語学学習ノート日記です.たまに仏教学習ノート日記です.

語学学習をしたあとのノートです.
ご一緒に学習しましょう.

3616番:トニオ・クレーガー(3)

2024-03-11 21:52:48 | 日記

トニオ・クレーガー (3)


———————————【3】————————————————

   Die Schule war aus. Über den gepflasterten Hof und heraus
aus der Gatterpforte strömten die Scharen der Befreiten, teilten
sich und enteilten nach rechts und links.  

.———————————(訳)—————————————————

   学校の授業が終わりました.生徒たちの群れは中庭の敷石歩道を
通り、生徒通用門からあふれ出て、三々五々、左右に散って出てゆ
きました.


.———————————〘語句〙———————————————

die Schule {_/_n} ❶学校、 ❷(学校の)授業
aus/sein (i/s) 終わっている      
gepflasterten (過去分詞) 舗装された<pflastern (他) 舗装する
   √das Pflaster {_s/_}   舗石、敷石
der Hof {(e)s_/¨e} 中庭、裏庭、構内、校庭
  den gepflasterten Hof 「舗装された中庭」では不自然なので
 他の訳本をみたところ、「舗石の敷かれた中庭」とあったので
 習いました.おそらく名詞形の「敷石」は  gepflastert にも有効で
 「舗石の敷かれた」の意味もあるということのようです.
und heraus (敷石道の上を)、そして外へ
Gatterpforte   辞書不掲載→  Gatter + Pforte = 格子門、冊状門
das Gatter {_s/_} 冊、格子[戸]
die Pforte {_/_n} ❶(小さい)門  ❷(守衛のいる)入口     
Befreiten  √befreiten (他) 自由にする、解放する
die Scharen (複) <die Schar {_/_en} 群れ         
strömten (過去形) <strömen (自) 滔滔と流れる、大量に流れる 
teilten...sich (過去3複) <sich teilen (再帰) 分かれる、割れる 


————————————〘感想〙———————————————

生徒(Schüler) という言葉は出てきませんでした.その代わり
(授業からの)解放者(Befreiten)という抽象名詞で表現されて
います.なんだか日本語の「ひらがな」と「漢字」の使い分けに
似ている気がしました.直接言葉を言わず、象徴させる言葉で暗
喩表現する手法が、西洋文学には多く見受けられます.慣れてい
くしかないようです.

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3615番:「心すなおな人たち」(41)(フィリップ短篇集より)

2024-03-11 21:47:33 | 日記


心すなおな人たち(41)
CŒURS SIMPLES
————————————
Charles-Louis Philippe
短篇集(2)より


——————————【41】—————————————————
 
Jeanne  pensait  déjà  qu'une  seule  solution  se  présen-
tait  à  elle; il  faudrait  qu'elle  retournât  chez  ses
parents,  mais  qu'est-ce  que  ceux-ci  allaient  dire ?   
 
   
———————————(訳)—————————————————
 
ジャーヌは、すでに自分には唯一の解決法しかありえな
いと考えていました.親元に戻らなくてはならないと思
っていたのですが、果たして親たちは何と言うでしょう
か?

 

———————————《語句》—————————————————

se présentait:< se présenter (pr) 起こる、生じる 
 

 

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3614番:「アリス」(40)(フィリップ短篇集より)

2024-03-11 20:01:43 | 日記


「アリス」( 40)(フィリップ短篇集より)

      ALICE

  
.——————————【40】————————————————

 Leur  expression  était  celle  des  yeux  de  ces  folles
qui  meurent  de  mélancolie. Elle  ne  voulait  pas  
manger.


..——————————— (訳)——————————————————
 
その目の表情は侘しさに打ちひしがれて死ぬ狂女たちの
目であった.アリスは食事も取ろうとしませんでした.
 

 
———————————《語句》————————————————
              
mélancolie:(f)[文] 憂鬱、わびしさ、
   être plangé dans la mélancolie / 憂鬱になる   
      sombrer dans la mélancolie / 憂鬱になる    
sombrer:(自) (船が)沈む; [dans に]沈む、没入する、
   失われる; sombrer dans la boisson / 酒に溺れる
   sombrer dans le désespoir / 絶望の底に沈む  
   

 

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3613番:レ・ミゼラブル(9)

2024-03-11 19:57:41 | 日記


レ・ミゼラブル(9)


————————————【9】————————————————

 En 1804,  M. Myriel  était  curé  de  Brignolles*.  Il  était
déjà  vieux,  et  vivait  dans  une  retraite  profonde.
  Vers  l'époque  du  couronnement,  une  petite  affaire  de
sa  cure,  on  ne  sait  plus  trop  quoi,  l'amena  à  Paris.  
Entre  autres  personnes  puissantes,  il  alla  solliciter  pour  
ses  paroissiens  M. le  cardinal  Fesch.  
 
