。
驚嘆に値する行動力と信念の持ち主である。
しかし、現代日本に伝わるゲバラの人物像は、ファッションの象徴である。
ジョンレノンが彼を「世界一カッコいい男」と評したり、Rage against the machineや浦和レッズがオフィシャルマークにしたり、Tシャツのロゴだったりする。
意味もよく判らずに。
さて、この映画である。
まず、ゲバラという映画には格好の素材を使いながら、淡々とした映画である。
本作は2部作の前篇でキューバ革命が成立するまでを描いた作品である。
したがって、史実としてはゲバラが現役バリバリの革命戦士である。
そして、小規模なゲリラ戦術を展開していく。
が、その戦術が細かく描写されるのではない。
ここがまず期待外れだった。
エンタメ感が薄れるのだ。
勿論戦闘シーンの描写はあるのだが、地味である。
むしろ彼の人間性や他者との関わりを中心に描いていく。
セリフにカッコいいところは多い。
が、これは映画が格好良いわけではなく、ゲバラが格好良いのである。
ベニチオ・デル・トロの演技は素晴らしい。
ルックスはかなり好い線行ってる。
トップの画像の上が映画、下が本物。
25キロの減量を行ったとのこと。
そして演技だが、大仰気味の身振りが若干目立つが、挙措は誇りある指導者としてのゲバラのそれを想起させる。
セリフはよくわからない。
スペイン語なので。
若干地味な感はあるが、キューバ革命の顛末、ゲバラという指導者を知るきっかけにはなるんではないだろうか。
ゲバラの考え方やエピソードはよく描かれている。
逆に予備知識ゼロだと、かなり難しい。
私はゲバラ日記を熟読するほどのゲバラ好きなので、非常に興味深く観た。
そして、革命を追体験するような感覚も味わえた。
続編も期待している。
余談だがゲバラは後年広島の原爆ドーム、資料館を訪れている。
(日本政府の許可が出なかったため、業を煮やしたゲバラは大阪のホテルに滞在中、「ホテルを抜け出して広島に行くぞ」と決断)
その際、
「なぜ日本人はアメリカに対して原爆投下の責任を問わないのか」
とゲバラは言ったという。
運動家の彼ならではの逸話だが、我々日本人の心に突き刺さる価値観である。
今日は、広島に原爆が投下されて64年。
現在の日本を彼が見たら、軽蔑してしまうのだろうか。
そんなことを考えた。
スティーブン・ソダーバーグ
出演
ベニチオ・デル・トロ
フランカ・ポテンテ
カタリーナ・サンディノ・モレノ
あらすじ
アメリカ・フランス・スペイン合作の2008年の映画。
元々長編だった『チェ』を、二部作に分けた内の前編で、革命家チェ・ゲバラが、フィデル・カストロと共にキューバ革命を成功に導くまでを描いている。
寸評
チェ・ゲバラは革命家のシンボルである。
そして革命戦士以外にも、医師、政治家、文筆家と多才の人であり、一種のファッションイコンである。
この映画を評する前に彼の事を少し知る必要がある。
ゲバラはキューバ革命を成立に導いた功労者の一人であり、現在もキューバにて絶大な影響力を持つフィデル・カストロの同志である。
確固たるゲリラ戦理論の持ち主であり、その後半生の殆どを戦地で過ごした。
一国の閣僚クラスに上り詰めながら、政治家としても英雄にまでなっておりながら、ポジションを捨て、再度ゲリラ戦に復帰するのである。
こんな政治家は現代には彼を除いてはいない。
具体的には1965年のアジア・アフリカ経済会議に出席した翌年に、コンゴ動乱に革命指揮のために参加し、翌年にはボリビアに変装して潜入しているのである。
驚嘆に値する行動力と信念の持ち主である。
しかし、現代日本に伝わるゲバラの人物像は、ファッションの象徴である。
ジョンレノンが彼を「世界一カッコいい男」と評したり、Rage against the machineや浦和レッズがオフィシャルマークにしたり、Tシャツのロゴだったりする。
意味もよく判らずに。
さて、この映画である。
まず、ゲバラという映画には格好の素材を使いながら、淡々とした映画である。
本作は2部作の前篇でキューバ革命が成立するまでを描いた作品である。
したがって、史実としてはゲバラが現役バリバリの革命戦士である。
そして、小規模なゲリラ戦術を展開していく。
が、その戦術が細かく描写されるのではない。
ここがまず期待外れだった。
エンタメ感が薄れるのだ。
