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狼森の粟餅

ほとんど園芸日記です。

着付け師の独り言 7 腰紐

2013年01月21日 17時57分39秒 | 着物
着付けをする上で、一番気を付けることは、衿合わせと、もう一つは腰紐がしっかり締まっているかです。

衿合わせが美しく決まっていると、それだけで仕上がりの印象がぐっと良くなります。
そして、腰紐は着付けの最も重要なポイントの一つで、ここがゆるいと、裾が落ちて大変なことになってしまいます。

着物を着慣れて、自分なりの着こなしを楽しんでいらっしゃる方々でも、この腰紐だけはしっかりと締められています。
逆に、腰紐さえしっかり締めてあれば、着物に慣れて、自分で多少の崩れは直せるのなら、他はかなりゆったり着ても、そう崩れはしないということです。

着物を着ていても、座ったまま立ったままではなく、必ず立ったり座ったりの動作はしなければなりません。
椅子に座るにしろ、畳に座るにしろ、立ったり座ったりする際には、裾を踏んで着物の裾が落ちてしまう危険性があります。
また、歩いていると裾が乱れて開いて来ることもあります。
衿合わせや衣紋の抜き、おはしょりの乱れはある程度直すことはできますが、裾がべろんと落ちたり開いたりすると、非常に直しにくい上に、大変目立ちます。


腰紐は、だいたい5本、帯結びに仮紐を使っても6本あれば足りますが、わたしたちは、その中でも一番条件の良い腰紐を、着物を着る時の腰紐に使います。


滑り具合、締まり具合、体への当たり具合などで、それぞれ個々人のお好みはあると思いますが、普通条件が良いと言われるものは、「ゆるみにくい」「幅の広い」ものになります。


腰紐の素材には、絹、モス、ポリエステル、夏用の麻などがあります。
形状には、平らに幅広に仕立てたもの、ひも状のもの、薄い「きんち」と呼ばれるもがあります。



素材としては、わたしは最初の着付けの学校では、絹の平らなものを薦められました。
滑らかで滑りがよく、きゅっと締まって扱いやすかったです。
欠点としては、お値段が少々高めなこと、生地が薄いので芯を入れて仕立ててあるものが多く、それが邪魔になること、使っているうちに生地が擦り切れたり、汚れても洗えないことなどが挙げられますが、10年以上使い続けて、わたしの腰紐は擦り切れてきましたが、着物を着る度に手をちゃんと清潔にしていれば、擦り切れるより前に洗いたくなるほど汚れることはありません




同じショップの同じページにある、3本税込787円の標準の太さ(幅4cm)のものはリーズナブルですが、できれば幅広タイプのものが使いやすいと思います。
絹の腰紐の良い点は、何よりも滑りの良さで、後で引き抜く仮紐には最適です。
また、モスなどの硬い素材の腰紐は、とても高価な着物を絶対に痛めたくないという方には、避けた方がいいかと思います。
締める時に力を入れますので、絹とモスが摩擦でこすれあう際に、弱い絹の方が負けて、生地が傷んでしまうことがあるからです。
普通の着物を腰紐で着物の生地が擦り切れてしまうほど着込む方はまれだと思いますが、アンティークで生地が弱っているもの、非常に高価な作家ものなどで、絶対に生地に負担をかけたくないという場合は、絹をお薦めします。



着付けの現場で困ることの一つに、腰紐の保管状態が悪く、脱いで紐をほどいて、そのままくるくるっとくくっただけのものに当たることがあります。
そういう腰紐は、細くひも状によれてしまっています。特に、絹の腰紐に多く見られる現象です。

素材にかかわらず、幅の広い腰紐がいいと言われるのは、腰に締めた時に、面積が広い方が、力が分散するので痛くないからです。広い面積で押さえると、ずれにくくなるというのもあります。

なので、手間はかかりますが、ご使用後、腰紐は必ず広げながら、鉢巻を畳むように五角形に畳んで保管することをお薦めします。
そうすれば、いつまでも腰紐を状態良く使用することができるのです。



着付けを習い始めた方が、たいてい薦められるのは、モスの腰紐だと思います。





こちらの写真の手前の白とピンクの二本がモスの腰紐です。
モスは羊毛が原料で、摩擦が強くしっかりと締まります。緩みが禁物の腰紐には、一番良いものです。滑りはよくありませんが、緩んでほしくない場所には最適です。リーズナブルで耐久性も高く、これから揃えるという時には、モスを選ばれれば、間違いないと思います。
上記のものは、4.7mmと他社のものより少々幅が広めで、純毛を保障しているので、なかなか良いと思います。

以前、同じようなお値段で、他店の「モスリン腰紐」というものを購入しました。
とてもお安かったので、本数が足りない時、お客様に差し上げてもかまわないようにと購入したのですが、ロットによるのか、3回目に購入した際、商品を結束してある帯に「モスリン腰紐・ポリエステル100%」と表記されたものがあったのです。
念のため、三角に綴じてある端の部分を引き出して、糸を抜いて燃やしてみたところ、化学繊維独特の、溶けて固まる現象を確認しました。
「モスリン風腰紐」とでも言うべきなのか、風合いはモスリンに近いけど、もっと薄っぺらでそれほど摩擦を感じないものでした。
今回、商品を紹介する為に、楽天の検索で腰紐を検索した時に、同じ商品を何店舗かで見かけましたが、どこも「モスリン腰紐」として販売しており、HPの商品紹介の素材の欄に「モスリン・毛」と書いてありました。非常に紛らわしいと思います。残念ながら、1本100円程度のお手頃な価格帯のものの、半分近くがその製品でした。
なので、商品の写真に写っている帯に「毛100%」「純毛」などの表記があるものをお選びになるよう、お薦めいたします。


耐久性と言う点では、化繊が一番で、絹のように擦り切れないし、滑りはいいし、洗えます。モスのように虫食いの心配も無く、放ったらかしでも、細いひも状になりにくいです。
が、締めた時に、絹はしっかり締まって緩みにくいのに対して、化繊は、緩みやすいのが最大の欠点です。

その、緩みやすいという欠点を解消したのが、次の商品です。




「あづま姿」のブランド品な為か、モスの腰紐に比べると、ちょっとお値段しますね。
わたしが別店舗で買ったピンクのものは、もっとお安く買えたような気がしますが、セールだったのかな?

