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この時期、栽培したものですが、スーパーなどでふきが店頭に並んでいます。
時期的に自然界では、ふきのとうの季節であり、私も今年に入って2回ほど、ふき味噌を作って春の香りと味覚を楽しみました。
今回は、売られていたふきの葉がついた柄の部分を買ってきて、ふきの茎の佃煮と、葉を使った佃煮を作りました。
【料理名:きゃらぶきandふきの葉の佃煮】
【材料】(量はすべて適宜)
ふき一束
しょうゆ
みりん
酒
砂糖
唐辛子(お好みで)
はながつお(葉の佃煮)
【作り方】
ふきの茎をスポンジで洗い、汚れと表皮についている毛を取り除きます。
きゃらぶきの佃煮を作るとき、茎の表皮をむくのかむかないのか、それが問題となります。
熱を加える時間が少ない料理では、そのままでは食味が悪いので、皮をむいたほうがよいでしょう。
佃煮風に仕上げる場合、加熱時間が長いので、皮はむかなくてもまったく問題ありません。
当然、素材の準備段階で繊維質の皮が剥けてきますが、それらは取った方がよいでしょう。
茎は適当な大きさに切って、葉と一緒に10分程度湯がきます。
それを冷水にとって、1~2時間程度、あく抜きの為にさらします。
酒・みりん・しょうゆ・砂糖を加え加熱し、そこにふきの茎を入れ、煮詰めます。
加熱時間とどの程度佃煮風に仕上げるのかの関係は、まったくの好みで、仕上がった状態とその家庭の好みを、試行錯誤して決定したらよいと思います。
レシピ通りがベストとは決して限りません。
きゃらぶきは、その独特の香り(嗅覚)、若干残る苦み(味覚)、茎の繊維を噛むときの歯触り(触覚)、そして丁寧に仕上げた見栄え(視覚)という、料理を味わうための人の持つ知覚器官を楽しませてくれます。
料理には、たくわんを咀嚼するときに出る音や、冷えたビールが喉を通るときに出る音など、聴覚も美味しさを増幅する感覚であると思います。
すなわち、料理は人の感覚器官である五感を総動員して味わうものであり、またそれらの感覚器官を美味しいと知覚させるのが、素敵な料理ということになるでしょう。
今回は、ふきの茎についている葉も、別料理として佃煮風に仕上げました。
味付けや材料は、茎の料理とまったく同じです。
ただし、葉の佃煮には、花かつお一つまみを入れて、煮詰めて佃煮にしています。
ふきだけの純粋な風味を楽しむためには、葉のみで佃煮に仕上げる方法もあります。
ふきの葉の佃煮(花がつお入り)
無論、野や山に出かけて、自分で採ってきた食材を用いた料理は、それを味わいながらにして今し方歩いた自然が目に浮かび、季節を最も堪能することができます。
しかし、たとえその食材が栽培で作られたものでも、やはり旬の食材を用いた料理は、季節を楽しむには欠かせません。
山野草や花木の開花が、その時期になると待ち遠しくなる人がいるように、ある季節になると口にしたくなる旬の料理を列挙できる人は幸せです。
清貧の生活でも、
どんなに費用をかけた料理よりも、
心をそして人生を豊かにしてくれる料理は存在します。
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