勿論戦闘シーンの描写はあるのだが、地味である。
むしろ彼の人間性や他者との関わりを中心に描いていく。
セリフにカッコいいところは多い。
が、これは映画が格好良いわけではなく、ゲバラが格好良いのである。
ベニチオ・デル・トロの演技は素晴らしい。
ルックスはかなり好い線行ってる。
トップの画像の上が映画、下が本物。
25キロの減量を行ったとのこと。
そして演技だが、大仰気味の身振りが若干目立つが、挙措は誇りある指導者としてのゲバラのそれを想起させる。
セリフはよくわからない。
スペイン語なので。
若干地味な感はあるが、キューバ革命の顛末、ゲバラという指導者を知るきっかけにはなるんではないだろうか。
ゲバラの考え方やエピソードはよく描かれている。
逆に予備知識ゼロだと、かなり難しい。
私はゲバラ日記を熟読するほどのゲバラ好きなので、非常に興味深く観た。
そして、革命を追体験するような感覚も味わえた。
続編も期待している。
余談だがゲバラは後年広島の原爆ドーム、資料館を訪れている。
(日本政府の許可が出なかったため、業を煮やしたゲバラは大阪のホテルに滞在中、「ホテルを抜け出して広島に行くぞ」と決断)
その際、
「なぜ日本人はアメリカに対して原爆投下の責任を問わないのか」
とゲバラは言ったという。
運動家の彼ならではの逸話だが、我々日本人の心に突き刺さる価値観である。
今日は、広島に原爆が投下されて64年。
現在の日本を彼が見たら、軽蔑してしまうのだろうか。
そんなことを考えた。
監督
マイケル・ベイ
製作総指揮
スティーブン・スピルバーグ
マイケル・ベイ
出演者
シャイア・ラブーフ
ミーガン・フォックス
寸評
ストーリーはB級映画である。
しかも典型的な設定をいくつも兼ね備えた、筋金入りの設定である。
これに無駄なエロでも加えれば最強クラスだ。
以下に列挙する。
・主人公はどこにでもいるごく普通の少年
・暗い過去を持つセクシーなヒロイン
・頭のカタい役人
・勇気のある長官
・最終的には勝つ予定調和的なプロット
これは、意識的にこういう設定にしたとしか思えない。
アクションを始めとした映像を見てもらうために作った映画なので、話の筋を無駄に追われると、困るのである。(それにしては面倒な設定があって退屈ではある。)
従って、糞エピソードは枚挙に暇なし。
ということになると糞映画ということになるのだが、そんなこともない。
映像部分には見どころも多い。
トランスフォームするシーンはカッコイイし、バンバン爆発するところは爽快感も感じる。
これはドラゴンボールなりウルトラマン等の、アクションを観る感覚である。
これらに対して、「下らない」「しょーもない」と感じるならば、観る時間の無駄。
逆に、これらが楽しんで観られるならば、楽しいだろう。
設定がB級糞ストーリーなのを除けば、サービス精神は豊富だ。
マイケル・ベイ
製作総指揮
スティーブン・スピルバーグ
マイケル・ベイ
出演者
シャイア・ラブーフ
ミーガン・フォックス
寸評
ストーリーはB級映画である。
しかも典型的な設定をいくつも兼ね備えた、筋金入りの設定である。
これに無駄なエロでも加えれば最強クラスだ。
以下に列挙する。
・主人公はどこにでもいるごく普通の少年
・暗い過去を持つセクシーなヒロイン
・頭のカタい役人
・勇気のある長官
・最終的には勝つ予定調和的なプロット
これは、意識的にこういう設定にしたとしか思えない。
アクションを始めとした映像を見てもらうために作った映画なので、話の筋を無駄に追われると、困るのである。(それにしては面倒な設定があって退屈ではある。)
従って、糞エピソードは枚挙に暇なし。
ということになると糞映画ということになるのだが、そんなこともない。
映像部分には見どころも多い。
トランスフォームするシーンはカッコイイし、バンバン爆発するところは爽快感も感じる。
これはドラゴンボールなりウルトラマン等の、アクションを観る感覚である。
これらに対して、「下らない」「しょーもない」と感じるならば、観る時間の無駄。
逆に、これらが楽しんで観られるならば、楽しいだろう。
設定がB級糞ストーリーなのを除けば、サービス精神は豊富だ。
監督 生野慈朗
原作 東野圭吾
脚本 安倍照雄
キャスト
山田孝之
玉山鉄二
沢尻エリカ
吹石一恵
あらすじ
