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星や旅などの話題を「ひらい」が札幌から発信。2010年開設。2022年7月にteacupからgooへ引越しました。

古い書籍を探した後の花見

2023-05-31 06:00:00 | 札幌市天文台
 古い天体暦を見て調べたいことがあり、札幌市天文台を訪問してきました。

 札幌市天文台では、天体暦のひとつである「ロシア暦」が毎年購入され、開台した1958年以降1980年ごろまでの数十冊が保管されていたはずですが、書棚に見当たりませんでした。
 天文台の管理は1981年から札幌市青少年科学館が行なっていますので、科学館の書庫を以前に見せてもらったことがあります。科学館でも「ロシア暦」が見当たらず、どうやら廃棄されてしまったようです。残念。

 天体暦というのは、GPS装置などが発明される以前は天体の位置を測ることで航海の経路を確かめるための必携書籍でした。海洋国家であれば国が威信を持って編纂発行し、日本では海上保安庁が2010年まで発行していました。太陽や惑星の毎日の位置など(動きが速い月に限っては1時間毎の位置など)が精密に計算され、数値の一覧表だけが掲載された数百ページの分厚い書籍です。
 代表的な天体暦として、フランス暦(1679年に初版)、イギリス暦(1767年に初版)、ドイツ暦(1776年に初版)、アメリカ暦(1855年に初版)、日本=天体位置表(1942年に初版)、ロシア暦などが発行されていました。詳しくは、「天体暦」でサイト検索してみてください。

 なぜ、札幌市天文台で日本や欧米の天体暦ではなくロシア暦を毎年購入していたのか不思議ですよね。
 私の推測ですが、その理由として、①ソビエト連邦(ロシアも含む)の書籍を扱うナウカ社の取次店(支店?)が1950年代から札幌市の北海道大学の近くにあったこと ②ロシア暦が比較的安価だったこと ③1958年の開台時から天文台技師だった林耕輔さんの北海道大学農学部在籍時における第二外国語がロシア語だったこと が挙げられると思います。

 探していた書籍はありませんでしたが、せっかく天文台に来たので望遠鏡の外観を撮影させてもらいました。
 日中は10時から12時まで、14時から16時まで太陽・金星・明るい恒星などをスタッフが手動導入し、観客にお見せしています。入場は無料で予約不要です。

 望遠鏡の説明看板に「口径比 F12」とか「ドイツ式赤道儀」というやや専門的な字句が説明なしで書かれているので、どうせなら天文マニアさん向けに「口径20cmアポクロマート対物レンズ」という字句も入れておくのはいかがでしょう。ちょっと専門的すぎますかね。
 なお、夜間の公開もありますが、コロナ禍が続いている2023年5月の現時点では完全予約制が継続されています。

 天文台からの帰り道、中島公園内にはライラック(リラ)と遅咲きの桜が咲いていました。


 ライラックです。とてもいい香りがします。5月17日(水)に撮影。


 天文台がある岡田山の裾野に咲いていた遅咲きの桜です。
 5月17日の時点だと、自宅の近隣の桜はすでに散ってしまっているので、桜とライラックの競演が見られるとは思っていませんでした。

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