———————————《仏文試訳》——————————————

  1804年はミリエル氏はブリニョルの司祭だった.氏はすでに
老齢で、すっかり隠遁した生活であった.
  戴冠式のあった頃、司祭館のある小さな用向きでミリエル氏
はパリに行くことになった.かの地の有力者たちのうち、氏は
自身の教区民たちのため、フェッシュ枢機卿に懇願に行ったのだっ
た. 

———————————《仏語語句》————————————————

retraite (f) ❶退職、退役、❷年金、❸引退、隠遁、隠居
couronnement [クロンヌマン](m) ❶戴冠式、冠をかぶせること
  ❷(建物、家具などの)上部の飾り
  ❸完成、最後を飾るもの     
époque (f) ❶(歴史上の)時代、 ❷(個人・社会の)時期、頃
   à l'époque des vendanges / ぶどうの収穫の頃に      
cure (f) ❶治療、療法、湯治、❷(教区の) 主任司祭の職、司祭館
trop 否定文の中で「あまり~(ない)」
plus trop 「もうあまり~ない」 
quoi  何
solliciter (他) 懇願する、要請する、頼む
    solliciter son congé / 休暇を願い出る
      solliciter qn de + 不定詞 / (人)に~するよう頼む
   On l'a sollicité d'accepter la proposition.
      人々は彼に是非この提案を受諾してくれるよう頼んだ.
  

———————————≪解釈要点≫————————————————

Vers  l'époque  du  couronnement,  une  petite  affaire  de
sa  cure,  on  ne  sait  plus  trop  quoi,  l'amena  à  Paris.  

これは「挿入」という文構造になっています.挿入されている
文は、on ne sait plus trop quoi です.本当はこれにquoi のための
c'était も挿入してもいいのですが、入れすぎるとこんがらがるので
遠慮してquoi だけになっているのでしょう. 
「もうそれは何(の用向き)だったのかはよくわからないのだが」 
これを無視すると、Vers l'époque du couronnement, une petite affaire de
sa cure l'amena à Paris. 戴冠式の頃、司祭館でのある用事で彼は
パリに出向いた.
ですからこの文の骨格は『ある用事が(主語)彼を(直接目的補語)
パリに連れ出した』≪S+V+O+状況補語≫
これにon ne sait plus trop quoi という別の文の異物混入をしています.
なので、1つの文の中に活用動詞が複数あるように見えて、解釈に
戸惑いますが、別文挿入の例は多いので慣れましょう.  


———————————〘ひとこと〙————————————————

Brignollesは辞書不掲載.プロヴァンス地方の Brignole のことと思いますが
確認が取れません.
ネット検索でもhttps://fr.wikipedia.org/wiki/Brignoles
Brignole の綴りでしかヒットしませんでした.とりあえず、Brignole の
こととしておきましょう.

 
———————————≪対応英文≫————————————————

本日も仏文が難しいので、英文訳を参考にしながら
学習をしていきました.

 In  1804,  M. Myriel  was  curé  of  Brignolles.  He  was
already  an  old  man  and  living  in  deep  seclusion.
  About  the  time  of  Napoleon's  coronation,  some  trifling
business  of  his  parish—no  one  remembers  precisely  what
it  was —took  him  to  Paris.  Among  other  influential  
people,  he  went  to  see  Cardinal  Fesch  on  behalf  of  
his  parishioners. 

  
———————————《英語訳》————————————————

 1804年、ミリエル氏はブリニョルの司祭だった.彼は
すでに老人で世捨て人のように暮らしていた.
  ナポレオンの戴冠式のあった頃、教区のちょっとした用向
きで、——もうそれは誰もそれが何の用事だったのかの仔細
は誰にも分からない——氏はパリに出かけた.教区の信者たち
の便宜を図ってもらうべく、パリの有力者たちの中でも、特に
フェッシュ枢機卿に謁見したのだった.


———————————《英語語句》————————————————

Cardinal [カトリック] 枢機卿 
Fesch (人名)   
parishioner  小教区民

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3612番:『魔の山』(4)(トーマス・マン)

2024-03-11 19:53:23 | 日記

魔の山(4) 

 

———————————【4】———————————————

Es  ist eine Schmalspurbahn,  die man nach längerem Herumstehen
in windiger und wenig reizvoller Gegend besteigt,  und in dem 
Augenblick,  wo die kleine,  aber offenbar ungewöhnlich zugkräftige
Maschine sich in Bewegung setzt, beginnt der eigentlich abenteuer-
liche Teil der Fahrt,  ein jäher und zäher Aufstieg,  der nicht enden
zu wollen scheint.  Denn Station Landquart liegt vergleichsweise
noch in mäßiger Höhe; jetzt aber geht es auf wilder, drangvoller
Felsenstraße allen Ernstes ins Hochgebirge. 
  