武島剛志は高校3年生の弟である直貴が安心して大学へ行けるような金が欲しくて資産家の老婆の家へ家宅侵入・窃盗を行なうが、老婆に見つかり衝動的に殺人を犯してしまう。そのために、直貴は「強盗殺人犯の弟」という目で見られ続け、就職も何もかもできない。
寸評
佳作である。
まず、キャスト陣は健闘している。山田孝之は流石に陰気で無口な役は巧い。玉山鉄二はまあまあ良い。
女優では沢尻が巧かった。彼女は現在、パブリックイメージは最悪かもしれないが、実力は折り紙つきであり、安心して見られる高い技術の持ち主である。関西弁は全くなっていないが、そこを気にするのは関西弁が喋れる地域の人のみだろう。
吹石一恵はどうだろう。キレイな女性のイメージの役で作っているようだが、セリフや表情など全部雑である。
しかし、メインキャストで気になったのは彼女くらい。
他は脇役も含めて、良い。
さて、台本だが、社会派の内容であり重いテーマである。
しかし、本来暗いテーマをストレートに重く描いている。
役者の得手不得手もあるだろう。
この描き方でこの作品に関してはそれほど間違っていない。
下手に軽くしようとしたら失敗しただろう。
大事なテーマとしては、犯罪加害者の家族に降りかかる悲劇なわけで、そこは痛々しくも伝わってくる。
ところで、主役が取り組む趣味は、原作ではバンドマンだが本作では芸人である。
これはそれほど気にはならない。
山田孝之が漫才をするのはあまり巧くはないが、まぁいいだろう。
むしろラストで実にいい演出になっていた。
沢尻の七変化は良い。
常に自信に溢れた、信念のある役である。
しかし。
ここで大事な点としては監督がテレビ出身ということである。
非常にテレビっぽい。
スケール感が出ないのだ。
画面全体に奥行がないといったほうが正確か。
場面次第で、もっと巧く演出すればスケールのある画が作れる筈が、それが無い。
動きのあるシーンは無いわけではない。
これは製作費なり、演出の芸の無さなのだろう。
そこが残念である。
だから結果、ドラマでいいんじゃないかとなってしまう。
原作 東野圭吾
脚本 安倍照雄
キャスト
山田孝之
玉山鉄二
沢尻エリカ
吹石一恵
あらすじ
武島剛志は高校3年生の弟である直貴が安心して大学へ行けるような金が欲しくて資産家の老婆の家へ家宅侵入・窃盗を行なうが、老婆に見つかり衝動的に殺人を犯してしまう。そのために、直貴は「強盗殺人犯の弟」という目で見られ続け、就職も何もかもできない。
寸評
佳作である。
まず、キャスト陣は健闘している。山田孝之は流石に陰気で無口な役は巧い。玉山鉄二はまあまあ良い。
女優では沢尻が巧かった。彼女は現在、パブリックイメージは最悪かもしれないが、実力は折り紙つきであり、安心して見られる高い技術の持ち主である。関西弁は全くなっていないが、そこを気にするのは関西弁が喋れる地域の人のみだろう。
吹石一恵はどうだろう。キレイな女性のイメージの役で作っているようだが、セリフや表情など全部雑である。
しかし、メインキャストで気になったのは彼女くらい。
他は脇役も含めて、良い。
さて、台本だが、社会派の内容であり重いテーマである。
しかし、本来暗いテーマをストレートに重く描いている。
役者の得手不得手もあるだろう。
この描き方でこの作品に関してはそれほど間違っていない。
下手に軽くしようとしたら失敗しただろう。
大事なテーマとしては、犯罪加害者の家族に降りかかる悲劇なわけで、そこは痛々しくも伝わってくる。
ところで、主役が取り組む趣味は、原作ではバンドマンだが本作では芸人である。
これはそれほど気にはならない。
山田孝之が漫才をするのはあまり巧くはないが、まぁいいだろう。
むしろラストで実にいい演出になっていた。
沢尻の七変化は良い。
常に自信に溢れた、信念のある役である。
しかし。
ここで大事な点としては監督がテレビ出身ということである。
非常にテレビっぽい。
スケール感が出ないのだ。
画面全体に奥行がないといったほうが正確か。
場面次第で、もっと巧く演出すればスケールのある画が作れる筈が、それが無い。
動きのあるシーンは無いわけではない。
これは製作費なり、演出の芸の無さなのだろう。
そこが残念である。
だから結果、ドラマでいいんじゃないかとなってしまう。
監督 クリストファー・ノーラン
キャスト
クリスチャン・ベール
ヒース・レジャー
