カナダ 隠居生活

今まで世界をさまよい、2010年50歳、カナダにケアギバー 留学し、就職。2015年次女と念願の永住権獲得。

2011-10-25 18:38:35 | 日記
以前、内観研修を受けたことがある。その方法は5日間朝から夕方まで屏風で周囲と隔離された状態ですわり、していただいたこと、して返したこと、迷惑かけたことを3本柱とし、自分と両親、兄弟、などいろんな人との関係を過去にさかのぼって調べていく。3さいころから父と自分の間を調べてみてもなかなか思い出すことができず、昔の写真や家など思いだしてると、らくだのモモヒキをはいた父が食卓テーブルの前にあぐらをかいてすわっている姿が思い出された。そしてそのあぐらのなかに小さな私はちょこんとすわり父の首にある飴玉くらいのいぼをさわってなにかきいている。父は日本酒を飲みながらお刺身を味の素の入ったしょうゆ皿につけ時々私の口に運んでくれている。口数の少ないやさしい父だった。
 私は父が47歳の時の子供だったから孫みたいだったかもしれない。父は7年前に他界したが最後の父との楽しい思い出は、田舎の公園で私の娘たちと父がいっしょに楽しそうに滑り台を滑っていたこと。父は重症な認知症で本当に子供に返って滑っていた。

 朝起きたら、いつも一番に頭に娘のことが浮かんであれこれ心配しはじめるのだが、今日は父の姿が浮かんできた。初めて海外に長期派遣される前に、皇居でいただいた(というか記念にもらってきた)銀色の菊の紋章のはいったタバコ1本、それを父に渡すと目を細めてうれしそうに受け取り、そのご神棚にあげて手をたたき祈っていた。父はそのタバコを吸ったのかなぁ?
 父から直接ほめられたことは全くないけど、娘は海外で頑張ってるみたいな自慢をしてたと兄に聞かされた。ちょっとは親孝行していたかな。。こんなことを考えてるうちに私の守護霊は父なのだなと自然に気がついた。そして今日は仕事中の話し合いの中でピン!と頭に思いがひらめいて、みんなに話したらそれは良い考えと取り入れられた。父のおかげである。死んでも父は私のことを思っていてくれてる。

 海外にいると自然に内観することが多いと聞いたことがありますよ、と研修中に担当の内観療法士が言っていたがそのとおりである。日本を離れ日本語を話す機会が半減する分、頭の中ではいろんなことを思い出し始める。