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骨と腰

骨と腰の大冒険
主にクライミングの記録です。
ムーブに言及しているのでオンサイト狙いの人は見ないほうが良いかも。

雲取山⑥

2007-10-01 02:19:24 | 登山
ずいぶん間が開いてしまいましたが
14時05分に七つ石山頂上を出発するところから再開。

頂上からは稜線をしばらく下ります。
下った分は後で登らないといけないので、
今ばかりは下りが恨めしい。

頂上からを下り切ってしばらく歩くと奥多摩小屋に到着。

さっき休憩した時に話した人はこの奥多摩小屋泊って言っていた。

この小屋宿泊だったら今日はここでゴールだけど、
今回のプランは雲取山の山頂を超えてその先の雲取山荘がゴール。
まだここから300メートル登らないといけない。

小屋の周りのテントを横目に山頂を目指します。

今日登らないといけない標高差1400メートル中
1200メートルくらいまでは来ているので
残り15%くらいなんだけど、
この辺になってくると少しの上り勾配にも足が敏感に反応してしんどい。

しんどすぎて、この辺りの時間帯は
カメラを取り出す気力もなかったので、
写真はありません。

5分毎に荷物を降ろして休憩したくなるけど、
一度足を止めるとまた歩き出すのが辛いので
足を止めないように歩き続けてやっと1900メートル付近に到着。

へばってずっと足元を見ていた視線を上げると
ここに来て本日最強の急勾配が目の前に。

そうですか。

ここを登らないと頂上にたどり着きませんか…

がんばれ、オレ!
頂上はもうすぐそこ!のはず。

雲取山⑤

2007-08-27 20:43:14 | 登山
小屋の少し先の水場で顔を洗って
七つ石山頂上を目指す。

小屋の食事の時間を考えて17時をタイムリミットとすると、
残り4時間。

標高で言うと7割は登ったはず。

と言うわけでこまめに休憩取りながら進みますよ。

小屋を出て1時間弱で七つ石山頂上到着。

七つ石山は標高1757メートル
頂上だけあって見晴らしが良いい。
奥多摩の山々が良く見える。

はるか向こうにもうひとつのピークが見えるが、
ちょっと距離がありそう。
雲取山はもう少し近いはずなんだけど…

ここで腕時計に付いてるコンパスで方角を確認。
地図を広げて雲取山までの距離を確認。

やはり、あれが雲取山か。

双眼鏡で覗くと小屋が見える。
すると、あれが山頂の非難小屋。

いや、まだ結構ありますなー。

しかも、今日のゴールは山頂の向こうの小屋。

軽い眩暈がしてきた。

しかも、あたりまえの話ですが
今いるところは山頂なので、
雲取山山頂を目指す前にしばらく下る訳ですな。

下りたら下りた分また登らないといけないじゃないですか?

いや、いや、まだまだゴールまでの道のりは長い。


もうちょっと続きます。

雲取山④

2007-08-18 09:50:39 | 登山
次の目標は標高1600メートルにある七つ石山小屋。
ここまでは地図の等高線に対して垂直の道。
かなり急な登りになっている。

なかなか足が前に出ない。
呼吸を整えるためところどころで足を止めていると、
背中に人の気配が。

振り返ると、

なんとマウンテンバイクを担いだ人が登ってくる。

普通にザック背負ってるだけで
かなり消耗してるのにマウンテンバイクですか?

聞くとマウンテンバイクを持って山頂まで登ってそこから
乗って降りるらしい。

その日のうちに登って降りてしまうから
自転車以外には最低限の物しか持っていないし、
帰りはあっという間なんだろうけど、
ザックと違ってかなり背負いづらそうだし、
乗って下りるにしても当然山道で自転車向きじゃないんで
かなり危なそうだけど、それが良いのかなー?