アーロン・エッカート
マイケル・ケイン
マギー・ギレンホール
ゲイリー・オールドマン
モーガン・フリーマン
あらすじ
犯罪が犇くゴッサムシティ。そこに突如として表れた犯罪者。彼は派手なパフォーマンスを好み、人の命など紙くずほどにしか思っていない。その上犯罪をゲームのように楽しむ。 彼が現場に残すのは、山ほどの死体と、爆破された瓦礫 そして、トランプのジョーカー・・・・
寸評
ヒースレジャーのジョーカーが素晴らしい。
狂人演技が評価されるのは正直食傷気味ではあるが見ごたえのある丁寧な演技である。
実に暗い。
台本が暗い。
映像も暗い。
黒が印象的に使われており、実に美しく彩られている。
そこに登場するサイコなジョーカーは、鮮やかな色合いを現出している。
ヒースの演じるジョーカーはサイコだが、コミカルで、不気味である。
この雰囲気を共存させたヒースの演技は素晴らしい。
言うまでもなくバットマンはコミックである。
しかし、この作品はコミックの映画化では毛頭ない。
バットマン自身は一種の存在でしかなく、自然に世界に同化しているだけである。
バットモービルだったり、ロビンだったりの世界観を彩るフラッシーなキャラはかなり抑えてある。
キャラに頼るのではなく、演技やテーマに集中させている。
バットマンの世界観に、ノーランの演出、俳優陣の演技が答えた作品になった。
キャスト
クリスチャン・ベール
ヒース・レジャー
アーロン・エッカート
マイケル・ケイン
マギー・ギレンホール
ゲイリー・オールドマン
モーガン・フリーマン
あらすじ
犯罪が犇くゴッサムシティ。そこに突如として表れた犯罪者。彼は派手なパフォーマンスを好み、人の命など紙くずほどにしか思っていない。その上犯罪をゲームのように楽しむ。 彼が現場に残すのは、山ほどの死体と、爆破された瓦礫 そして、トランプのジョーカー・・・・
寸評
ヒースレジャーのジョーカーが素晴らしい。
狂人演技が評価されるのは正直食傷気味ではあるが見ごたえのある丁寧な演技である。
実に暗い。
台本が暗い。
映像も暗い。
黒が印象的に使われており、実に美しく彩られている。
そこに登場するサイコなジョーカーは、鮮やかな色合いを現出している。
ヒースの演じるジョーカーはサイコだが、コミカルで、不気味である。
この雰囲気を共存させたヒースの演技は素晴らしい。
言うまでもなくバットマンはコミックである。
しかし、この作品はコミックの映画化では毛頭ない。
バットマン自身は一種の存在でしかなく、自然に世界に同化しているだけである。
バットモービルだったり、ロビンだったりの世界観を彩るフラッシーなキャラはかなり抑えてある。
キャラに頼るのではなく、演技やテーマに集中させている。
バットマンの世界観に、ノーランの演出、俳優陣の演技が答えた作品になった。
★2007年
★キャスト
妻夫木聡
柴咲コウ
瑛太
原田美枝子
中井貴一
★スタッフ
監督 塩田明彦
演出 チン・シウトン
下村勇二
原作 手塚治虫 「どろろ」
脚本 NAKA雅MURA
塩田明彦
★あらすじ
戦乱の世で天下統一の野望を抱く武将醍醐景光は四十八体の魔物から強大な力を与えられるが、その見返りに生まれくる我が子を捧げた。やがて体の四十八ヶ所を奪われて生まれた赤子は捨てられ、呪医師の秘術によって救われる。身を守るため左腕に仕込まれた妖刀と同じ百鬼丸と名付けられた子どもは成長し、魔物を一匹倒すごとに体の部位が1つずつ戻る定めなのだと知る。魔物退治の旅に出た百鬼丸は野盗どろろと出会う。
★寸評
悪くない。
オープニングにて中井貴一が本作の禍々しくおどろおどろしい設定を提示してくれる。
あ、手塚作品のこういうやつか、と一人納得する。
いくつかのシーンの美術はかなり健闘している。
不気味な生き物が吊るされていたり、腕や足が吊ってあったり。
設定の助けにはかなりなっている。
百鬼丸誕生から成長を語るまでは良い。
実に禍々しく、気色悪い。
土屋アンナ、ど素人丸出しの演技で失笑。
この女、女優やったことあんのか?
出直して来いと思う。
そして急に日本っぽくないとこに変わってくる。
ロケに変わった。
雲行きが妖しくなってくる。
スタジオはよかったのに、ロケはキツイってのはなかなか。
なんか湿り気の無い清々しい場所でロケしてやがる。
なぜ、雰囲気を変えるのか。
監督が変わったのか?
