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情報科授業研究

一般にはなじみの少ない高等学校普通教科「情報」の教育実践・教材研究について紹介します!

待ち行列の調査

2005-12-16 | 情報科・授業
2学年選択「情報B」の2学期の前半で、待ち行列について学習しました。そのまとめとして実際の待ち行列を観察し、待ち行列をシミュレーションをおこない、レポートを作成させました。校外で調査をさせるのは初めての取り組みだったので生徒たちがどの程度取り組んでくれるのか不安がありましたが、予想以上によく取り組んでくれました。待ち行列を調査する場所は指定しなかったのですが、渋谷駅の人気のシュークリーム屋や地元のスーパーのレジにできる待ち行列を観察した生徒もいました。中には地元の幼稚園で年1回おこなわれるバザーでの待ち行列を観察した生徒もいました。調査目的もはっきりしていて、よく書けたレポートでした。

この課題から以下のような点に気づいた生徒がいました。
  1. 駅の券売機
    • 路線図を見て料金を調べてから買わなくてはいけないので時間がかかる。販売機を音声認識にするという意見や、Suicaとパスネットを普及させるという意見があった。
    • 年齢によって切符を買うまでにかかる時間が違う。
  2. シュークリーム屋
    • 店員によってできあがるまでの時間が大幅に違うことに気づいた。アルバイトなので仕方がないが、ある程度訓練してから店頭に立ったほうがよいという意見があった。
  3. シミュレーション方法に対する疑問
    • 実際の調査とシミュレーション結果が異なること。
3の疑問については、モデルに問題があったためにシミュレーション結果が妥当とは言えない場合があることを補足説明しました。生徒自身がいろいろなことに気づいてくれたことで、やってよかったなぁと思うと同時に本当に能力のある子たちだなぁと思いました。
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2学期第9週 : IP構成の確認

2005-11-24 | 情報科・授業
DOSコマンドを用いてIP構成を確認し、普通教室における授業で勉強してきた通信プロトコルやパケット交換のしくみを復習することが目的です。授業の流れは以下の通りです。
  1. ipconfigコマンドの利用
    • 生徒自身が利用しているパソコンにもIPアドレスが振られていることを確認する。隣の生徒とIPアドレスを比較することにより、IPアドレスが個別のものであることを再認識する。
    • コンピュータ名とドメイン名を調べる。
    • Default GatewayとDNSサーバのIPアドレスを調べる。
  2. routeコマンド
  3. nslookupコマンド
    • DNSの名前解決を実体験する。
    • IPアドレスでWEBサーバにアクセスし、IPアドレスとドメイン名が同じ役割を担っていることを再認識する。
  4. pingコマンド
  5. tracerouteコマンド
内容が多すぎて、全部を説明し、生徒にやってもらうのは困難でした。2のrouteコマンドはクライアントパソコンでやってもおもしろい結果が得られないので、ルーティングプロトコルと経路表を確認させるために何かいい方法がないものでしょうか?
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2学期第9週 : IPアドレスとドメイン名

2005-11-18 | 情報科・授業
IPアドレスとドメイン名がともにコンピュータの場所をあらわす(識別する)ためのものであり、このように2つが存在する理由を理解することを目的として、普通教室で授業をおこないました。授業の流れは以下の通りです。
  1. IPアドレスが32ビットの情報であること
  2. IPアドレスの10進表記
  3. ドメイン名の必要な理由
  4. ドメイン名の例
  5. ドメイン名の階層構造
  6. DNS
IPアドレスでもWEBサイトを参照できることに驚いた生徒もいたり、2つの識別子(IPアドレスとドメイン名)が存在する必然性の説明として携帯電話での電話番号の管理を取り上げたところ、例がうまいねと感心してくれる生徒もいたり、楽しかったです。できればパソコン室ですぐにこれらのことを確認できるといいのですが、普通教室で授業をする時間だったのでできませんでした。次回パソコン室で授業をおこなうときに生徒に実体験してもらう予定です。
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2学期第8週 : 光の通信技術

2005-11-17 | 情報科・授業
3週間にわたってパソコン教室でおこなってきた光通信技術のまとめとして、今日は「光の通信技術」(『やさしい光技術』光産業技術振興協会)というビデオ教材を中心にして授業をおこないました。

前回の実験で生徒の中には光ファイバの構造について疑問を持ったものもいました。ビデオの中に全反射の様子を説明する場面があるのですが、実際に教室でやってみたほうが分かりやすかったかもしれません。現物の通信用光ファイバがあるといいですねとは昨年の公開授業で指摘されていたのですが、今年も準備できませんでした。
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物体の運動

