あすにゃん日記

500字程度のエッセイを書きます。

精霊の守り人 004の1 狩人たちと推理力

2019-05-26 12:30:00 | 守り人シリーズ
 ここで、追っ手の狩人たちが出てきます。一番(モン)と呼ばれる頭は、手下といっしょに皇子を追いかけます。聖導師は皇子は生かせ、バルサは殺せと命じるんですね。

 皇子の命の危機にさらしたのも、水妖が取り憑いているかどうかを確認するためだった、といいます。聖導師にしてみれば、バルサなんてどうでもよく皇子ひとりが大切な人なのでした。このあたり、バルサがトーヤなどの命を助けてあげたりした優しさとは対照的です。

 そこで狩人たちは、自分がバルサだったらどう行動するだろうと想像しています。
 この想像力が論理的で的確で、さすがに帝の暗殺隊の面目躍如。ハラハラさせられてしまいます。

 手がかりを求めていろいろ推理するこのあたりのシーンは、シャーロック・ホームズも真っ青です。ファンタジーのなかにまたリアルが出てきていますよね。

『ナルニア国ものがたり』のなかの『ライオンと魔女』のシーンでも、推理をするシーンがあります。ルーシーが衣装だんすのなかに国を見た、というので、アタマがおかしくなったかと心配したピーターが、親戚のおじさんに相談を持ちかけるんですが、おじさんはルーシーは正しい、と論理的に証明してしまうのです。

 すぐれた小説には、すぐれた論理や推理が必要だということがこれでよくわかります。


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