曰くアクションシーンのみ、「アクション監督」という役職がついているというあれか。
急に仮面ライダー並みの「百鬼丸VS怪人○○」のダイジェストシーンが始まる。
詰まらない。
これは人選とかスタッフ配置のミスなのか。
プロットの段階ではアクションシーン多めだから、外人を招聘しましょ、みたいな話になって、みたいなドタバタでもあったのだろうか。
じっくりワイヤーアクションを堪能させてもらう。
しかも同じロケ地で。
妖怪たち、密集していたんだな。
そして、このままラストまで行っちゃう。
しかも続編スゲー作りたそうな終わり方で。
以下、役者について。
妻夫木はまぁまぁ。
かなりカッコいい役なので、この人である必要性はどうだろうか、もっとカッコいい役者はいるだろうに、とも思う。
柴崎ね、いいんじゃねーかな。
何も感じない、という気もする。
他、前述の土屋アンナの演技はクソ。
中井貴一は流石に巧い。
原作を読んでみたいとは思った。
それは世界観が興味深かったので。
途中からのロケに変わった以降が残念だ。
★キャスト
妻夫木聡
柴咲コウ
瑛太
原田美枝子
中井貴一
★スタッフ
監督 塩田明彦
演出 チン・シウトン
下村勇二
原作 手塚治虫 「どろろ」
脚本 NAKA雅MURA
塩田明彦
★あらすじ
戦乱の世で天下統一の野望を抱く武将醍醐景光は四十八体の魔物から強大な力を与えられるが、その見返りに生まれくる我が子を捧げた。やがて体の四十八ヶ所を奪われて生まれた赤子は捨てられ、呪医師の秘術によって救われる。身を守るため左腕に仕込まれた妖刀と同じ百鬼丸と名付けられた子どもは成長し、魔物を一匹倒すごとに体の部位が1つずつ戻る定めなのだと知る。魔物退治の旅に出た百鬼丸は野盗どろろと出会う。
★寸評
悪くない。
オープニングにて中井貴一が本作の禍々しくおどろおどろしい設定を提示してくれる。
あ、手塚作品のこういうやつか、と一人納得する。
いくつかのシーンの美術はかなり健闘している。
不気味な生き物が吊るされていたり、腕や足が吊ってあったり。
設定の助けにはかなりなっている。
百鬼丸誕生から成長を語るまでは良い。
実に禍々しく、気色悪い。
土屋アンナ、ど素人丸出しの演技で失笑。
この女、女優やったことあんのか?
出直して来いと思う。
そして急に日本っぽくないとこに変わってくる。
ロケに変わった。
雲行きが妖しくなってくる。
スタジオはよかったのに、ロケはキツイってのはなかなか。
なんか湿り気の無い清々しい場所でロケしてやがる。
なぜ、雰囲気を変えるのか。
監督が変わったのか?
曰くアクションシーンのみ、「アクション監督」という役職がついているというあれか。
急に仮面ライダー並みの「百鬼丸VS怪人○○」のダイジェストシーンが始まる。
詰まらない。
これは人選とかスタッフ配置のミスなのか。
プロットの段階ではアクションシーン多めだから、外人を招聘しましょ、みたいな話になって、みたいなドタバタでもあったのだろうか。
じっくりワイヤーアクションを堪能させてもらう。
しかも同じロケ地で。
妖怪たち、密集していたんだな。
そして、このままラストまで行っちゃう。
しかも続編スゲー作りたそうな終わり方で。
以下、役者について。
妻夫木はまぁまぁ。
かなりカッコいい役なので、この人である必要性はどうだろうか、もっとカッコいい役者はいるだろうに、とも思う。
柴崎ね、いいんじゃねーかな。
何も感じない、という気もする。
他、前述の土屋アンナの演技はクソ。
中井貴一は流石に巧い。
原作を読んでみたいとは思った。
それは世界観が興味深かったので。
途中からのロケに変わった以降が残念だ。
★1971年公開
★キャスト
マルコム・マクドウェル
★スタッフ
監督 スタンリー・キューブリック
原作 アンソニー・バージェス
脚本 スタンリー・キューブリック
音楽 ウォルター・カーロス
★あらすじ
傍若無人な少年の理由なき反抗。そこには強姦あり、超暴力あり、現実からの逃避行ありで・・そんなギャング一団のリーダー、アレックスのその後を追ったストーリー。
★寸評
キューブリックの真骨頂とも言える映像美学が結晶した作品。
全編を通じて、シニカルな台詞と毒気に満ちた映像が吐き出される。
本作のウルトラヴァイオレンスに対して、嫌悪感を感じる向きもあるようだが、それは好みの問題である。
暴力描写を以って作品の好悪は決められても優劣は決められない。