ブライダルのレンタル衣装にセットされている腰紐は、花嫁の打ち掛けや留袖の場合、この腰紐が多いです。
化繊のぺらぺらした滑りを、シボの多いサッカー生地にしたことで解消し、滑りにくくなっています。しっかり結べて緩みにくく、使いやすいです。


パルプ原料の合成繊維、レーヨンの腰紐もあります。
平たく仕立てたレーヨンの腰紐の中には、かわいい柄のものがあり、わたしも何本か持っています。
滑りはそこそこ良く、締まりますが、くしゃくしゃになると戻りにくく、個人的に使い勝手は良くないと感じました。せっかく平らに仕立てた意味が無いなぁ…と。絹やモスほどしっかり締まった感も無く、よっぽどこの柄の腰紐が使いたい!という時でなければ、使わないかな~。



原料をざっと紹介したところは、こんな感じです。
あとは仕立て方かな?


紐のように細く丸いタイプは、痛くて使いにくいです。
幅が広く、平らに仕立てているものの他に、非常に幅が広く、薄くてくしゅくしゅの兵児帯みたいなものがあります。




「絹縮」と書いて「きんち」と読ませるらしいです。
とても軽くて薄く、ふわふわしていて、試しに買ってみましたが、わたしには扱いにくい感じがしました。
きゅっと締めた感じが好きというファンも多いそうです。
締める時に、細くならないよう、幅を調節しながら使ったらいいかと思います。


このタイプで、レーヨン素材のものもあります。
わたしが通し矢や卒業式の着付けのお仕事で行っているレンタル会社の腰紐は、このタイプです。



レーヨンと絹は全く別のものなので、この書き方はどうかと思いますが

絹の「きんち」ほどふわふわ頼りなくもなく、しっかり締められて緩みにくいので、仕事で使っていて、安心できます。
平らにしたててあるものと違い、伸ばして五角形に畳むということをしなくていいところも、長所です。

性質上、汚れが他のものよりつきやすい気がすることと、かさばる分おはしょりに響きやすいという点もあります。


ご自分の着付けに対して、どの素材、仕立てのものがいいか、選ばれるとよいでしょう。




番外で、夏用の麻の腰ひもを。



夏用の麻の小物は、どれもだいたい割高です。
夏場の季節になると、セールでお安くなったりしますので、急ぐものではありませんし、機会をみて、お手頃なお値段で出ている時に購入されるといいと思います。
また、夏は汗をかきがちなので、腰紐も洗える麻などが重宝かと思います。通気性も良く、わずかなことですが、着付け小物もメッシュや麻素材のものを利用して、少しでも涼しく感じられるといいですね!


また、腰につかうだけでなく、たすきがけしたり、見せる部分に使う際には、こんなものもいいかもしれません。



通し矢のお仕事に行くと、新成人の方々は、弓を引く為に、着付けに必要な腰紐以外に、たすき用の腰紐もお持ちです。
ピンクや白の、いかにも…という腰紐よりは、他の色や柄の、見せても恥ずかしくないものをちゃんとお持ちの方がほとんどです。
上の椿の腰紐などは、そういう晴れ舞台に、うってつけかと思います。



以上、まとめると、滑りなら絹、緩まないのならモス、サッカー地の化繊、リーズナブルさではモス、耐久性ではモス、サッカーとなります。
仕立ては、できるだけ広幅の、平らに仕立てたもの。

そして、着つける時に、腰紐を締める場所にも気を付けたいです。


だいたい、お客様の腰骨の、ちょっと上あたりに締めると、上にあがりにくく、あまり痛くありません。
これがウェスト辺りでしめるど、お腹が苦しくおはしょりも出なくなります。
腰骨の真上に締めると、痛くてよくありません。
人によっては、おへその位置をお聞きし、その辺を前の中心にして結ぶそうです。
わたしは、腰骨の位置をお聞きし、その上、締めて落ち着きそうなあたりに腰紐を締めます。

わたしはもらいものの着物が多く、丈が短いので、自分でその様な着物を着る時は、腰紐を下の方に締めて、少しでもおはしょりが出しやすいようにしています。




他にも、伸びる素材の、ベルト状のもの、マジックテープで留めるタイプのものがあります。



時々、お客様でこのタイプのものをお持ちの方がいらっしゃいます。
腰紐の本数がなければこれも使いますが、わたしは絶対緩んでは困る場所には使いません。
使い慣れれば楽だとおっしゃる方もありますが、使い慣れていないと緩む危険性が高く、長い年月しまいっ放しで、ゴムが劣化していることもあります。
滅多に使わない場合は、その危険が大です。


また、ゴム製のマジックベルトで留めるタイプのものもあります。



着付けの試験の為に、同じようなタイプのものを購入しました。
自分ではあまり使いませんが(なんだか、頼りない感じがして)、紐を締めるのを嫌がる子供には、良かったです。ちょっとひっかけてびって引っ張ったら外れてしまいそうな心配はありますが、娘の着付けには重宝しました。
幅がもっと広いものは、伊達締めにも使えます。


