6月に入り、アジサイも花盛りとなりました。花壇に、俵万智の短歌として以下の掲示がありました。
「六月の 雨アジサイの 花に告ぐ 夏来たりなば おまえを愛す」
実は、これにはちょっとした間違えがあります。本当は、俵万智が詠んだ歌は以下の短歌です。
「思いきり愛されたくて駆けてゆく六月、サンダル、あじさいの花」
俵万智がこのように詠んだ後に、知人が返し歌として初めに載せた短歌を詠みました。ですから、その短歌は俵万智ではなく知人の歌が正解ですが、アジサイの如く奇麗な、代表的な現代の相聞歌です。
最盛期のアジサイの画像も載せましょう。
最盛期のアジサイの花壇の中を、モデルのようなスタイルの女性が、微風に長い髪をなびかせながら花を鑑賞して歩いていきました。淡い色のアジサイのような人だと思いました。花は人を装飾し、人は花を装飾すると思われます。上の画像で、白いアジサイの花がありますが、アナベルという西洋アジサイの一種で、比較的長く綺麗に咲いているアジサイです。
親水性のエリアでくつろぐ人々も増えました。手漕ぎボートやパドルボートなどが川面に浮かび、川に面した場所には、子連れの人たちも増えました。ボートに乗っている人たちも、マスクをしていました。そうした対策を茶化す人もいますが、私は好感を持っています。またその近くで、カルガモの親子が日向ぼっこをしていました。コロナウイルスが無ければ、平和な光景と言えるのですが。
下の画像は、スモークツリーと呼ばれる植物です。スモークツリーはウルシ属に近縁な、雌雄異株の落葉樹です。初夏に咲く花木の代表で、ヨーロッパから中国に分布します。雌木の枝先につく花序は長さ約20cmで多数枝分かれし、花後に伸びた花柄が遠くからは煙がくすぶっているように見えます。
その下は、ホタルブクロの花です。山歩きをしている方には、馴染みの花ですが、近隣の花壇に咲いていました。やはり、梅雨時期の花の一つであり、山野草の印象の強い花です。私はこの花を見ると、いわむらかずお作の「14ひきのシリーズ」で、ホタルブクロを帽子にして歩いているネズミを思い出します。子供に読み聞かせをしながら、とても良い絵本だと思いました。最近の話になりますが、ベストセラーの絵本「はらぺこあおむし」の作者エリック・カールが亡くなったというニュースがありました。この絵本も、私の子どもたちが楽しんだ奇麗な色彩が印象的な絵本でした。かわいらしく描かれた青虫ですが、私の末の娘は、青虫を素手で触り「かわいい」という子に育ちましたが、この絵本の影響もあるのかもしれません。