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あきオジの風景

写真、そして、俳句(もどき)
毎日更新しています。

せめて辞世の句ぐらい残したい。

2009-09-06 16:44:40 | 日記
深大寺のコスモス

もう、コスモスの季節ですね。

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今日の辞世の歌

露と落ち 露と消えにし わが命 難波のことも 夢のまた夢

辞世の句は古歌を真似て作られたものもあったり、本人が作らず、周囲の人が作ったことも多かったという説があります。この和歌は豊臣秀吉の作として有名ですが、そうではないという説もあるそうです。でも、そんなことはどんなことはどうでもよくて、この歌だけでもよくできていますね。 
こんな歌も守備範囲にすると無限大になりますが
それもいいでしょう。

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今日の方代さん

茶碗の底に梅干の種二つ並びおるああこれが愛というものだ

柚子の実がさんさんと地を打って落ちたそれだけのことなのよ

空の徳利に盃をふせて遠くからながめていると夜が明けてゆく

方代さんの作品は平明で分かりやすいと思って読むと、裏切られる。ストレートに詠っているようだけれど、違う。推敲に推敲を重ねて最初とは違ってしまうのだそうです。一度作ったものを再構成しているのですね。

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今日の啄木

人間のつかはぬ言葉
ひょっとして
われのみ知れるごとく思ふ日

どの歌をひっぱりだしても
自分だけの世界にいる
扉を閉じて
自分の世界にいるから
自分のことばでしか通じなくなる。
それでいいと思う人もまた
啄木の世界には入れない。
不思議空間ですね。

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今日の放哉

茄子もいできてぎしぎし洗う

この「ぎしぎし」が放哉のこだわりを断ち切ろうとする思いなのでしょう。
この「ぎしぎし」を専門家に解説してもらいたい気もしますが
自分勝手がよろしいようです。

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今日の一茶

鬼灯を取ってつぶすやせなかの子

この切り取り方が俳句の世界なのでしょうが
趣向の面白さと気持ちよさはありますが、「しみじみ」は見えてきません。
紙一重の世界なのですね。「名作だ作、どっちもどっち」
そんな感じかな。