実家のお仏壇は、戦前からのもの。
戦争中には空襲の合間に、お仏壇と私も一緒にリヤカーに積んで田舎へ疎開したのだと
時々母から聞かされました。
そのお仏壇のお灯明は昔ながらの「菜種油」で灯すあかりです。
お仏壇の天井からつるした輪灯の油皿に菜種油を入れて芯を浸し火をつけると
炎の中心は白く、まわりはぼーっと柔らかいオレンジ色で意外に明るい。
昔の人はこの灯りひとつで縫物や夜なべ仕事をしていたのでしょう。
我が家のお仏壇は電気で「パチッ」とスイッチ一つで灯ります。
火を使わないので安全、簡単。しかし、ただ明るいだけ。
燭台だけはロウソクに灯をともし、炎と線香の揺らめきに気持ちが安らぐ気がします。
植物油の和蝋燭、重油から精製されたパラフィンの洋ロウソク。
芯の材質の違いか気のせいか、和蝋燭の炎は暖かく感じ芯近くの紫がかった色が
美しく思えます。それに煤も少ない。
もう少したって、私の身体が思うにまかせなくなると火を使うロウソクも線香も危険になる
かもしれないなぁ…まだ、良さそうだけど……など…と思いながら灯をともしています。
つい最近、和ろうそくと洋ろうそくの原料や製法の違いを知りました。
そして、和ろうそくの炎の美しさ、揺らぎに納得。
お盆ももう終わりですが、今年はかなり残暑が厳しそう。
どうかご自愛を。
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伝統の文化と便利、安全とのバランス、
昔より密閉された部屋で灯をともすと煙、臭いが残りなかなか・・・難しい事です。
開け放して暮らした昔には戻れないし。