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映画批評etc

映画の感想ではなく批評
その他諸々

ゆきゆきて、神軍

2009年09月02日 | 映画(ヤ行)
公開  1987年
監督  原一男
出演者 奥崎謙三
企画  今村昌平

あらすじ
かつて自らが所属した隊で、隊長による部下射殺事件があった事を知り、殺害された二人の兵士の親族とともに処刑に関与したとされる元隊員たちを訪ねて真相を追い求める。元隊員たちは容易に口を開かないが、奥崎は時に暴力をふるいながら証言を引き出し、ある元上官が処刑命令を下したと結論づける。奥崎は元上官宅に銃を持って押しかけるが、たまたま応対に出た元上官の息子に向け発砲し、殺人未遂罪などで逮捕され、懲役12年の実刑判決を受けた。

寸評
マイケルムーア絶賛のドキュメンタリー映画。
圧倒的な狂気の行動力を持つ奥崎氏(アナーキスト)の調査を追う。
この人、一見すると語り口は紳士的で実直なサラリーマンのようだが、一旦火が着くと狂人のように暴れ回る。

追及対象が何かNGワードを言う。

暴れる。

という展開を繰り返し行う。
手が付けられなくなり、警察がやってくる。
にも関わらず、追及を止めない。

あまりここでキーワードになるような言葉も書きたくないので控えるが、この男の行動力や信念は基地外のレベルである。

絵力が凄い。
ドキュメンタリー好きで、ガチな映像が好きな方なら是非。
↑の記事はその方の政見放送です。

容疑者Xの献身

2009年06月11日 | 映画(ヤ行)
監督
西谷弘

キャスト
福山雅治
堤真一
松雪泰子
柴咲コウ
北村一輝
ダンカン
長塚圭史
益岡徹
林泰文
品川祐

原作
東野圭吾

寸評
話題作である。
結論から言うと、佳作か。

原作は東野圭吾による直木賞受賞作。(他の賞も多数受賞し五冠獲得)
ストーリーの良さは保障されている。
制作に亀山千広。
売れる作品であることも確実。
そんななか、監督の西谷弘はドラマ出身の映画素人。

視点はほぼ堤真一扮する数学教師だ。
一応ドラマをベースにしているので福山を出さなくてはいけないからか。
余計な冗長な場面も出てくる。

品川祐や柴咲コウが出てくる。
画面が安くなってしまう。彼らはドラマだけでお腹一杯だ。
この辺が作品の商業性を匂わせるイケないところ。
また、福山と堤でスケール感のある場面を作りたかったのだろう。
登山したりして、退屈なシーンをつくってしまう。
無駄である。

逆に堤の演技は流石である。
天才であり厭世的な石神というキャラクターを丹念に演じている。
福山扮する探偵ガリレオの華やかで若々しいキャラと好対称である。
風采の上がらない、鬱々として楽しめない内省的な鬱陶しい男を巧みに演じている。
そして、もう一人の軸の松雪も見事だ。
美人だが、軽率で薄幸、人間味溢れるが、どこか付け込まれてしまう弱さのある女に息を吹き込んだ。

原作のシリーズは続いている。
再度ドラマが制作され、長編は映画化されるんだろうか。

監督は変えてもいいかもしれない。