いやーすごい。

他にもトレイルランナー(山を走って登って下りる人)も見かけた。

こっちは普通に登るのに四苦八苦してるって言うのに
世の中にはいろんなすごい人がいるもんです。

やっと七つ石山に到着したのは13:00。
ここは標高1600メートルのはず。
そして腕時計を見ると1650メートルを表示。
おぉ!
意外と正確じゃないか!この高度計。

ここから七つ石山の頂上(1757メートル)を目指します。

続く

雲取山 その③

2007-08-15 21:46:09 | 登山
鴨沢から登り始めて40分ほど歩いたところで休憩#1。
(10:05 標高900メートル)
水分を補給して5分ほどでまた歩き始める。

さらに40分ほど歩いて休憩#2。
(10:50~11:10 標高1100メートル)
目印がないのでどこまで来ているか
イマイチよく分からないが一応地図を確認。
腕時計の高度計は1100メートルを指している。

この高度計が正しければ
標高差で500メートルくらいは頂上に近づいたことになる。

今回のコースは、登り始めが550メートルで、頂上が2017メートルなので、
標高差は約1500メートル。

1500メートル。

そう、標高差が1500メートルもある。

1500メートルといったら上高地から槍ヶ岳山頂までとあまり変わらない。

あれ?
今回は久し振りの登山だし、軽めの山にしたんじゃなかったか?

まだ序盤なのに、良い感じでしんどくなってきてるんですが、
この先大丈夫なんでしょうか?

まだあと900メートル登らないといけない、
ってことに軽く眩暈がしたので、
ここは長めに20分の休憩。


さらにちょっと行った先に水場があったので
冷たい水で顔を洗ってこの先の登りのためにリフレッシュ。

気を取り直して登りまっせ。

この辺りから全身から滝のように汗が出てくる。
休憩時に取った水分がそのまま汗になって出てくる感じ。
いくら拭いてもキリが無いので
次の休憩までは鼻の先、顎、腕から汗を滴らせて
ひたすら歩きます。

やっと中盤にして相当しんどくなってきてます。

それでもなんとか水場から40分ほど歩いて休憩#3。
(12時05分~12:35 標高1440メートル)
この時点で腕時計によると標高1440メートル。
900メートル高度を稼いだので残り600メートル。

まだあと600メートルですか…。

コースタイムより2時間余裕があるはずだし、
ここはちょっと長めに休憩をとることにして終盤に備えます。

続く。



雲取山 その②

2007-08-14 19:11:58 | 登山
無事奥多摩駅に到着した二人。

今回は小屋伯なので、1日目の夕食、
2日目の朝食、昼食は小屋で調達する予定なので、
本日のお昼御飯を買っておきたい。

朝電車に乗る前にコンビニに寄ろうと思ったが
暑くてオニギリが悪くなりそうなので、
奥多摩の駅でバスに乗る前に駅で買おうと目論んでいたのだ。

しかし

奥多摩の駅周辺にはコンビニなど見当たらない。

ほんの2週間前に越生にクライミングに行った時にも
駅前にコンビニがなく同じ目に会ったと言うのに。
全く同じ失敗を犯してしまった…

そして

バスは電車から降りてきた人を回収し
待ち時間ほぼなしで出発してしまう。

と言うわけで奥多摩駅でのお昼ご飯の調達は断念。

かすかな望みを登り口の鴨沢の集落にかけるも
かなりの山間でそんなお店は見当たらず。

いーよ。10秒チャージで登ります。

そんなわけで
トレッキングポールの長さをセット、
地図を確認し腕時計に付いてる高度計を鴨沢の標高550mにセット、
出発時間をメモして
9時20分、鴨沢から登山スタートです。

続く

雲取山 その①

2007-08-13 21:25:41 | 登山
2004年夏の槍ヶ岳以来、3年ぶりに山に登って来た。

かなり久し振りなので、
どこか軽めで、東京から行き易いところ、ということで、
標高2017メートル、東京都最高地点の雲取山に決定。
アプローチも、東京から登り口まで
電車、バスと3時間くらいで行けてなかなか良さそう。
冬場の残雪期に登る人が多いみたいで
山荘のウェブサイトにも「6、7、8月は比較的空いてます」
とのこと。
山小屋が空いているのはポイント高い。

隊長が直前で来れなくなる、というハプニングはあったものの
2万5千分の1の地図、秘密兵器を購入して準備万端。

当日は5時起きで、6時過ぎの電車で奥多摩駅に向かう。
川崎から南武線で立川に向かっているパートナーと
立川で合流、の予定だったのが
5両程度の車内に姿が見当たらない。

マズイ。これは非常にマズイですよ。

と言うのも、奥多摩駅でのバスへの乗換えに時間が7分しかなく、
そのバスをミスると2時間バスが無いのである。
この目の前の電車に乗らなければ奥多摩でバスに間に合わなかったはず。

携帯に電話するも反応無し。

早朝の南武線ででかいザックを前に眠りこけてるパートナーの姿が目に浮かぶ。
終点の立川で目を覚まさないと南武線はそのまま川崎に逆戻り。

そうこうしているうちに奥多摩行きの電車が動き出す。

なに?
出だしからこのハプニング。

すると、電車が動き出したタイミングでパートナーから電話が。

「立川着いたよ!?」

イヤ、イヤ電車出ちゃってますけど?

