千代の日記

鬱病を抱えたお師匠さんの奮闘記 (千代の会のHPはhttp://www.chiyonokai.com//)

籠釣瓶とすととん節

2010年05月30日 | アート・文化

富士松延千代のホームページ http://www8.ocn.ne.jp/~hirake58/

♪ストトン ストトンと通わせて、今更嫌とは胴欲な

嫌なら嫌だと最初から 言えばストトンで通やせぬ

ストトン ストトン♪

歌詞から想像するに、水商売の綺麗なお姉さんを何とかモノにしようとして、通いつめて、散々入れあげた結果、振られた男が「そんなら、そうと、早く言ってよ。そしたらお店に通ったりしないのに・・・」とぼやいている姿を想像できる。

何の関係も無いのだけれど、新内の「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのよいざめ)」を聴くといつも、大正時代の俗曲 ストトン節を思い出す。

籠釣瓶の場合は、佐野の治郎左衛門が入れあげた相手八橋は、遊女だから、一応「モノ」にはしているけれど、「自分の女」ではない。身請けをして自分の女にしようとして、思いっきり振られる(色々訳はあるのだけれども)

そこで、治郎左衛門が、「嫌なら嫌で何故、初手から言うてくれぬ」と八橋を責める。しかし、気持ちはわかるけれど、遊女はお客に「貴方だけ好きよ」と恋人を演じるのが吉原の習いなら、勝手に散々入れあげたからといって、身請けを断るのが悪いとは言えないでしょう。

このあと、満座の中で恥をかかされた治郎左衛門が、八橋および周辺の人々を惨殺するという事件がおきるのだけれど・・・それはさておき、、、、治郎左衛門も、ストトンストトンと、ぼやく余裕がほしかったね