それはタランティーノの作品群を軒並み否定するという暴挙に繋がるわけだから。
台詞は実によく練られている。
スタイリッシュな台詞である。
「わけなしのトルチョック制裁にはうんざりだよ」
実にクールな台詞である。
インテリアデザインや音楽、衣装に小道具全てが毒に溢れた秀逸である。
特に主人公のアレックスの前半の衣装と小道具。
30年を経過した今、本作がスタイリッシュであるということが通用していること自体がほとんど奇跡と言える。
キューブリックの作品のテーマは実に深遠だが、本作もまた例外ではない。
近未来のロンドンを舞台としているが、実のところ、現代の日本とも相似している。
所謂、若年層による凶悪な犯罪、政府と反政府運動家の世論操作、洗脳の恐怖などのモチーフが時にコミカルに時に絶望的に描かれる。
実は続きがあるらしく、wikipediaからの引用が以下。
第21章では元に戻ったアレックスが再び新しい仲間たちとつるむ生活に戻るが、ある日かつての仲間の一人と再会し結婚して子供も生まれたことを聞く。アレックスは自分も18歳になったことだしそろそろ女でもつくり落ち着こうと考え、暴力から卒業しようと決意する。しかし一方で、かつて犯した犯罪は全部若気の至りだと総括し、子供時代にはだれでも避けられない道だろう、おれの子供にもいつか若い頃の話をするだろうけど暴力の道に進むことを止めることはできないだろう、とうそぶく。
これが描かれるとまた、印象の異なる作品になっただろう。
が、ラストの疾走感は若干鈍る気がする。
いずれにせよ、この時代にこの作品が存在することは奇跡であり、テクノロジーに依らずとも良作は生まれることを実証している。
★キャスト
マルコム・マクドウェル
★スタッフ
監督 スタンリー・キューブリック
原作 アンソニー・バージェス
脚本 スタンリー・キューブリック
音楽 ウォルター・カーロス
★あらすじ
傍若無人な少年の理由なき反抗。そこには強姦あり、超暴力あり、現実からの逃避行ありで・・そんなギャング一団のリーダー、アレックスのその後を追ったストーリー。
★寸評
キューブリックの真骨頂とも言える映像美学が結晶した作品。
全編を通じて、シニカルな台詞と毒気に満ちた映像が吐き出される。
本作のウルトラヴァイオレンスに対して、嫌悪感を感じる向きもあるようだが、それは好みの問題である。
暴力描写を以って作品の好悪は決められても優劣は決められない。
それはタランティーノの作品群を軒並み否定するという暴挙に繋がるわけだから。
台詞は実によく練られている。
スタイリッシュな台詞である。
「わけなしのトルチョック制裁にはうんざりだよ」
実にクールな台詞である。
インテリアデザインや音楽、衣装に小道具全てが毒に溢れた秀逸である。
特に主人公のアレックスの前半の衣装と小道具。
30年を経過した今、本作がスタイリッシュであるということが通用していること自体がほとんど奇跡と言える。
キューブリックの作品のテーマは実に深遠だが、本作もまた例外ではない。
近未来のロンドンを舞台としているが、実のところ、現代の日本とも相似している。
所謂、若年層による凶悪な犯罪、政府と反政府運動家の世論操作、洗脳の恐怖などのモチーフが時にコミカルに時に絶望的に描かれる。
実は続きがあるらしく、wikipediaからの引用が以下。
第21章では元に戻ったアレックスが再び新しい仲間たちとつるむ生活に戻るが、ある日かつての仲間の一人と再会し結婚して子供も生まれたことを聞く。アレックスは自分も18歳になったことだしそろそろ女でもつくり落ち着こうと考え、暴力から卒業しようと決意する。しかし一方で、かつて犯した犯罪は全部若気の至りだと総括し、子供時代にはだれでも避けられない道だろう、おれの子供にもいつか若い頃の話をするだろうけど暴力の道に進むことを止めることはできないだろう、とうそぶく。
これが描かれるとまた、印象の異なる作品になっただろう。
が、ラストの疾走感は若干鈍る気がする。
いずれにせよ、この時代にこの作品が存在することは奇跡であり、テクノロジーに依らずとも良作は生まれることを実証している。
★2005年公開
★キャスト
出演
ジョニー・デップ
クリストファー・リー
ヘレナ・ボナム=カーター
★スタッフ
監督 ティム・バートン
製作総指揮 パトリック・マコーミック
製作 ブラッド・グレイ