2005-11-12 | 情報科・授業
今日は学校説明会でした。授業、学年会、ホームルーム、クラブ活動となかなか授業研究の時間がありませんでした。土曜日で空いている通勤電車の中で公開鍵暗号のアルゴリズムを頭の中にインプットし、空き時間を見つけてコーディングしました。公開指数を求めるために「ユークリッドの互除法」のアルゴリズムが利用されています。学校で習った数学がいろいろなところで利用されているのですね。数学を嫌いな子どもが目立ちますが、数学はやはり大事です。

2年生の「情報」の授業では、物体の運動をシミュレーションしました。Excelのワークシートに物体のx, y座標を入れるセルを用意し、その座標を元にグラフを作成します。グラフといっても点が一つあるだけです。このグラフ上の一点を物体とみなし、VBAを用いて動かしました。グラフの軸メモリを自動にしているとおかしなことになってしまいます。いろいろな発見がありなかなか興味深かったです。
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2学期第8週 : 通信プロトコル

2005-11-10 | 情報科・授業
普通教室での授業では、ルーティング情報の管理やパケット交換の演習を2週にわたり、勉強してきました。今日は教科書で通信プロトコルについてまとめました。「難しかった」という生徒の意見がありました。授業の流れが、IPアドレスの説明 → パケット交換演習 → ルーティングの説明 → ルーティング情報の管理の演習 というように進んだほうが良かったかもしれません。

教科書のルーティングの説明のところに、ルータが「IPアドレスの上位のビットパターンを見て、どちらの方向にパケットを送ればよいかを判断する」(「高等学校情報B」啓林館)という記述があります。いわゆるサブネットマスクというものですが、授業ではここまで詳しくはやりませんでした。前述の3回目の授業でこのことを予備知識として学習しておいたほうが、ルーティングのしくみを理解しやすいのでしょうか。今後の検討課題です。
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2学期第7週 : 光通信実験(2)

2005-11-07 | 情報科・授業
前週の豆電球を用いて音楽を光信号に変える実験を受けて、今週は実際に光通信を生徒に体験してもらいました。実験に利用した教具は「おもしろ通信教材」(桜井技術教材社, 監修・技術教育研究会)です。授業の内容は以下の通りです。
  1. 豆電球をパソコンのヘッドホン端子に接続し、太陽電池でその光を受ける。パソコンから流した音楽が太陽電池に接続したスピーカから聞こえてくる。豆電球と太陽電池の距離を変えてみて、豆電球を用いた通信の問題点に気づかせる。
  2. 豆電球の代わりに赤色レーザー発光モジュール(秋月電子通商)を接続し、演示実験をおこなう。レーザーを用いることで、豆電球よりも遠くに音楽を伝えられる。
  3. 光が直進性を持つことを確認し、障害物があってもより遠くへ光を伝える媒体として光ファイバを通信に利用できることを説明する。実際に実験用のプラスチック製ファイバを利用して1と同様に実験をおこなう。豆電球の代わりにLED、太陽電池の代わりにフォトトランジスタを利用する。
  4. 身近なところでも光通信が利用されていることを知ってもらうために、テレビなどのリモコンを太陽電池に当てて、音を聞いてみる。最近の携帯電話の端末には赤外線機能がついているものがあるので、リモコンアプリを利用する。携帯電話を利用することの利点は、リモコンのメーカーを変えられることである。メーカーが違うと聞こえてくる音も違う。
実際にスピーカから音が聞こえてきて驚いている生徒や興味を持った生徒がいてくれてよかったです。リモコンの赤外線通信の実験の際に、ある生徒が教えてくれたのですが、携帯電話のカメラで赤外線を見られることを初めて知りました。リモコンの発信部に携帯電話のカメラを向けると光が点滅して信号を送っていることがよく分かります。勉強になりました。

以下、生徒の感想です。
  • 光があちこちに広がってしまう豆電球と違って、レーザポインタや光ファイバは、1ヶ所にまっすぐ光が進むから、その分のノイズが入らなくて、元の音がキレイに聞こえてきた。リモコンもそれを利用して、わずかな光を放出し、光を電気に変換してテレビがついたりしてる。すごいすごい!!
  • 光ファイバの実物ははじめてみた。ところで、実際はガラスでできてるっていってましたが、まがるんですか?
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研究授業 - 2学期第7週 : パケット交換(改変)

