奥さん 「今ごろ酒蔵開放だって」
への次郎 「えっ? ほんとだ! 今日までだって、行かなきゃ!!」
JR中央線の瑞浪駅で電車をおりて、とことこ歩いて行くと、土岐川に出ました。対岸には、見覚えのある建物です。
黒壁に「始禄(しろく)」の文字。そうです、桜を見に来た時にあった黒壁の変形5階建ての中島醸造です。
入口にやって来ました。立派な門ですね。その左に、
受付があって、100円券10枚つづりを買い、お酒リストをもらいました。
奥さん 「あっ! もう呑んでいるよ!」
への次郎 「えっ!? まだ、オープン前じゃない!」
中庭のエノキの大木の下、すでに呑み助に占領されていました。
出遅れました。しかたなく大木の下を諦め、建物の軒下に陣取りました。
態勢を整えたあと、歩き回って、発見!
テントの下に、ずらっと並んだお酒。
手前7種類はリキュール、あちら11種類は日本酒。日本酒は、ほとんど純米吟醸で一杯100円。ただし一番向こうの純米大吟醸瑞ノ盞(みずのうき。4号11000円)のみ200円。
さっそく100円券を渡して、純米吟醸あおいとあかね(4号1800円)をいただきました。
銀髪スタッフが口切についでくれて、
「とっとっとっとっ、こぼれるよーっ!」
こぼさないように、ちびちびやりながら陣地に戻って、
「はい、呑み助にカンパ~イ!」
お酒をじっくり味わいながら、持ち込んだ柿の種をぽりぽり。一種類、また一種類と飲んでいきました。同じ純米吟醸でも、味にかなり違いがありましたよ~。
ここでちょっと一服、呑み助たちを観察しました。
この一角の皆さん、味わってますね~。
テーブル右側のお酒、事前予約の六種六杯(500円)です。
こちらさん、ワンテーブルワングループですか? それともここで初合流?
こっちはおつまみがテーブルいっぱいに広がっていました。一つ、ぱくっ!
試飲を再開し、お酒をついでもらったついでに、会場内をちと偵察しました。
こちらはお酒販売コーナー。
こちらの創業は、江戸時代中期の1702年(元祿15年)。当時かから造られているのが始禄。今世紀に入って造られ始めたのが小左衛門(こざえもん)。今は後者が中心のようですね。
こちら、ホットドッグ屋さん。
「一つ、ちょうだい」
話を聞くと、1年後に中島醸造内にカフェ・シロクをオープンするそうです。
柿の種、ホットドッグをあてに純米吟醸を次々と飲んでいき、ついに最後の純米大吟醸。
ついでもらって、口を近づけて呑んでみると、
「ん?」
旨味のある複雑な味。でも、純米吟醸との価格差ほどの違いがあるのかどうか…。
「呑んだなぁ~」
気づくと、陣地の近くに仕込水。
一杯ついで、近くの屏風山から流れてくる伏流水を、ゆっくり胃袋に流し込みました。
「さぁ、帰ろうか」
ゴールデンウィークを〆るにふさわしい春の宴を切り上げ、腰をあげました。
帰り際にもう一度、中庭の大木の下を確認したら、
完全に呑み助の解放区になっていました。
への次郎 「あばよ!! 小左衛門!」
奥さん 「やめてよ! 酔っぱらった?」
老兵二人、お土産に買った4合瓶をぶら下げ、駅までとぼとぼ帰って行きました。