脚本 ジョン・オーガスト
原作 ロアルド・ダール
★あらすじ
ウィリー・ウォンカ製のお菓子は世界中で大人気。ある日ウォンカは「生産するチョコレートの中に5枚だけ金色のチケットを同封し、それを引き当てた子供は家族を一人同伴で工場を見学する権利が与えられ、さらにそのうちの一人にはすばらしい副賞がつく」という告知を出した。世界中がチケット争奪で大騒ぎとなる中、運良く引き当てた、家は貧しいが家族思いの心優しい少年チャーリー。
★寸評
原作ロアルド・ダール、監督ティム・バートン、主演ジョニー・デップと一癖も二癖もあるメンツである。
原作のダールは知る人ぞ知る、短編の名手である。
監督のバートンと主演のデップは既に何作も共に作品を作っている旧知のコンビである。
結果、非常にヒットした作品。
しかし、そんなに簡単に理解できる作品ではない。
バートン特有のシニカルでダークな色調。
単純ではないストーリー展開。
本作ではカッコいいとは言いがたいデップ。
何故そんなに簡単にヒットしてしまうのか。
デップの勢いはあるだろうが。
女性はウンパ・ルンパなどを観てカワイイとか言うんだろうが、なんか差別臭い設定だろうと思ったら、やはり原作はピグミー(アフリカの少数民族)である。気持ち悪ぃ。
そこかしこに出てくるオマージュは日本人に理解出来てるはずが無い。
ハッキリ言うと、非常にオタク的遊び感覚に溢れた作品である。
バートンの映像作りは丹念にオタクだし、デップの演技も遊びだらけである。
デップは分かりやすいアメリカンヒーローを演じない。
ダールの作品を彼らが選んだのはある意味では納得できる。
しかし、メジャーでやって分かりやすい作品ではない。
★キャスト
出演
ジョニー・デップ
クリストファー・リー
ヘレナ・ボナム=カーター
★スタッフ
監督 ティム・バートン
製作総指揮 パトリック・マコーミック
製作 ブラッド・グレイ
脚本 ジョン・オーガスト
原作 ロアルド・ダール
★あらすじ
ウィリー・ウォンカ製のお菓子は世界中で大人気。ある日ウォンカは「生産するチョコレートの中に5枚だけ金色のチケットを同封し、それを引き当てた子供は家族を一人同伴で工場を見学する権利が与えられ、さらにそのうちの一人にはすばらしい副賞がつく」という告知を出した。世界中がチケット争奪で大騒ぎとなる中、運良く引き当てた、家は貧しいが家族思いの心優しい少年チャーリー。
★寸評
原作ロアルド・ダール、監督ティム・バートン、主演ジョニー・デップと一癖も二癖もあるメンツである。
原作のダールは知る人ぞ知る、短編の名手である。
監督のバートンと主演のデップは既に何作も共に作品を作っている旧知のコンビである。
結果、非常にヒットした作品。
しかし、そんなに簡単に理解できる作品ではない。
バートン特有のシニカルでダークな色調。
単純ではないストーリー展開。
本作ではカッコいいとは言いがたいデップ。
何故そんなに簡単にヒットしてしまうのか。
デップの勢いはあるだろうが。
女性はウンパ・ルンパなどを観てカワイイとか言うんだろうが、なんか差別臭い設定だろうと思ったら、やはり原作はピグミー(アフリカの少数民族)である。気持ち悪ぃ。
そこかしこに出てくるオマージュは日本人に理解出来てるはずが無い。
ハッキリ言うと、非常にオタク的遊び感覚に溢れた作品である。
バートンの映像作りは丹念にオタクだし、デップの演技も遊びだらけである。
デップは分かりやすいアメリカンヒーローを演じない。
ダールの作品を彼らが選んだのはある意味では納得できる。
しかし、メジャーでやって分かりやすい作品ではない。
★2006年公開
★キャスト
藤原竜也
松山ケンイチ
マギー
上原さくら
戸田恵梨香
片瀬那奈
満島ひかり
藤村俊二
鹿賀丈史
中村獅童
池畑慎之介
★スタッフ
監督 金子修介
原作 大場つぐみ
小畑健 (作画)
脚本 大石哲也
金子修介
★あらすじ
このノートに名前を書かれた人間は死ぬ…。死神 リュークが人間界に落とした一冊のノート「DEATH NOTE」。ここから、二人の選ばれし者「夜神月」と「L」の壮絶な戦いが始まる
★寸評
原作漫画~アニメ化、映画化、小説化、加えて「L」を主人公にしてのスピンオフ。
順調にメディア展開してる作品の映画版です。
が、漫画を含めた他のメディアとの比較論はしません。
漫画の方がいいとかなんとか、下らない議論です。
そもそも別物です。