2005-11-04 | 情報科・授業
3~6時限で1年「情報B」の授業をおこない、最後の6時限目が研究授業でした。研究協議の講師として都立駒場高等学校の天良和男先生に来ていただきました。普通教室でできる体験教材をテーマにした研究で、単元は「パケット交換」でした。授業の流れは以下の通りです。
  1. 「パケット」って何だと思いますか?
  2. packetを辞書で調べよう
  3. パケット交換体験
    1. 生徒にヘッダ用紙を配り、送信元と送信先を記入させる
    2. あらかじめ用意したデータ用紙を配る
    3. ヘッダ用紙とデータ用紙を4等分させ、それぞれ1つずつテープでとめさせる(これをパケットとする)
    4. パケットをすべて回収する。すべての生徒を円状に座らせて、パケットを1つずつ回していく
    5. パケットが自分宛であればその場にとどめ、そうでなければ隣の生徒に渡す。
    6. 受け取ったパケットをヘッダに書かれたパケットのIDを元に組み立てる
  4. パケットの構造の説明
コンピュータ・ネットワークではデータをパケット化して送ることを理解してもらうことが授業の目標だったので、生徒に並んでもらった仮想ネットワークは、現実のコンピュータ・ネットワークとは違い、ループ状のものにしました。これによって作業が単純になり、パケット交換のしくみに焦点が絞れたと思います。また、送信データはあらかじめこちらで用意しておくようにしました。昨晩、WEB上の画像データや英文・日本語のニュースなど、20通り用意して、今朝カラーレーザープリンタで印刷しました。結構時間がかかって、大変な作業でした。

パケットの作成の際には、事務から借りてきたハサミとテープを前の生徒から順番に回しました。テープを手で切れることを知らない生徒が多かったのには驚きました。丁寧に作るクラスもあり、作業にかかる時間はさまざまでした。もう少し多くハサミなどを用意できれば時間を短縮できたと思います。また、自分宛のパケットなのに、次の人に渡してしまって1周してしまったものもありました。思った以上に時間がかかってしまい、パケットの構造の説明まではできたのですが、パケット交換の特徴までは説明できませんでした。

以下、生徒の感想です。
  • ずっとパケットとは違う意味で覚えていたけれど、今日改めて知れてよかったです。こういう作業は意外と好きなので楽しかったです。なるほどと思いました。
  • データだけを「パケット」だと思っていたので、あて先、送信元アドレスも含めた1つ1つの分割されたものだと知って、かなり誤解してたと思った。
  • パケットという言葉がいかに分かっていなかったか分かった。自分は普段どのくらいパケットを使っているかなと思わず気になってしまった。
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2学期第6週 : 光通信実験(1)

2005-10-31 | 情報科・授業
前週の増幅器の実験を受けて、今週は豆電球を用いた光通信の導入にあたる実験をおこないました。実験に利用した教具は「おもしろ通信教材」(桜井技術教材社, 監修・技術教育研究会)です。授業の内容は以下の通りです。
  1. 豆電球を点滅させて音を鳴らす光の点滅で情報を伝える光通信の原理を知る
  2. パソコンで流した音楽をヘッドホン端子につないだ豆電球の点滅に変える
蛍光灯の光を太陽電池にあてると、太陽電池につないだスピーカから音が鳴ります。これは蛍光灯が点滅しているためですが、意外とこのことを知らない生徒が多くいました。パソコンからの音楽によって豆電球が点滅するのを実際に見て驚く生徒もいました。来週はこの豆電球の光を太陽電池で受けて、太陽電池に接続されたスピーカから音楽を聞きます。
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2学期第7週 : パケット交換

2005-10-27 | 情報科・授業
教具を使ったパケット交換の授業を初めて実践しました。授業の流れは以下の通りです。
  1. 「パケット」とは?
  2. packetを辞書で調べよう
  3. パケット交換体験
    1. 生徒をルータ役とデータの送受信をおこなうコンピュータ役に分ける
    2. コンピュータ役の生徒にヘッダ用紙を配り、送信元を記入させる
    3. コンピュータ役の生徒に白紙のデータ用紙を配り、好きな絵や文章を書かせる
    4. ヘッダ用紙とデータ用紙を4等分し、それぞれ1つずつセロテープでとめる(これをパケットとする)
    5. コンピュータ役の生徒は自分の所属するネットワークのルータ役の生徒に送信パケットを渡す
    6. ルータ役の生徒はあらかじめ用意された経路表を元にパケットの受け渡しをおこなう
    7. コンピュータ役の生徒は受け取ったパケットをヘッダに書かれたパケットのIDを元に組み立てる
  4. まとめ
生徒たちは楽しんで切り貼りをおこなっていました。生徒の感想は「パケット」について少し分かった気がするというものが大半でした。一方で、授業をおこなっていて気づいた課題もありました。
  1. ルーティングをすることで、より現実のコンピュータネットワークに近づけようという狙いが、逆にパケット交換のしくみを理解させたいという授業の狙いをぼかしてしまった。現実のコンピュータネットワークとは少し違っても、パケット交換のみに焦点を絞った方が理解しやすかった。
  2. 送信データを生徒に自由に書かせたるのは時間がかかってしまう。
来週、同じ内容で研究授業をおこなうので、課題を整理して授業を組み立てなおしたいと思います。
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