月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

樟葉(くずは)、その地名の起源・クソハカマ

2005-11-14 22:27:12 | 民俗・信仰・文化
 我々が普段使っている地名には、色々な物語や伝説が秘められていることがよくあります。
 ここでは古事記に記されてる、ちょっと変わった(汚い??)けど、素敵な地名の語源説話を紹介します。

 大阪府枚方市の「樟葉」。この語源は「(--;」です。 
 その起源は第十代の天皇である、崇神天皇の時代にまでさかのぼるとされています。では、その起源とやらを見てみましょう。 
 
 この天皇に対して、タケハニヤス王という崇神天皇の叔父が叛乱を起こしました。天皇は、叔父オホビコ命(みこと)を大将として、副将としてはヒコクニブク命を叛乱の征伐に向かわせました。
 
 ヒコクニブク命は、山城のイズミの地(現在の京都府木津市あたり)でタケハニヤス王にまず矢を射させましたが、その矢は当たりませんでした。
 ヒコクニブク命はタケハニヤス王に矢を射返したところ、見事命中、タケハニヤス王は死んでしまいました。
 
 王が死に、反乱軍はちりぢりに逃げ惑いました。その軍勢を追い詰めて、葛葉の地にいたります。その頃には、みな責め苦しめられて、糞をもらして褌(はかま)にかかるほどだったそうです。

 その頃から、この地を糞褌(くそはかま)と呼ばれ、それがなまって久須婆(くずは)と呼ぶようになりました。それがやがて、葛葉や樟葉の字に変わっていったということです。

 では、このような語源の地名が、何故延々と使われていたのでしょうか?
 確かに、日本書紀や古事記でも糞などは一応汚いものとして扱われる節もあるようです。しかし、農産物の肥料として糞は非常に重要なものであるという事実があります。水田が広がる木津川一帯のこの地も例外ではありません。だからこそ、糞褌(くそはかま)が語源の地名が使われ続けたともいえるのでしょう。
 
 樟葉という地名は、ただ、その語源がユーモラスなだけではないようです。「本当に大切なもの」をしっかり見据えたからこそ使われ続けてきた、本当に素敵な地名ということがいえるのです。
 

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