帯は中で体が泳ぐほど緩く着るという方でも、腰紐はちゃんとしっかりしめられます。
着付けの仕上がりとその後の着崩れ事故の有無を左右する、大切なポイントなので、腰紐は締まりよく緩まないものを吟味して選んで下さい。


ブライダルの現場は、腰紐の締め方はかなりきついです。
「あんなんで、披露宴の間、ご飯食べられるのかな?」と心配ですが、花嫁さんのウェディングドレスも、後ろをコルセットのように紐で下から締めあげて行くので、かなり苦しそうで、着崩れないようにきつく締めるのは、和装に限ったことではないようです。
そして、ご自分で苦しいと思われても、腰紐と帯締めだけは、決して自己判断でほどかれませんよう、お願い致します。

着付け師の独り言 6 長襦袢

2012年10月25日 23時41分26秒 | 着物
わたしは、長襦袢に関しては、長襦袢長者と言ってもいいです。

なぜなら、ネットオークションで、段ボール一杯の長襦袢を落札し(本当はうそつき、つまり、袖を取り外しできる長襦袢用の、替え袖と、裾除けの素材が欲しかった)、素材として落としたのに、意外に着用できるものが多かったのです。

材質も、正絹、モス、化繊と、いろいろなものが混じっていました。
仕立ても、袷あり単衣あり無双あり。
嬉しかったのは、正絹の振袖用の長襦袢が一枚あったことで、これは着付けの練習用に大活躍中です
これで一枚当たり2~300円くらいだからなぁ…オークションはやめられん


長襦袢には、通常の対丈の長襦袢と、上と下が分かれている二部式長襦袢があります。

どちらにも長所短所はありまして…。


二部式長襦袢は、肌襦袢に着物や長襦袢と同じ幅の衿と袖がついていて、下は裾除け状。何と言っても身頃が晒などの木綿で作られていて、じゃぶじゃぶ洗えるのがいい。たいていは「うそつき」といって、袖が取り外せるようになっているので、袖が正絹の場合は外してベンジンで袖口を拭いてお手入れ、身頃は洗濯機に放り込むことができます。
夏場はどうしても汗汚れが気になりますので、二部式は便利です。
着物用の下着を着ずに、二部式長襦袢で兼用できるのも、暑い季節には強い味方。
袖と裾が正絹でも、使う生地が少ないのでリーズナブル。好きな布で袖を手作りし、取り替えて楽しむのも、二部式ならではの楽しみ方です。
袖の裄を調整できるタイプは、アンティークやもらいもので、サイズがまちまちな着物を抱えて困っているわたしのような人間には、非常に大助かりです。自作すれば袖丈も思いのまま♪

わたしは、こちらの二部式長襦袢を愛用しています。




この身頃に、種類豊富な替え袖と裾除けを組み合わせます。







袖はマジックテープで留めるようになっていて、各サイズごとに±2cmほど長さが調節できます。
商品を参考に、お気に入りの布で自作もしました♪
裾除けを作るのは面倒でも、袖なら、和裁を習ったことのないわたしでも、なんとかなります
裾除けは、通常のものと、踊りの方が好まれる東スカートタイプとを選べるようになっているのも、嬉しいところです。お仕事で立ったり座ったりが多い方は、東スカートを選ばれる方もいるそうです。

その二部式長襦袢、欠点は、ウェストがもこもこしたり、上の身頃の裾が腰回りのラインに響くこと。
ウェストをすっきりさせようと身頃の裾を折り上げれば、『七緒』で紹介されていたようにウェストの補正にもなり、一石二鳥ですが、衣紋を抜いたところの着物の衿から長襦袢の衿がのぞいてしまった時、トイレなどで着物の裾をまくり、長襦袢のお尻あたりの背中心の線を下に引くと衿がすっきり直るところ、折り上げた為に引きにくくなってしまうのです。
身頃の裾は丁度帯の中に入っているので、手を突っ込んでドンピシャなところを引くのが難しい。



通常の長襦袢は、衿が出てしまったら背中心を下に引けば直る、衿合わせの乱れには、衿先をちょっと引くなど、着崩れを直すのが簡単です。
正絹など肌触りのいい素材をてろんと羽織った感触は、着物を着る喜びをひとしお感じることができます。
また、着た姿は、長襦袢の方がラインが美しく、礼装の場合は通常の長襦袢をお薦めします。
わたしは、裄や袖丈がまちまちなものは二部式長襦袢、自分サイズ近辺なら、通常の長襦袢を着ています。衿が戻ってくることが多いので、ちょちょいと引いて直せるし、着た姿が長襦袢の方が好きだから。

ただ、素材によっては、着物の下に着て汗を吸うものでありながら、頻繁に洗えないという欠点があります。洗える素材なら手軽で清潔感が保てます。正絹はお手入れを気を付けないと、脇や胸に汗ジミなどができやすい。安価で洗えるモスは、わたしもそうですが、肌が弱い人にはちくちくして着られたものではありません
化繊は洗えますが、ものによっては静電気がひどかったり肌触りが悪かったり。


その点、東レシルックは、価格が高めに設定されているとはいえ、さすがに絹に近い光沢と肌触りなので、一枚あれば重宝します。
これを買いたいなぁと思っているので、冬のバイトにせっせと励もうと思います





