あすにゃん日記

500字程度のエッセイを書きます。

精霊の守り人:003の2 世界観への深いアプローチ グルメ編001

2019-05-05 06:00:00 | 守り人シリーズ
追われたバルサが、トーヤという便利屋を頼って下町に入りますと、トーヤは前払いされたおカネで弁当を買って、義理の妹や皇子と四人で食べることになります。

 この弁当が、

白米なんです。

 タレのついた弁当。香ばしいにおいが立ちこめそうな、おいしそうな描写。
 つくづく、和風ファンタジーです。お魚とご飯、昭和初期までの一般的な家庭料理でした。そこへまた、タレがかかってる。うまそう!

 緊張のなかに、ほっと一息つけるシーンをこうして取り混ぜることで、たっぷり異国情緒をかもしだす。しかも世界観とマッチしているので、違和感もありません。

 ごくたまにラノベで、唐突にクレープとかみたらし団子が中世西洋風異世界ファンタジーで出てくることがあります。

 日本とつながっているという設定だった記憶がありますが、わたしの感覚がおかしいのか、違和感ハンパないんです。

 中世西洋人の味覚は、クレープやみたらし団子を受け付けるのでしょうか!

 世界が違うということを、トールキンの『指輪物語』のように深くつっこんで考えているところが、上橋菜穂子のファンタジーの優れたところでしょう。

 料理は生活の基本です。

 異世界ファンタジーでも生きた人間がいる、と実感できる。ところが、話はそこで終わりません。


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