大抵は原作の方が濃密に描けるわけですし、原作の呪縛から完全に逃れることは不可能です。
しかしながら、原作が魅力ある作品であることは間違いありません。
さて、演技について。
藤原竜也の演技はいいでしょう。
彼の爽やかなルックスは、表面上は非の打ち所の無い優等生であるライトを嫌みなく演じています。
原作の猟奇的な側面はラストくらいしかありませんが、特に問題なし。
松山ケンイチはこの映画で評価されたようですが、多少やりすぎか。
この手の異様な役を演じるのは難しいですが、まぁ上出来でしょう。
が、他の役はぞんざいな部分があります。
戸田恵梨香は厳しいです。
原作を忠実になぞったんでしょう。
ライトに恋する馬鹿女キャラ。
だが、それだけですね。
この手の役を演じるのは簡単に思われがちですが、そうではないです。
メインキャストですし、薄っぺらな役作りをすると作品全体から浮く。
彼女がその典型です。
さて、彼女以外に気になったのが、エキストラの台詞です。
酷い。
その分、メインキャストの演技の巧さは引き立ちますが。
何故これほどの棒読みで、アリという判断になるのか、判りません。
次に台本です。
本作は、頭脳戦の緻密さを楽しむ作品です。
その意味では素晴らしい作品であると言えます。
ただ、映像の撮り方だと思うんですが、やや作品全体に緊張感が薄い。
これは完全に撮り方。
だから、刺激的な映像を撮ればいいわけではなく、撮り方で何とでもなる話。
結果ですが、この監督のアイディアが古いっていうことでしょう。
発想に乏しい。
全編でアーティスティックな映像にする必要はありませんが、数箇所でも技を見せれば一段上のランクの映画になった筈である。
そうすれば、結果として、原作がどうのこうの言われない強靭な作品に仕上がったはずである。
★キャスト
藤原竜也
松山ケンイチ
マギー
上原さくら
戸田恵梨香
片瀬那奈
満島ひかり
藤村俊二
鹿賀丈史
中村獅童
池畑慎之介
★スタッフ
監督 金子修介
原作 大場つぐみ
小畑健 (作画)
脚本 大石哲也
金子修介
★あらすじ
このノートに名前を書かれた人間は死ぬ…。死神 リュークが人間界に落とした一冊のノート「DEATH NOTE」。ここから、二人の選ばれし者「夜神月」と「L」の壮絶な戦いが始まる
★寸評
原作漫画~アニメ化、映画化、小説化、加えて「L」を主人公にしてのスピンオフ。
順調にメディア展開してる作品の映画版です。
が、漫画を含めた他のメディアとの比較論はしません。
漫画の方がいいとかなんとか、下らない議論です。
そもそも別物です。
大抵は原作の方が濃密に描けるわけですし、原作の呪縛から完全に逃れることは不可能です。
しかしながら、原作が魅力ある作品であることは間違いありません。
さて、演技について。
藤原竜也の演技はいいでしょう。
彼の爽やかなルックスは、表面上は非の打ち所の無い優等生であるライトを嫌みなく演じています。
原作の猟奇的な側面はラストくらいしかありませんが、特に問題なし。
松山ケンイチはこの映画で評価されたようですが、多少やりすぎか。
この手の異様な役を演じるのは難しいですが、まぁ上出来でしょう。
が、他の役はぞんざいな部分があります。
戸田恵梨香は厳しいです。
原作を忠実になぞったんでしょう。
ライトに恋する馬鹿女キャラ。
だが、それだけですね。
この手の役を演じるのは簡単に思われがちですが、そうではないです。
メインキャストですし、薄っぺらな役作りをすると作品全体から浮く。
彼女がその典型です。
さて、彼女以外に気になったのが、エキストラの台詞です。
酷い。
その分、メインキャストの演技の巧さは引き立ちますが。
何故これほどの棒読みで、アリという判断になるのか、判りません。
次に台本です。
本作は、頭脳戦の緻密さを楽しむ作品です。
その意味では素晴らしい作品であると言えます。
ただ、映像の撮り方だと思うんですが、やや作品全体に緊張感が薄い。
これは完全に撮り方。
だから、刺激的な映像を撮ればいいわけではなく、撮り方で何とでもなる話。
結果ですが、この監督のアイディアが古いっていうことでしょう。
発想に乏しい。
全編でアーティスティックな映像にする必要はありませんが、数箇所でも技を見せれば一段上のランクの映画になった筈である。
そうすれば、結果として、原作がどうのこうの言われない強靭な作品に仕上がったはずである。