ジャストサイズで仕立ててあれば問題はありませんが、裄や袖丈の違う着物と合わせる場合には、肩をちょっとつまんで縫ったりしなければなりません。
アンティーク着物を多くお持ちの方には、サイズごとに何枚も長襦袢を用意するのは大変かもしれません。
かといって、全ての着物を仕立て直すのも大変
費用はかかるし、裄が出ないものも多いし、アンティークならではの長めの袖丈は、アンティークらしさの一つの重要な要素だし、生地も切りたくないものもあります。
そういう場合は、二部式を一つ用意しておくと、便利かなぁと思います。



素材の点で、通常の長襦袢も二部式長襦袢も、気を付けたいところは、着物の生地と襦袢の生地の硬さが、似たようなものを選ぶことです。

着たばかりの時点ではきれいに着られていても、着物の方が張りが強かったり硬い場合、襦袢の袖がぺろんと垂れてきて、浮世絵でよく見かけるように、袖口からぴろぴろ出てしまうことがあります。
これは、正絹でも化繊でも同じで、ぱりっとした紬や目の詰まった縮緬やお召に、柔らかくてろんとした襦袢を合わせると、よくなります。
浮世絵ではいいですが、現代の着物では、それはあまり見目の良いものとは言えません。

今年のお茶席の水屋のお手伝いの際、いただきものの古いしぼの強い硬い縮緬の単衣の小紋を着ていたところ、時間と共に袖口から見える襦袢が、気になって気になって仕方なかったという失敗譚を、ここで告白しておきます

着物の生地が、多少硬くても重みのあるものなら大丈夫かもしれません。



長襦袢の仕立てには、袷、単衣、袖だけ袷で胴は単衣の無双があります。
昔の長襦袢には、袷に、更に袖口や裾に真綿を引いた綿入れのものもありました。
今は、夏物を除くほとんどが、無双仕立てになっていると思います。



ちなみに、装道から出ている美容ランジェリーというものがあります。



このランジェリーに、衿と、袖を付けて、長襦袢として着用します。

【装道】装いの道  美容衿

【装道】装いの道  美容衿
価格:1,760円(税込、送料別)






衿も袖も化繊で、衿は半襟もかかっている状態に仕立ててあり、衿汚れもブラシでごしごしこすって洗濯機に突っ込んで回してOK!
夏の猛暑も暖房の効きすぎた冬の室内も、どんと来い!という商品です(絽の衿や袖もあります)。
袖もマジックテープで裄を調節可能。衿が開いて来ないように固定する紐もついていますし、衣紋もきれいに抜けます。

確かに、しょっちゅう着物を着て、長襦袢もばりばり洗いたい方、着崩れしにくいので、お仕事で着物を着て動き回る方には向いているかもしれません。


ただ、いかんせん、柔らかいとはいえ、紐の数が多く着るのに慣れるまで時間がかかる、固定する部分が多いので、気になる人は気になる、着物を脱いだ姿がやぼったい、衿が硬い…などの理由から、わたしは装道関係のイベントや行事に参加する時や、どうしてもそれしかサイズ的に折り合わないといった場合以外は、着ていません



ご自分のお手持ちの着物の枚数やサイズ、着る機会の回数、洗濯などのメンテナンスなどを考えて、ご自分に合った長襦袢を選ばれるといいと思います。

着付け師の独り言 5 半襟

2012年04月27日 00時41分53秒 | 着物
下着の回に、アクセス数がぐんと増えてびっくりしたけど、色っぽい話題を期待していらした方は、がっかりしたろうなぁ



明日(もう今日だけど)、着付けのお友達と一緒に、着物を着て桂離宮に行きます。
前日に慌てて着る着物候補をリストアップし、手持ちの長襦袢のサイズと突き合わせて合うものを探し、消去法で着物と長襦袢決定
半襟をちくちく縫いつけ、先ほど準備完了。

前日の夜に半襟を縫いつけるのは、着付けを習い始めた15年前と、何も変わってないな~
いつも旦那に「またですか」って、からかわれるんだ


でも、半襟を縫いつけるのは、面倒くさいけど実は嫌いではありません。
縫いあがって、ふっくら仕上がった衿を見ると、ほっこり幸せな気持ちになります



以前、成人式の着付けのお仕事の時に、ポリの、硬くてペラペラした半襟を付けて来たお嬢さんがいらして、衿元がきれいにならなくて、困ったことがあります。
なんて言うんだろう?ぴしゃぴしゃした、落ち着かない衿元っていうか…とにかく、肌にも着物にも添わない、かわいそうな半襟でした。

このお嬢さんなんて、半襟を付けてこられているだけましで、半襟を付けずに当日持ち込まれた方、付けるべき半襟すらお持ちじゃない方までも、いらっしゃいました



お母様も、きっと着物を着られないから、何をどう準備したらいいか、ご存じないんでしょうね

ホテルの着付けのお仕事をされている方は、半襟付けは別料金(3000円!)になるので、勝手に親切で半襟を縫いつけてあげてはいけないとおっしゃっていました。

着付けのバタバタした現場で、針を持つのは怖いし、いくらざっと縫っても時間がかかるので、本当に、半襟をつけたかどうかは、きちんとチェックしておいていただきたいのです



半襟は、必ずしもポリが悪いとは思いません。
わたしが愛用している半襟は2種類あって、一つは無地のポリのちりめん半襟、一つはウォッシャブル・シルクの半襟です。
これらは、多分購入する店舗や方法によったら、倍以上のお値段するかもしれませんが、いつもお世話になっているショップさんでは、とてもお安く入手できますので、多分、そんじょうそこらのポリの安い半襟くらい安いです






