サバイバー日記

炎症性乳がんと告知されて6年間。多発転移しつつ、生きたサバイバーな日々の記録と家族の日記です。

さるのこしかけ

2007年11月09日 | 図書ボランティア
今日は久しぶりの3年生の朝読みの日。
張り切って何冊かの本を持って行った。

天気も良く、グランドで遊んでいる子どもたちは
始業時間ぎりぎりで入ってきた。
私は、この秋の季節、本をゆっくり読むのは好きだ。
だから、子どもたちにもたくさん本を読んで欲しいと思っている。

このクラスは、以前に「どんぐりと山ねこ」「セロひきのゴーシュ」
を読んだとボランティアの方が書き込むクラスのノートに書いてあった。

では…と、

「宮沢賢治の本を読んだのを憶えてるかな~?」
「どんぐり…と、楽器のやつ…。」
「そうそう!!」
子どもたち、ちゃんと憶えていました
えらい!えらい!
さるのこしかけ―宮沢賢治名作絵本
宮沢 賢治,さいとう よしみ
小学館

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を読んだ。
この本は宮沢賢治のストーリーそのものもおもしろいのだが、
さいとうよしみさんの絵も迫力があってひきこまれる絵本だ。

でも…。
読み始めから、嫌な予感がしていた。
女の子のグループが固まって何かをしている。
私はクラスに入っていく時、「おはよう!」と
元気よく入っていくのだが、その時から完全に無視されていた。

何度かその子たちを見て、他の子のじゃまにならないように
声に出さず、目で合図した。
(真剣に読んでいる、他の子のじゃましないでね。)

それでも、だんだんと話し声は大きくなっていくものだ。
ついにその子たちの声で私の声がさえぎられるように
なろうとしていた。

「悪いけど、本を読むのをじゃまするのだったら、
教室から出て行ってくれないかな?」
(あぁ~、やっちゃった。)
(じゃましないでね。他の子が迷惑するでしょ!
くらいで良かったのに…。)

私は、子どもたちを注意する時は、努めて明るく、
本を読む楽しさをじゃましないようにしていた。
でも、私の顔がかなりひきつっていたようだった。
真剣に本に入り込んでいる他の子ども達も凍りついてしまった。



こうなると読みやすくはなるのだが、
なんだか私が子どもたちを脅かしたみたいになる。
(このおばちゃん、怖いんだ~。気をつけようっと、
と子どもたちの顔が言っている。)
なんだか子どもたちが緊張しているのがわかる。

うぅ…。自己嫌悪…。
こんな日は、やけに空の青さが悲しいのだった。クスン