ひなが忙しくしている間。
彼からの着信が何度もあった。それは、おびただしい数だった。
気がついて、驚いて。
かけなおした電話は、すぐに切れて。
でもすぐにかかってきた電話は。
「ごめん、ごめん。おねぇ?」という、いつもの彼の声。
「なんかあった?何回も電話もらったみたいで。」
ひなの声に、少し黙った彼が、ゆっくりと言った。
「俺、会社辞めるわ。」
それは、ひなの思考回路を止めるには、充分すぎる言葉だった。
彼は、ひなの後輩。
後輩だけど、3コ年上で。(ひなが高卒、彼が大卒だから☆)
入社当時は、ひなのことを、「高卒の癖に!!」と馬鹿にして。
ひなの出した検査結果を信用しないで、大喧嘩(ひなは水質検査員ね。)。
とにかく衝突ばっかりして、何度も何度も喧嘩して、いがみ合って。
それでも、向き合うことをやめなかった☆
そんな感じで何年も一緒に働いて。
気づいた時には、なんでも話せる関係になっていたの。
彼は、例えばどんなに偉い人にでも、自分が違うと思えば、それを言ってしまうような人。
鋭い目線と感性で。敵も味方も作る人。
そんな彼が弱さを見せるのが、ひなの前だったの。
ひなは、彼が話すいろいろなこと。
愚痴も、いい話も、悪い話も、ひなには全部話すから。
ひなはそれを、時には黙って、時には一緒に考えて。聞いていたの。
ひなは、一緒に考えることで成長し、
彼が話すひとつひとつのことに、向き合うことで、大きくなれたと思う。
そんな彼が、1人区(1人しかいない事務所)に転勤になったのが5月。
「おねぇ、こっちに来る??」
とか、時々、電話をかけてきてて。「お前の机、置けるぞ。」とか言って(笑)
そんな彼が。急に辞める。
しかも、辞表は揉めた末、受理されてるという。
ひなは、驚きのあまり。
全ての思考が閉じて。電話を切った後、眠ってしまった。
次の日、会社にいったひなにメールが届いていた。
件名は「お礼」。
開けるのは、正直怖かった。開くと。お礼や感謝の言葉。そして。
辞める最大の理由は、会社との価値観の違いです。
いままでも、感じていたけれど、あなたに話すことで軽くなってたから
辞めるという決断まで行き着かなかったんだろうな。
こんな性格で、あなたにもいろいろ嫌な思いさせたと思うけど、
いつも話を聞いてくれて。だから今まではもっていたんだろう。
こっちにきて。ほんとにそれを思う。
入社したすぐ後から、あなたにはなんでも言いっぱなしで。
ありがとう。
ちなみに。
お前のショックが仕事に影響でないように考えて土日に電話した。
急にごめんな。
噂で聞かせるより、自分で言いたかったからさ。
ひなは泣いた。
ありがとうは、ひなの言う台詞だし。ひなはただ話を聞いていただけで。
そんなことがあって。
ひなは彼について考えることが多くなって。
思えば彼には、音楽がなかったな、とか思い出してきて。
音のない彼がひなに与えた影響はあまりにも大きくて。
恋とか愛とかじゃなく。ひなは彼が好きだったし。
なによりも、尊敬に値するなにかを彼は持っていて。
強いカリスマ性は。いろんなものを引き寄せたけど、いろんなことあったけれど。
ひなは彼に会えてよかったと思う。
そして、彼が唯一、ひなに歌った「俺の 俺の話をきけぇぇ」(爆)
俺様な彼。
そんなこと歌われなくっても(笑)いつでもちゃんと聞いてるってば☆
彼からの着信が何度もあった。それは、おびただしい数だった。
気がついて、驚いて。
かけなおした電話は、すぐに切れて。
でもすぐにかかってきた電話は。
「ごめん、ごめん。おねぇ?」という、いつもの彼の声。
「なんかあった?何回も電話もらったみたいで。」
ひなの声に、少し黙った彼が、ゆっくりと言った。
「俺、会社辞めるわ。」
それは、ひなの思考回路を止めるには、充分すぎる言葉だった。
彼は、ひなの後輩。
後輩だけど、3コ年上で。(ひなが高卒、彼が大卒だから☆)
入社当時は、ひなのことを、「高卒の癖に!!」と馬鹿にして。
ひなの出した検査結果を信用しないで、大喧嘩(ひなは水質検査員ね。)。
とにかく衝突ばっかりして、何度も何度も喧嘩して、いがみ合って。
それでも、向き合うことをやめなかった☆
そんな感じで何年も一緒に働いて。
気づいた時には、なんでも話せる関係になっていたの。
彼は、例えばどんなに偉い人にでも、自分が違うと思えば、それを言ってしまうような人。
鋭い目線と感性で。敵も味方も作る人。
そんな彼が弱さを見せるのが、ひなの前だったの。
ひなは、彼が話すいろいろなこと。
愚痴も、いい話も、悪い話も、ひなには全部話すから。
ひなはそれを、時には黙って、時には一緒に考えて。聞いていたの。
ひなは、一緒に考えることで成長し、
彼が話すひとつひとつのことに、向き合うことで、大きくなれたと思う。
そんな彼が、1人区(1人しかいない事務所)に転勤になったのが5月。
「おねぇ、こっちに来る??」
とか、時々、電話をかけてきてて。「お前の机、置けるぞ。」とか言って(笑)
そんな彼が。急に辞める。
しかも、辞表は揉めた末、受理されてるという。
ひなは、驚きのあまり。
全ての思考が閉じて。電話を切った後、眠ってしまった。
次の日、会社にいったひなにメールが届いていた。
件名は「お礼」。
開けるのは、正直怖かった。開くと。お礼や感謝の言葉。そして。
辞める最大の理由は、会社との価値観の違いです。
いままでも、感じていたけれど、あなたに話すことで軽くなってたから
辞めるという決断まで行き着かなかったんだろうな。
こんな性格で、あなたにもいろいろ嫌な思いさせたと思うけど、
いつも話を聞いてくれて。だから今まではもっていたんだろう。
こっちにきて。ほんとにそれを思う。
入社したすぐ後から、あなたにはなんでも言いっぱなしで。
ありがとう。
ちなみに。
お前のショックが仕事に影響でないように考えて土日に電話した。
急にごめんな。
噂で聞かせるより、自分で言いたかったからさ。
ひなは泣いた。
ありがとうは、ひなの言う台詞だし。ひなはただ話を聞いていただけで。
そんなことがあって。
ひなは彼について考えることが多くなって。
思えば彼には、音楽がなかったな、とか思い出してきて。
音のない彼がひなに与えた影響はあまりにも大きくて。
恋とか愛とかじゃなく。ひなは彼が好きだったし。
なによりも、尊敬に値するなにかを彼は持っていて。
強いカリスマ性は。いろんなものを引き寄せたけど、いろんなことあったけれど。
ひなは彼に会えてよかったと思う。
そして、彼が唯一、ひなに歌った「俺の 俺の話をきけぇぇ」(爆)
俺様な彼。
そんなこと歌われなくっても(笑)いつでもちゃんと聞いてるってば☆