特にお薦めなのが、このウォッシャブルシルクの半襟。
お値段を見て、「安くないやん」と思われるでしょうけれど、上記は仙臺屋本店さんのお値段で、仙臺屋2号店の共同購入では、同じ商品が税込461円です
この商品は、2号店の共同購入に、コンスタントに出品されているので、本店価格の2079円で買ったことは無いです。
どういうからくりになっているかは謎ですが…
ただ、正絹だけあって、肌触りは絶品♪
光沢も滑らかさも、普通の正絹の半襟と比べて、何の遜色もありません。というか、普通のよくある塩瀬の半襟よりも、衿のラインが柔らかく仕上がる上に洗える、鬼に金棒な半襟です

本店トップページの右上に、2号店の入り口があるので、そこから入って、共同購入をのぞけば、だいたいこの半襟が出ています。


他にも、ポリの色半襟やら、自分の気に行ったハギレで作った半襟やら、半襟を選ぶ楽しさを持つと、針を持つのも楽しくなります♪
自作でのお気に入りは、以前アンティーク着物ショップで購入した、水玉のお召の生地で作った半襟と、大豆柄の手ぬぐいで作った半襟です
無地の色半襟なら、生成色が、真っ白の半襟よりも肌馴染みが良くて、おしゃれ着にお薦めです。



色半襟の美しさに目覚めたのは、実は時代劇の『御家人斬九郎』のヒロイン、若村麻由美さん演じる芸者の蔦吉の着物姿。
粋でしゃきっとした着物姿に、ほんのり薄紅色の半襟が、息をのむほど美しくて…。
薄紅色?淡い珊瑚色かな?
とにかく、勝気できっぷのいい芸者の、ちゃきちゃきした姿から、ちらっと垣間見える色気が素敵でした。

それ以来、時代劇見る度に、食い入るように半襟見てますが、蔦吉の着物姿ほどの美しい半襟の合わせ方は、残念ながら、未だ見当たりません。
あれは、刺繍とかない、シンプルな色半襟だから良かったなぁ。
いつか、あんな半襟の合わせ方、してみたいです。

家族がぎょっとしない程度にね

着付け師の独り言 4 下着

2012年04月22日 21時04分47秒 | 着物
いきなり帯関係から話し始めてしまいましたが、ここいらへんで、基本の下着に戻ります


和装ブラジャーは、実は使ったことないのでよくわかりません。
なぜなら、わたしが極端な貧乳だからです

着付けのお仕事をしている時に、弾けんばかりの豊かなバストの方を着つけさせていただくことがあります。
出来れば、そういう場合はブラを取っていただきます。
着物を着る時には、ワイヤー入りのブラは避けて下さい。上からいろいろな紐や帯で締める場所ですので、痛いです。
特にグラマラスな方の場合は、お客様にご了解いただいて、晒を巻いてバストをおさえさせていただきます。
胸が大きいと、衿合わせがどんどん開いてきてしまって、着つけ終わった時点で、既に胸元が開いて崩れ始めているほどです。
だからといって、紐でぎゅーぎゅー締めつけると苦しいし、それでも開くものは開いてしまうので、晒を巻いた方が結果的に楽ですし、仕上がりも格段にきれいです。



さて、長襦袢の下には、ワンピース式の着物スリップか、肌襦袢と裾除けをつけることになります。


生地は、上半身は、ワンピース式のものも肌襦袢も、晒やガーゼなどの綿素材になっているものがほとんどです。
汗を吸い、通気性があって、肌にあたりが優しい、木綿以上の素材はないでしょう。最初のうち、ごわごわするようなら、一度洗濯すると、ぐっと肌馴染みが良くなります。
最近は、ポリウレタン混紡などもあり、より伸縮性に優れた商品も出回っています。
下半身は、裾さばきがいい化繊が使用されているものが多いです。正絹のとろんとした感触は他の素材では得られないし、静電気も化繊より起こりにくいので、正絹にこだわる方もいらっしゃいますが、肌に直接触れる部分が多く、洗濯しやすいという点も大切なので、リーズナブルならポリエステル、少し品質にもこだわるなら、ベンベルグ素材のものがいいと思います。

ちなみに、ポリエステルは石油系の化学繊維で、つるんとしているので裾さばきが良く繰り返しの洗濯にも強いですが、静電気がひどいです。静電気防止スプレーを使うなどすれば、だいぶマシです。価格が安いのと丈夫なのが魅力。
ベンベルグは、パルプなどのセルロース(植物繊維)を原料とした再生繊維で、キュプラとも言い、肌触りがなめらかで静電気が起こりにくく、洗濯にも耐えるので、品質の良い裾除けに使われています。濡れると強度が低下するという欠点がありますが、普通にネットに入れて洗濯する分には、支障はありません。ポリ製品より、若干お高いです。


ワンピース式とセパレート式とでは、それぞれに良さがあります。
ワンピース式は、洋服のスリップのように着られて手軽で簡単。
セパレート式は、衣紋の抜きを調節しやすく、裾除けの折り上げた余り部分が補正にもなるという利点があります。



リーズナブルな、裾部分がポリのワンピース式。



こんなかわいいのもありますが、上半身部分も化繊なので、吸湿・放熱性がどうなのかな?



