ひぐらしの思い出

17年続くライフログ。
2020年2月から2022年12月まで毎日日記を書いていました。

スラムダンク

2009-12-08 15:31:16 | 本・漫画・アニメ
言わずと知れた、スポーツ漫画の金字塔「SLAM DANK」。

ちょっと前に全巻読破しました。が、なかなか感想書けなくてほっときました。
もうこうゆう漫画はどーゆう感想言っていいのか分かんないんだよー。

ジャンプ連載時に夢中になって読んでました。毎週毎週ジャンプ発売日が待ち遠しかったあの頃…間違いなくジャンプの黄金期を支えた作品ですよね。

今回一気に読んでみて改めて驚いたのが、この作品の中で流れる時間の濃密さ。
全276話、単行本全31巻、完全版全24巻のボリュームなのに、作品世界では主人公「桜木花道」一年生のまんま。1年も経っていないという。おそろしく詳細な試合内容の描写によるものなんだろうけど、連載読んでる時はなぜかそのおそろしさに気が付いてなかった。

不良学生がバスケットボールに目覚め練習や試合を繰り返す中で成長してゆく、間違いなく青春まっただ中な漫画なんだけど、スラムダンクの凄さって、そのバスケットボールに対する作者の姿勢なんだよね。
最初は半分ギャグみたいな話だったのにどんどん真面目に、むしろ泣ける漫画になってゆく過程(筋肉マンとかもそうだけど)と、バスケ初心者の主人公と一緒に読者もどんどんバスケというスポーツの面白さに引き込まれてゆく過程がリンクして、この漫画ちゃんと読んでるだけでバスケットに関してはそこそこの知識を持てるんじゃないの?って思うわけです。だって、すごいちゃんと描いてるんだもん。

試合中の、本当に「一瞬」っていう時間を何コマも使って描くその根性と、それなのに試合風景のスピードが全く落ちないあの技術は、井上先生の努力と才能がぶわーっと開花していくのと共に本当に作品を感動的に芸術的に盛り上げているよね。
「バガボンド」にもそれは受け継がれていて、本当に「一瞬」という空間を漫画で読ませることが出来るのって井上先生だけなんじゃないだろうか、って思う。

以前NHKの番組(「プロフェッショナル」かな)で井上先生の特集がやってたの見たけど、それはそれは命をかけて漫画を描いている。語弊があるかもしれないけど私本当にそう思った。こういう人がこういう風に描いてるんだなぁって納得した。テレビ見てすんごい疲れたもん。

連載終了から何年もたっても大人気の漫画だからいまさら私が言うようなことじゃないんだろうけど、もしもまだ未読の方がいたらぜひ全巻読んでみてほしい。
スポーツ漫画という枠(そんな枠あんのか知らないけど)を超えて、漫画がまるで映像のように、そして映像よりも濃密に時間を描くことが出来るんだということを体感できると思います。はい。

だいたい私、漫画の感想言うのにすごい偉そうなんだよね。
なんなんだろうホント…すいません。

「SLAM DUNK」 井上雄彦