「え?マジで???」
「でも次の電車に乗る予定なんだけど…」




実は次の電車に乗っても、青梅で今出発した電車に追いつくことが判明。
パートナーは初めからその予定だったらしい。

なんだ、俺の一人で空回りですか。
その後無事青梅で合流。
時間通り奥多摩にたどり着いたのでした。

続く

槍⑦ ~天空からの帰還編~

2004-08-19 11:27:54 | 登山
図らずも別の山に行ってしまいそうになりながら、
下山を始めたパーティー4人。

しばらく歩くと天候も落ち着いてきた。

山頂は相変わらずガスがかかっていて
最後まで槍の穂先を目にすることはできなかったものの、
くだりで余裕が出てくると
北アルプスの山々が視界に迫ってくる。

かなりのレベルで辛かったけど
山でのこの感覚があるからまた登ってしまうんだ。

位置エネルギーに背中を押され、
なんとか日のでてるうちに山小屋に到着。

翌朝も雨の中梓川の流れと共に観光客で賑わう上高地へ。

上高地の観光客、みなさん楽しそうですね。
景色いいしね。空気も水もきれいだし。

ただね、
売店で肉まんを買おうとしてレジに並んでたら
疲労の極限に達してる登山者の前に横入りをしたおばさん、



大正池に沈めちゃうぞー (はーと)




まぁ待ちますけどね。大人だから。

上高地から再びバスに乗り込み
今回の登山なんとか終了。

***今回の反省***********************************

全体として標準的なルート設定ではあったものの、
二日目の往復10時間の登り下りは辛かった。
特に天候のくずれやすい山頂へのアタックが
ワンチャンスだと、今回みたいにちょっと残念な結果に
なりやすいかも。

************************************************

非常に過酷な行程ではあったけど
「プライスレス」な感動はありました。

結局山頂での証拠写真撮影もないまま下山となってしまい
『槍ヶ岳制覇』と言うためには
もう一度登らないといけないのか…

こういう時に山好きの人は
「山が『また来い』って言ってるんだよ」
などと言いますが、登りなおすのは、

「今回登った山頂手前の山小屋から」

でお願いします。

槍⑥ ~腰、危機一髪 編~

2004-08-09 14:08:00 | 登山
*****ここまで******

山頂を諦め、下山を決意する腰一行。
相変わらず風は強いし、ガスで視界も悪いけど、
重力はこっちの味方だ!目指せ、中腹の山小屋!!

******************

中腹の山小屋を目指し、黙々と登山道を降りる4人。
足を動かし始めた途端、
乳酸が飽和状態であることを体が通知し始めます。

3000メートルレベル特有の岩肌を進むと
かなりやばい感じの崖エリアが登場。

んー、生と死の境目が見えますね!

酸素も薄いし思考能力は平地の3割引。
そんな頭にもふとした疑問が。


「そういえば、登ってきた時はこんな道なかったけど…」


ホントにこの道でいいのか?

しかし間違いを認めて戻るとなると
今下りてきた分の標高差を、また登ることになるのでは?

登りで来た道とは違うけど、
一応登山道ではあるし(しるしがある)
結局同じと頃に下りていくんじゃない?(根拠なし)

様々な葛藤が4人の心を駆け巡るが、
ここは戻ることを選択。

戻りの道は一転して敵となった重力が大腿筋に襲い掛かる。
「後は下りるだけだ」と安心しきっていた体に
クリティカルなダメージが積み重なっていく。

しばらく戻ると風の具合で一瞬視界が晴れた。
すると、そこには登ってきた時に通った登山道が。

やっぱり間違えてたんだね。

あー良かった、良かった。

5分ほど道を戻ると分かれ道にはご丁寧に立て札が立っている。
間違えたまま進むと、別の山頂に行ってしまうところでした。

てゆーか、立て札立ってるのに、
誰一人として気付かないって、どゆこと?