花嫁用ということですが、ベンベルグ素材のものを探していらっしゃる方にはおすすめ。
衿のくりが大きいだけで、普通に着物スリップとして使えます。
ベンベルグ素材のものを探すなら、花嫁用のものを検索するといいかもしれません。

裾や袖口がレースのものもありますが、裾さばきを考えると、余分な装飾は無くていいと思うんですよね~。
装道のユニペッチも、本当にワンピース状になってて、スカート部分のギャザーが邪魔なような気がします


セパレートタイプの、肌襦袢。


綿素材で、リーズナブル。レンタル業界では、こういうタイプは、レンタルして下さったお客様に、プレゼントという形で差し上げます。ワンピース式でも、下着は新品を差し上げて、「どうぞ、浴衣下などにもお使い下さいね」と申し添えて差し上げています。


裾除け。


ポリエステルの、がんがん洗える裾除け。女性は、生理のことも考えて、下着は洗える素材が安心です。



ベンベルグ。レース無しの、シンプルなタイプ。



テイジン製。お値段は張りますが、品質は安心。



ワンピース式とセパレートタイプ、どっちでなければならないということはなく、お好きな方を選ばれたらいいと思います。
ワンピース式の方が、初心者の方には着やすく、浴衣下にもお使いになれるという点でも、最初に揃えられるなら、ワンピース式の方がいいかもしれませんね。



この他にも、肌襦袢の襟を、襦袢と同じようにして、袖をつけ、裾除けと組み合わせて、二部式の長襦袢として使用できるものもあります。
それについては、また長襦袢の時に。



ついでにご報告。

卒業式シーズンを終え、季節労働者の着付け師は失業状態で、就活していたのですが、先日、アンティーク着物ショップでバイトが決まりました


着付け師の独り言 3 帯板

2012年04月12日 23時46分33秒 | 着物
帯関係の続きで、帯板いってみましょう♪


帯板には前板と後板がありますが、まずは前板から。

前板には、大まかに言うと、ベルト付きとベルト無しがあります。




最初の着付け教室で買ったのは、このゴム付きの方。




こちらは、ゴム無し。


最初のうちは、帯を体にぐるぐる巻きつけながら、帯の二巻き目に帯板を挟み込むのが難しいので、ゴムベルト付きは便利です。
でも、慣れてきて、さかさか帯を巻きつけられるようになると、かえってベルトは邪魔になるし、ちょっとかさばって、お相撲さんのまわしのように太く見えることも
美容室などで着つけする時もベルトは邪魔になるし、ベルトを使わずに、普通に帯にはさんで使用しますが、帯は唐織とはいかなくとも、絹糸で織り出した模様の部分に糸が渡っていてひっかかりやすいので、なるべく金具は使いたくない…



それから、素材で、メッシュ素材、薄いプラスティック、プラスティックやボール紙の芯に布が貼ってあるものなとあります。
上記のベルトありとベルト無しは、両方とも布で包んであるタイプ。




このメッシュ素材は、浴衣向き。通気性が良いので、夏の着物にもいいかと思いますが、帯に皺が寄ったりふにゃふにゃするのが嫌な人には、下記のプラスティック製がいいかも。




この商品も浴衣用とありますが、同様な素材の装道の前板は礼装にも使用しますので、お好みによってはこちらをメインに使ってもいいと思います。
真夏の浴衣用には、ちょっと蒸れるかな?


後のことを考えると、ベルトは無い方がいいし、素材では、布貼りは境目が帯の表面に響くと言われる方もありますが、帯に挟んだ時に、プラスティックは滑りがよいので動いて前中心からずれてしまうこともあります。その滑りの良さを利用して、一巻き目に挟んで、前結びした後に後ろに帯をくるっと回す時にはいいかもしれません。

わたしは、ベルト無しのベーシックな布張りのものが、ずっと使えていいと思います。
娘に振袖を着せる時にも使っていますが、特に表に響くこともありませんでした。



後板は、振袖の帯結びの際に、一巻き目に挟みこみます。
これを使うと、後ろ姿がとてもきれいになりますので、お仕事の際には、なるべく使わせていただきます。お客様がお持ちでない場合は、段ボールで自作した後板を用意しておき、それを使用しています。

これにも、つるっとしたプラスティック製と、布貼りのものがあります。



【着付小物】後板

【着付小物】後板
価格:380円(税込、送料別)




どちらでもいいですが、個人的に、つるっとしたプラスティックむき出しの小物って、馴染みが悪い感じがして、あまり好きではないのです…

後板はお安いものですが、無理に購入しなくても、段ボールや下敷きを切り抜いて自作しても、全然問題ありません。
着付けをする人間は持っていた方がいいですが、振袖以外では使用しないので、一般の方はどうしても無くてはならないものではありません。お持ちじゃなければ、着付け師の方で何とかしますので


いつか、自分の好きな布をボール紙に貼って、自分だけの帯板も作ってみたいな~なんて、またまた手作りの虫がうずうず
出来たら、またupしようと思います♪

着付け師の独り言 2 帯枕

2012年04月08日 21時06分24秒 | 着物
帯結びの必需品に、帯枕があります。
用途、年齢などによって、いろいろな形がありますが、だいたいの帯結びに対応できるものを一つ持っているといいと思います。


着付け教室でも、「硬いものがいい」「柔らかいものがいい」と、意見は様々です。
わたしが最初に習ったところは、ベーシックな硬めの枕に、化繊の紐がついているものを薦められました。





現在ついている先生が薦めるのは、中の芯がウレタンで柔らかく、紐の代わりに晒やガーゼで包みこんであるものです。



硬い方は、お太鼓結びにいいと思います。一番、持っている方が多いのが、このタイプだと思います。
柔らかい方は、たいていの帯結びに使えます。

比較した感じ、硬い方を振袖の帯結びに使うと(前の教室ではそうしていましたが)、羽根が多くボリュームのある帯結びだと、枕が浮いてしまって、背中にしっかりつけにくく、帯結びが時間と共に下がってくることがあります。柔らかい方は、多少ぽっこりしていても、それを包み込むように押さえることができるので、背に添いやすいです。
また、硬いタイプはたいてい枕の裏との間に紐が挟んであって、使っているうちに、綴じてある糸が切れたりすることがあります。
紐を前で結ぶ時も、紐が細い方が、着物と帯の間に収まりやすいような気がしますが、実際には、押し込んでも戻ってきてしまいやすいように感じます。
ガーゼの方が、一見かさばって使いにくそうですが、摩擦があるので押し込むと上に上がってきにくく、また、しっかり下に押し込むと、後で帯揚げを始末して納める場所ができて、後の処理がしやすいです。


