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4月27日(日)、恒例の山菜採りに出かけました。この山菜採りは、あるグループが二十数年続けてきた年中行事です。場所は、長年にわたって開拓してきた場所ですので、お伝えできません。無論のこと、そこは一般登山路脇ではなく、先を進むY氏が、下の画像のように藪の中に直ぐに消え入ってしまうような場所です。山菜採りは、春の自然の恵みを頂くだけではなく、春の息吹を楽しむ山歩きでもあります。
この山域で採れる山菜は、下の画像のような、モミジガサとハナイカダ、それにミツバ・タラの芽・ワラビ・ゼンマイなどです。モミジガサは、モミジのような形の葉を持つ草で、東北地方ではシドケと呼ばれ、人気の山菜です。ハナイカダは、葉の中央に花を付け、風流な名を持つ木の葉です。小川にハナイカダの葉を浮かべて、筏のように流したら、さぞ楽しいだろうと思います。
モミジガサは、樹林の下草として、密集して生えています。ハナイカダも、樹林の低木として、登山道脇やちょっと樹林の中に入った場所に生えています。ある時、私が住む近くのマンションの植栽に、ハナイカダの木が植えられているのを発見して、びっくりしたこともあります。葉と花の作りの楽しさを取り入れた、都心部の植栽と言えるでしょう。
山椒は、実山椒として主に実を使いますが、若葉を料理に添えたり、山椒の花や葉を使った料理もあります。今年も、山椒の若葉を採ってきて、それを使った佃煮を作りました。できた山椒の葉の佃煮を使い、抹茶茶碗を用いたお茶漬けが、最高です!若干、口の中が麻痺する山椒の刺激がしっかりと残り、お茶と山椒の相性も抜群です。
山菜取りの途中で、沢の水で山菜を洗い、宴の準備をするY氏。現代人は、日々の食材を自ら収穫することは、特に都会で暮らす場合、稀なことです。時として、海や山に出かけて自然の幸を採集し、その有難さを感じながら頂くことは、とても大切なことですし楽しい行為です。
一般登山道近くの突き出た稜線上に、辺りが開けた平坦な場所があります。そこが、私達指定の山菜採り後の宴会場です。モミジガサやハナイカダを中心に、お浸しや油炒め、時には天ぷらにして、それを酒の肴に宴は始まります。新緑に囲まれたシチュエーションが、談笑の楽しさを倍加させます。芋煮会や熱い石を入れるわっぱ煮・わっぱ汁など、日本人は豊穣な自然の幸を、屋外で有楽しく、そして有り難く頂いてきた伝統があります。
人影の無い山菜採りの場所は、皆さんが考えるほど山奥に入るわけではありませんが、足元の朽ちた倒木に生きる動物や植物が、自然の中でたくましく育っている場でもあります。そうした生き物にカメラを向けると、人知れず繰り返される生命の循環を知ることができます。朽ちていくい倒木は苔むして、そこからまた新しい生命が、力強く天に向かって伸びようとしていました。
小さな小さな世界に、大きな大きな世界があります。
人に見られて、その美しさを褒められることも無く、散っていく花々も無数にあります。画像の順に、ヒトリシズカ・宝鐸草 ・マムシグサ・ニリンソウ・チゴユリ・イカリソウなどが、藪道の足元に咲いていました。
下山路は、一般登山道です。
登山路脇の枝垂れた山吹が、私たちを見送るように、風に揺れていました。
山菜採りは、春に芽吹く命を頂くことです。
有り難く、大切に、美味しく頂くことが肝要です。
【帰宅後】
上の画像は、モミジガサとハナイカとダタラの芽の天ぷら。下の画像は、翌日の弁当のおかずになった山菜たち。採り過ぎて、飽きてしまうようでは、山菜に申し訳ないので、収穫量はほどほどに!