月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

234.日泰眷属ネズミ比べ(月刊「祭」2019.11月18号)

2019-11-25 01:52:00 | 民俗・信仰・文化-伝承・信仰-
●タイ(ヒンドゥー教?上座部仏教?)のガネーシャ神とねずみ
 ヒンドゥー教国でもあるタイのバンコクには、人身像頭のガネーシャ神がよくまつられていました。その中で管理人が宿泊したホテルの敷地にあるガネーシャ神の足元には、かんのネズミちゃんたちがいます。
 このサイトによると、退治した悪魔をガネーシャがネズミの姿に変えて、ヴァーハナ・神の乗り物としたと伝わっているそうです。また、なずみは暗い所を象徴することもあるそうです。
 さらにこちらのサイトによると、ガネーシャの別名をヴァーマムカといい、ヴァーマは「北」を象徴するそうです。



↑よく見ると宝物を持ってきていて健気です。↓


●京都大豊神社のこまねずみと祭神
 京都市内の大豊神社(こちら)摂社の大国主神社も狛鼠がその前にいます。大国主命は記紀神話などによると、素戔嗚命に周りに火をつけられるも、ねずみの案内で助かったという伝承が収録されているそうです。








大国主と同じ読みになる「大黒天」もねずみと関係が深く、ネズミが米俵の周りをうろつくデザインの絵画がこのまれるとのことです。このデザインは中国でもこのまれていたそうです。
 中国ではねずみは十二支のうちの「北」をさし、大「黒」天の黒も北を表す色となります。つまり、大黒天が道教や陰陽五行思想によってねずみと結びついて行ったようです。
 インドのほうでもねずみを従えていたガネーシャもまた、北を表す神であるのは興味深いでしょう。

●チベット仏教では。。
 チベット仏教ではマハカーラがガネーシャを調伏した姿で描かれることが多いようです。では、このマハカーラたら神様は何者でしょうか。実はこの神様は大黒天のインド式の名前だそうです。参考
 ネズミを従えると伝わるのは、タイやヒンドゥー教国ではマハ・カーラに調伏されたガネーシャがねずみをつかっていました。
 一方日本や中国では大国主・大黒天・マハ・カーラ自身がねずみをしたがえました。
 そして、日本や中国ではねずみは北の方角を表します。インド・タイなどではガネーシャの別名ヴァーマ(北)・ムカに北の意味を込められていました。北の方から福や宝物を持ちくるものとして、大黒、ガネーシャ、ねずみは良く考えたものだったのかもしれません。

●有名な泥棒の名前
 さて、かの有名な泥棒の次郎吉さん。彼もまた宝物を運びくると伝わる「ねずみ」の名が欲しかったのかもしれません。ねずみ小僧次郎吉の墓が兵庫県三木市慈眼寺(アクセス)にも残っています。
 



↑三木市の慈眼寺にのこるねずみ小僧次郎吉の墓。下にねずみがいます。(アクセス)



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