なので、わたしは、若い方には、振袖の帯結びにも使いやすいよう、ウレタンのソフトタイプの帯枕で、綿ガーゼで包んであるものをお薦めしたいと思います。


一つ要注意なのは、「ガーゼ」と書いてあるものの中に、素材がストッキングのように伸縮性がある化繊のものがあることです。
こちらは締めようと思ったらいくらでも締められる感じがあり、ちょっと痛いかもしれません。結んで帯の中に収める時も、綿ガーゼより収まりが悪いです。


中には、振袖用の帯枕として、このような「はまぐり型」の物を見たことがある方もいらっしゃるでしょう。



正直言って、個人的には、このはまぐりタイプは、必要ないかな…

年輩の着付け師さんにうかがうと、一昔前、成人式といえばほとんどが「ふくら雀」だったという時代があったそうです。
今は非常に振袖の帯結びが多様化して、様々なタイプの帯結びがありますが、以前はそれほど多くなく、はまぐりタイプはその頃の、ふくら雀などのお太鼓系代わり結びに向いた帯枕なのです。

振袖を着る回数は限られているし、それならば、二重太鼓や名古屋帯のお太鼓結びに使いやすい帯枕にした方がいいかな、と思うのです。


実は、お太鼓結び用にも、厚みが厚いものは若い人向き、薄めのものは年輩の人向き、などありますが、一番売れ筋の厚さのものを選んでおけば、問題ないと思います。

ちなみに、仕事の時に、お客様が帯枕をお持ちでない時にどうするかというと、タオルを丸めて、晒やガーゼで包んで代用したりします。
タオルと晒・ガーゼは、いろいろな場面で使えるので、少し多めに用意しておくと、何かの時に大活躍するのです♪



今日は、市内某所の神社で、桜のライトアップ・コンサートがあり、子供たちがお茶席のお運び、親たちは後ろでアライグマでした
先日の十三詣りと今日のお茶席と、連続で娘に振袖を着せ、それ+で、親は明日の中学校の入学式と今週の施設でのお茶席のボランティアのお手伝いと、着物を何回か着る機会があります。
人に着つけるのはそこそこやっても、自分で着るとなると、もたもたして手間取ってしまうところは、まだまだ青二才だなぁと、反省反省

着付け師の独り言 1 三本仮紐

2012年04月05日 22時19分16秒 | 着物
わたしは、着物の着付けのお仕事をさせていただいています。
ほとんど季節労働者で、成人式、通し矢、卒業式がメイン。一月から四月初旬までにお仕事が集中しています。

今年は、成人式で5人、通し矢で9人、卒業式で40人ほどのお客様を着つけさせていただきました。

レンタルをご利用のお客様だと、レンタル業者が必要なものを一式揃えてくれているので、心配ないのですが、お客様のご自前のお持込みだと、最近は親御さんも着物を着られない世代なので、何が必要かご存じでなく、中には肌襦袢や着物スリップなどの下着が無かったり、振袖に袖の短い普通の長襦袢を持参されたり…などの、困ったケースが見られます。

そこで、着付けのお仕事をさせていただいていて、こんなものがあれば安心だとか、これは必要だとかいうものを、少しずつご紹介させていただきたいと思います。

着付けの現場では、お持ちいただいたもので着つけさせていただくのがプロですが、より良いもの、便利なものをお持ちいただくと、着付けの仕上がりも格段にきれいに仕上がりますので、ご参考になれば幸いです。


さて、まず、第1回は、三本仮紐について。


昔、通っていた着付け教室では、あまり便利なグッズに頼らず、腰紐、伊達締めで着る着付けを習いました。
振袖の飾り結びをする際も、腰紐をクロスにかけたりしていました。
現在ついている先生は三本仮紐(三本ゴム紐)を使用して飾り結びをし、お仕事の現場でも、できるだけ三本仮紐を使い、懇意にしていだたいている美容室では、お持ちでないお客様にはご説明の上購入していただき、三本仮紐を使用しています。


この三本仮紐の利点は、三本のゴム紐に羽根を作って挟みこんでいくので、一つ一つゴムをかけるより帯の痛みが少なくてすむこと、全ての羽根をぴったり背につけることができるので、ずり落ちにくいこと、前にくる紐が一本ですむので、お客様の負担が少ないことが挙げられます。


三本仮紐もいろいろな商品が出ていますが、特におすすめしたいのは、前で結ぶ紐部分が、織りの綿テープのようになっているものです。



前で紐を結ぶ時、織りのテープだと、滑らずにしっかり結べるので緩みにくく、着つけていて使いやすいです。


一方、同じ三本仮紐でも、使いにくいタイプがこちら。



こちらのタイプは、紐部分がつるつるしたポリエステルで、結ぶ時に滑って結びにくく、緩みやすくて、同じタイプのものを持っていますが、練習で敢えて使いにくい道具で特訓する時以外は、使いません


お値段もだいたい同じくらいなので、これから購入される方で、迷われたら、最初にご紹介したような、織りのテープの紐タイプのものを選ばれることをお薦めします。

着付けの先生からうかがった、飾り結び以外での便利な使い方で、一結びしたりねじり上げたりしない、折り上げるお太鼓結びをする場合、仮紐にこの三重仮紐を使うと、緩みにくくていいそうです。


