つまり、見付かり難く、発見された時は、転移してることが多く、治すのは不可能である。抗がん剤で延命して5年生存確率7%とか、当に死に至る病だ。
医療の目的は救命と延命である。その科学が医学である。助かる見込みが無くても患者を死ぬに任せる訳にはいかない。患者も死神に任せたいのなら、医者に掛からない方がよかろう。
それほどに生への執着は強い。DNAにプログラムされてるのだ。死を超越できる人はいるが、極僅かである。
誰を生かすか、死なすか、の決定は神の吟味によるのではなく、神がサイコロを振ってランダムに決めているのだ。神らしく依怙贔屓がないように。
死神と言う言葉がある。アインシュタインは「神はサイコロを振らない」と言ったらしいが、神の行動を人間が限定出来るのか?と反駁されたとか。神は全能であるから、悪魔でもあり得るのだ。従って、妄りに神を求めるは、悪魔を呼び寄せることになるのである。
死の原因は生である。生の結果は死である。例外はない。故に、生は死に至る病であり、絶望である。時より抱く希望は錯覚であり、幻想なのだ。
時々聞こえる患者の呻き声は亡者の阿鼻叫喚にも思えて天国である筈の病棟も実は地獄なのかも知れない。この世はメーヒ゛ウスの帯の如く、天国と地獄が表裏一体なのだ。