バスケと人生の日々~陽のあたる場所へ

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審判について(2)~よりよいジャッジを求めて

2011年11月04日 | バスケ全般

             

                        <秋晴れ小学校運動会にて>

 

   人の性格の通りだけ、審判の見方も様々ある。

  そんな中で、バスケのプレイを正確ジャッジすること、ゲームを正しく収めるためには

  何が必要なのだろうか?

    タイプ1 競技規則・レフリーズマニュアルを熟読して、規則理論を厳格に

          適応させることに重きを置いて笛を吹く審判

    タイプ2 規則を踏まえたうえで、バスケット感性を大切に、プレイの流れや

          選手のレベル・状態を把握して、それに応じた笛を吹く審判

    理想は、この2点を同時に持ち合わせて、プレイヤーもベンチも納得できる

   判定をすること。そのようなジャッジの一貫性で、選手のパフォーマンスを最大限

   引き出してあげられる審判。

   実際、口で言うのは簡単であるが、遂行するには大変な時間と経験と努力が必要になる。

 

   コーチ仲間に勧められて審判を始めた頃、まずは競技規則をしっかりと理解してと言われ

  ルールブックを読んでみた。読み物としては、正直、実に味気ない文章に思えた。

   たとえば、トラベリングの成立条件とか、バックパスの成立条件とか、始めて呼んで

  ぱっとイメージできる人はいるのかな?

   ファウルやバイオレーションの現象を1つ1つ拾って文章化するわけにはいかないだろう。

  様々な具体的事例から共通して抽出できる一般的現象を文章化して規則ができる。

   だから、わかりにくい。ピンと来ない。

   しかし、何十試合、何百試合と重ねるうち、うまくジャッジできない、捕らえられない現象に

  遭遇して、その度にルールブックの該当箇所に目を通す。すぐに解るものではないが、

  だんだんと解釈できるようになってくる。

   特に、ディフェンスの正当な権利という部分は、ルールブックで新たな発見があった。

   無理なオフェンスのチャージング、ディフェンスのシュートブロック、

  ポスト面取りのポジション取り、ドリブラーに対するハンドチェック、イリーガルスクリーン等々、

  ディフェンスが悪いのか?オフェンスが悪いのか?イーブンと判断してノーコールなのか?

   場数を踏んで、いろいろなバスケットスタイルを肌で感じることでわかってくる事柄が

  たくさんある。ルールブックは、膨大な時間の積み重ねと何世代もの審判員の試行錯誤の

  果てにたどり着いた集大成(汗の結晶)なんだけど、それだけでは真によい判定はできない。

  また、「オールウェイズムーヴィング」、「スペーシング」、「ぺネトレイト」など

  審判技術の標語も常に心がけることは当たり前で、それを実行して目の前のプレイを

  脳でどう捉えているのか?

     様々なバスケットプレイの良い感覚を肌で掴むこと、

     感じる取ることが最終的によい判定へとつながる。

   このために、優れた審判のコールを追っかけることも大事であるが、

  プレイヤーやコーチがどんなバスケットをしてくるのか、させようとしているのか、

  個人プレイのキーマンは誰か、チームディフェンス・オフェンスの特徴は何か、など

  バスケプレイを総合的に観る目(見方)を養うことが非常に大事である。

   最後に、審判員は2人(もしくは3人)で協力をし合ってゲームの管理を行う。

  いわゆるエリアの分担、視野の分担という共同作業がとても大切な要素になる。

   激しいバスケのプレイ展開の中には、マニュアルの原則論から外れた位置取りや

  視野の取り方も必要になるだろう。

   一人で全部見るのではなく、二人の共同作業で全部見るという姿勢と相手に対する

  信頼があってはじめて捨てる視野と絞り込む視野を作ることができる。その結果、

  よい判定を下せる状況が生まれる。目には見えない相方のアシストがあることで

  精神的なブレも少なくなる。「協力と信頼」チーム作りと何ら変わりない。

   この十数年、審判を志す方々が増えた実感がある。特に女性審判の方が非常に

  増加した。裾野が広がることは、喜ばしいことであるが、細かいルールにとらわれ

  過ぎないで、バスケット競技自体の面白さ、ゲームのスピード、様々な戦術に

  慣れ親しんでもらいたい。そうすれば、

   きっといい笛吹けます。いい汗かけます。選手・ベンチに感謝されます。

  成長感じ取れます。陰ながら応援します。