わたしは、あまり特別な道具を使うのは好きではなく、家にある、オーソドックスなもので着つける方が好きですが、この三重仮紐は、特に若い方は飾り結びの際には、是非お持ちになることをおすすめ致します。

浴衣教室

2011年06月15日 23時44分16秒 | 着物
近所の高校で着付けの先生が浴衣教室をするので、お手伝いに行ってきました。
着て行った浴衣を脱いで、みんなの前で、先生の説明に合わせて、着るプロセスを見せる役で、とても緊張しました

いつもしたことがない動きをするって、意外に難しい。
浴衣を羽織り、背縫いを背にぴったりつけて、前の襟先をぴんと前に突き出すように張って裾合わせをするって言っても、着物を自分で着たことがないと、どこをどうやっていいか、戸惑ってしまうんですね。

でも、大丈夫♪
浴衣は紐をするごとに背縫いのシワを左右にのばし、おはしょりを下に引くだけで、ぶかぶかしていた衿や胸元も、しゃきっとするから、直しやすいし、なにより、花火大会やお祭りみたいに、夕方からのイベントに着ることが多いから、自分ではあちこち気になっても、けっこう目立たないもんです

何度か着てるうちに、着る動きもわかってくるし、どこを直せばいいか知っておけば、着崩れだって怖くない♪

お友達同士でお出かけして、ちょこちょこお互いにチェックしあってたら、早く上手になるので、これからのシーズン、ばんばん浴衣でお出かけしてね

みんな、かわいかったです


浴衣を洗っちゃ干し、洗っちゃ干しして、せっせと畳んでいたら、例によって例の如く、おにぎりがお邪魔虫しに来ました。
とりあえず、畳んだものがあれば、それはぼくの寝床~♪とでもいうのか、ことごとく寝そべりに来ますな
かわいいのぅ

単衣の小紋

2011年05月21日 22時23分12秒 | 着物
娘がお世話になっているお茶の先生が、とてもさばけた方で、この先生なら、またお茶を習ってみたいと、お願いして今月から入門する予定でした。

先生が風邪をひかれたり、もう一人一緒に入門する人との予定が合わなかったりで、残念ながら来月からの入門となりました。


着物はたくさん持ってるけど、お茶を習い、水屋もしなければ…となると、やはり濡れても大丈夫なポリエステルの着物も持っておきたいな~ということで、先日、ヤフオクでポリの絽の小紋を落としました。
1200円なり

衿に汚れありとありましたが、ポリだし、汚れの位置からして、おそらくファンデーションの汚れ。なら、きっと落ちる!と踏んで、昨日、石鹸付けて部分粗いし、更におしゃれ着洗い用洗剤で洗濯機のドライコースに放り込み、見事きれいにさっぱり♪




それと、もう一枚、単衣のポリの色無地も購入。こちらは1000円

子供たちのお茶席の際、これを着て水屋で延々アライグマでしたが、重宝しました


テーブルクロス帯君

2010年02月13日 20時40分30秒 | 着物
先日、通っている着付け教室で、着物ショーをやりました。
教室で使っている公共施設で活動しているサークルが、合同で行う発表会の一環として行うもので、去年は花嫁の着付け。今年は「普段着の着物」がテーマでした。

ここで、うちにある古着が大活躍

なにせ、ちゃんと誂えたのって、共稼ぎ時代に作った付下げだけで、あとは全て「着物が好きなんじゃ~」と言い続けていると「じゃあ、もう着ないからもらってよ」と親戚や遠縁、その友人知人などから少しずつ集まって来た、お下がりばかり。
自分で買ったものも、アンティーク着物のショップ、リサイクル着物セール、京都の弘法さんや天神さん、ネットオークションなどで掘り出してきたもの。予算を決めて、それ以上なら諦めるというルールを堅守しているおかげで、Gパン並みの値段のものばかりです

「ちょっと古風な感じで、粋なもの」という先生の意向に、うってつけでした。

この黒い銘仙は、模様の感じから「花火の銘仙」と呼んでいるもので、パッチワークの材料になるところだったのを貰い受けました。
ちびのわたしでもおはしょりはぎりぎりですが、シミも穴も無く、お正月にもちょこちょこ着ています。

帯は、ジャ○コの手芸用品売り場のセールに並べられていた、麻混のインド綿のテーブルクロスを、自分でミシンでじゃじゃっと縫った半幅帯。
こういう柄の麻の帯が欲しいと常々思っていたので、「しめた!」と飛びつきました
テーブルクロス生地だから、ちょっと厚くて滑りが悪いので、帯としては結びにくいんですが、「これ、テーブルクロスなんだよ」と言うと、みんな「ええ~~~っ!?」っと驚いてくれます
汚れてもざぶざぶ洗えるし、気兼ねなく使える、働き者の帯です

この帯を、ステージで一旦結び目まで解いて、別の結び方に結び直すというのをしたんですが、へろへろになりながらも、がんばってくれました

もう、老後の着物生活を支えるのに十分なくらいの着物があるんですが、年輩の方に譲っていただいた着物が多い我が家ならではの悩みがあります。
それは、「もう着ない」とおっしゃるだけあって、汚れたら汚れっぱなしで、お手入れせずに放置されていたものが多いんですね
長年お手入れされなかったシミは、時間が経ちすぎていて、シミ抜きに出してもほとんど取れません
他は状態がいいのに、このシミさえなければ!!という着物が多すぎて

そこで、次なる野望。

和裁を習って、掛け衿を下前の衿と取り換えたり、丈を直したりして、古着たちをとことん着尽くすこと。
教室の目星はついているので、あとは、ちび太が高学年になって、帰りがある程度遅くなるまで待つしかないかな