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映画批評etc

映画の感想ではなく批評
その他諸々

2001年 宇宙の旅

2008年12月11日 | 映画(数字)
★1968年公開 
★監督 スタンリー・キューブリック 
 原作 アーサー・C・クラーク 「前哨」
 脚本 スタンリー・キューブリック
    アーサー・C・クラーク


★あらすじ
人類の祖先ヒトザルは謎の黒石板(モノリス)の啓示を受けて道具を使うことを知る。やがて宇宙に進出した人類は月面上でモノリスに再遭遇するが、その事実は極秘とされた。18ヶ月後、コンピューター・ハル9000に制御された宇宙船ディスカバリー号が木星探索に旅立つ。ハルは乗組員と会話を交わし、感情さえ持つかに見える。しかし乗組員はハルの性能に疑問を抱き、その機能を制限しようとしたが…。木星探索の真の理由が知らされた後、ボウマン船長はモノリスに導かれて異空間を旅し、モノリスの監視下で新しい人類へと進化する。
 
★寸評
奇才キューブリックの作品。
ガンダムもスターウォーズもこの作品がなければ生まれていないだろう。
ノベライズ版を含めて観ないとかなり難しい作品。
初見で論理をしっかりと追うことが出来る人は絶対いない。
いたとしたら、馬鹿か偉大な哲学者としてそのうち自殺する。
 
まず、台詞として説明される部分が極端に少ない。
最初の台詞が出てくるのまでには30分ある。
そして、台詞が出てきたら出てきたで殆ど説明的な台詞がないので、状況を理解するまでには、幾つものハードルがある。

無音状態の場面も多い。
宇宙空間において、呼吸音だけの場面も多い。

非常に客を突き放して考えさせる作品だ。
挑戦的作品だし、解釈次第で何とでも考えられる。
面白い映像は沢山あるし、デザインも非常に練られている。

が、あまりにも実験的過ぎる作品ゆえに、大衆には一切迎合していない。
簡単に理解なんかさせねーぞ、という意図すら見えてくる。

しかし、じっくり観ると判るところもあるかと思っていたが、さっぱり判らない。

こんな映画が許されるのはキューブリック作品以外に存在しない。

300<スリーハンドレッド>

2008年12月11日 | 映画(数字)
★2006年公開

★キャスト
ジェラード・バトラー
レナ・ヘディ
デヴィッド・ウェンハム
ドミニク・ウェスト
ロドリゴ・サントロ

★スタッフ
監督 ザック・スナイダー
原作 フランク・ミラー
   リン・ヴァーリー
脚本 ザック・スナイダー
   カート・ジョンスタッド
   マイケル・ゴードン
音楽 タイラー・ベイツ

★あらすじ
レオニダス率いる地上最強と謳われた精鋭300人のスパルタ軍が、クセルクセス率いる桁違いの兵力を誇るペルシア軍の巨大軍勢を迎え撃った “テルモピュライの戦い”を活写した。人類史上最強の男たちの勇姿を描いた、衝撃の歴史スペクタクル超大作!

★寸評
漫画で言えば、「北斗の拳」、ゲームで言えば「三国無双」。
マッチョイズムな映画である。
これは女性には理解し難い映画だろう。
女性は小道具程度でしかない。

本作の特徴は映像だろう。
普通のロケは全く無い。
自然がない。

故に完全なる作り物の世界である。
が、観るべきものは景色の美しさではなく鍛え抜かれた肉体美である。
ハッキリ言ってストーリーもどうでもいい。
何の趣向もない。
凄まじい血飛沫と、醜く化け物じみた敵と、マッチョな男達が暴れまわる爽快な映画である。

とは言っても、一応歴史をベースに置いているため、歴史考証が必要になってくるかな。
と思ったら、とんでもないことです。
歴史上こんな事実はないとか、こんな思想は存在しないとか。
そんな事を考える人がいたとしたら、それはそれで誤読の仕方が凄い。

敵軍のクセルクセス王は顔全体をピアスで覆っているパンクです。
敵軍の切り札の軍はサイも象も出てくる。


んなわきゃねーわな。
完全な漫画だ。


と誰でも思う。
だから歴史の作品と捉える必要はないと思う。
この映画に対し、イラン政府がイラン人の先祖であるペルシア人を激しく冒涜しているとして非難しているらしい。
この映画はペルシア人だけでなく女性も蔑視している。

だから観なければいいと思います。
映画なんだから、途中で止めればいいんですね。


あと、接写が多いのは残念。
「300人が戦う」という謳い文句だったので、もっと軍勢のVFXでも使って面白い画を作るのかと思ったが、そうでもなかった。
どちらかといえば、スパルタ兵の華麗な殺陣と変わった映像を見るのが主。
続編も作りたそうなラスト。
問題点は多々あり、修正できるかが課題。


そんな悪い作品ではない。
もっとイケた筈の作品である。