まぁガスで視界は悪いし、視線は足元だけど。

他の登山者がいなくなって、
視界が悪くなると、いとも簡単に道に迷ってしまうことを
身をもって体験。
山の怖さを命がけで学びつつ、槍⑦に続く。

槍⑤ ~遥かなる山頂編~

2004-07-30 19:31:20 | 登山
***ここまで*******************************
激しい雨と風の中、体中からの
「もう限界」信号を無視し、
ただ足を動かすことでやっと標高3080メートルの
山小屋に到着。
3180メートルの山頂は目の前(のはず)!
*****************************************

あまりの悪天候に山小屋は風雨を避ける登山者で大混雑。
スペースを見つけてリュックを下ろし、
とりあえずお昼ご飯です。

一応おにぎりを用意してきたものの
完全に冷え切った体を温めるべく
山小屋のカレーを食べました。

食後何度か外の様子を伺うも、
ガスで数百メートルさきにあるはずの山頂が
全然見えない。

槍の山頂ははしごを伝って登る険しいルート。
ここまで来て山頂にたどり着くことなく降りるのか!?
山頂への未練は残るものの風の強さが半端じゃないし、
周りの登山者も「今日は無理だねー」とか言っているし。

槍に登る人の多くは、
この山頂近くの山小屋で一泊するという行程なのです。
翌日の下山までにコンディションが好転するのを待って
山頂にアタックという選択肢がある人は
とりあえず小屋でゆっくり、ですが
私たちは日のうちに山頂まで行った後に
中腹の小屋まで戻る予定。

明るいうちに小屋に戻るためには
そろそろ決断を…

てゆーか、無理。文字通り死んじゃうから。

山頂到達はおろか、未だ山頂の姿すら拝めぬまま
4人は下山を開始したのでした。

槍⑥に続く。

槍④ ~死闘編~

2004-07-28 12:35:20 | 登山
***ここまで******************************

2日目出発から2時間程経過。
標高2200メートル地点。
未だ900メートル近くの登りを残し
既にいっぱいいっぱいな状態。

2日目のうちに山頂まで登って、
もとの山小屋まで戻る予定を考えると
後3時間で山頂までたどりつかないと厳しい…
果たしてこの体調で踏破できるのか?

*****************************************

天気は相変わらずで山頂にはガスがかかり、
まだ一度も槍の姿は見えません。
目の前に立ちはだかる山の姿に
一瞬疲れを忘れ見入ってしまいますが、
この近辺で一番高いところに行こうとしてるので、
目線より高い場所がある限り登り続けなければなりません。

だいたいこの辺から思考が麻痺してきます。
疲れすぎで。

黙々と足を前に運ぶだけ。

そのうち風もだんだん強くなってきて、
これがまた強敵。

ちょうど森林限界を超え始めて風を遮る木がなくなってるのに加えて
谷状になってるところを登っていくので
吹き降ろす風直撃です。

前に進もうとして足を上げた瞬間に風が吹くと
ホント危険。
谷側に転んだらはるか下の沢まで
ノンストップで落ちて行くんだろうな...
既に体力なくなってて踏ん張り効かないし。
割と真剣に命がけで岩にしがみつく感じです。

そんな状況の中、信じられない光景が。
上からね、人を背負って降りてくる人がいるんですわ。
背負われてる人はまぁ捻挫かなんかしたんでしょうな。
下りとは言え、強風の中70キロくらいの人間を背中に。

人間鍛え上げれば強くなるものですね。

でも、人それぞれ限界があるので
私は命かかっても無理。

残り標高500メートルくらいからは
雨も強くなってきて、
とっくに限界を超えてる疲労にとどめを加えます。
この辺になってくると前を歩いてる人に合わせて足動かすだけね。
ちょっとボーっとしてると
前の人のリュックに頭当たりそうになったりして。

時折岩に書いてある山小屋までの
残りの距離のカウントダウンだけを心の支えに、
11時半頃、
なんとか3000メートル地点の山小屋にたどり着きました。

槍⑤に続く。