———————————— (訳)—————————————————

それは、風の強い、あまり魅力のない地所で、かなりの長い時間を
つぶした後で乗る狭軌鉄道だった.そしてその小さな、しかし明ら
かに並はずれた牽引力をもつこの機関車が動き出す瞬間、この旅の
本来の真の意味での冒険的な部分、急斜面のなかなかはかどらない登
りが始まり、それがいつ終わりになるともわからないのだ.
  というのは、ラントクヴァルト駅は比較的まだそこそこの高さに
あるのだが;今やしかし、荒々しい切迫した岩肌の通りに出て高い山
脈へと進むからである.


————————————〘語句〙————————————————

die Schmalspurbahn [シュマールシュプーアバーン](EN式) 狭軌鉄道
schmal [シュマール](形)❶幅の狭い、❷ほっそりした
die Schmalspur (単のみ)[シュマールシュプーア] 狭軌
Herumstehen  zu のない不定詞の名詞用法(中性名詞扱いになります)
herum/stehen (自/h)❶(um の周りに)立っている、
  ❷なにもせず)ぼんやり突っ立っている
längerem <länger (形、lang の比較級) より長い、長めの
 eine längere Schnur  長めのひも
windiger (形) <風のある、風の強い   
wenig  (形) 少しの、少ししかない
   (副) 少ししか~でない、あまり~でない
 Ich gehe wenig ins Kino. / 私はあまり映画を見に行かない.
reizvoller (形) <reizvoll 魅力的な、心をそそる
die Gegend (EN式) 地方、地域
besteigt <besteigen (山などに)登る、(馬などに)またがる  
der Augenblick (E式)❶瞬間、 ❷時点  alle Augenblicke  絶えず 
  im Augenblick 目下、只今、今のところ、つい今しがた、今すぐにも  
offenbar (形) 明白な、まぎれもない
    (副) 明らかに...らしい、どうやら...のようだ  
ungewöhnlich (形) 普通でない、異常な、❷並はずれた、けた外れの
     (副) 並はずれて、非常に     
zugkräftige  <zugkräftig (形)❶引く力の強い、❷人の心を惹きつける
        ❸魅力的な、人気のある
 √die Zugkraft (変E式) ❶[工] 牽引力、❷[比喩] 人を惹きつける力、魅力 
die Maschine (弱) ❶機械、機械装置、❷飛行機、❸ミシン、❹機関車
          ➎タイプライター、ここでは❹の「機関車」
die Bewegung (EN式)❶動き、動作、運動;  ❷感動 
 sich⁴in Bewegung setzen  動き出す  
abenteuerliche <abenteuerlich (形) ❶冒険的な、波乱万丈の、危険な
                ❷奇怪な、異常な    
der Teil (E式) ❶部分     
der Fahrt (2格) <die Fahrt (EN式)❶(単のみ)走行  ❷(乗り物での)旅行      
jäh [イェー] (形)[文語]❶突然の、不意の、予期せぬ;❷(傾斜が)急な、険しい
zäh [ツェー] (形) ❶(肉などが) 堅い; ❷(身体などが)頑健な、タフな
       ❸粘り気のある;❹なかなか進まない、なかなかはかどらない
  jäher und zäher  
  -er はs比較級ではなく、Aufstieg に続く限定修飾で混合変化男性1格語尾 
  ein jäher und zäher Aufstieg / 急斜面のなかなかはかどらない登り
  そして、これは、der eigentlich abenteuerliche Teil der Fahrtと同格、つまり
  主語の言い換え、なので、定動詞はbeginnt       
der Aufstieg (E式) ❶登ること;上昇      ❷向上、発展、昇進、昇格
  ❸登り坂、上り坂、
  der Aufstieg auf den Berg  登山
eigentlich (副) ❶本当は、❷本来は、❸(疑問文で)そもそも
   (形)(付加語的に)❶本当の、真の
  Mein eigentlocher Name ist Meier / 私の本当の名前はマイヤーです.  
      ❷本来の、もともとの
  Sein eigentlicher Beruf ist Friseur, jetzt arbeitet er als Bauarbeiter.
    彼は本来は理容師だが、今は建築労働者として働いている.
scheinen (自/h)[zu 不定詞句](~のように) 見える、思われる 
   der nicht enden zu wollen scheint. 
   * 話法の助動詞でのzu 不定詞句は(動詞 + zu + 話法の助動詞)の語順.
   Er versprach, sie abholen zu wollen / 彼は彼女を迎えに行くと約束した.
  die Gegenwart verstehen zu können / 現代を理解できる(こと) 
Landquart (地名) ラントクヴァルト
vergleichsweise (副) 他と比べて、比較的
mäßiger (強女3)<mäßig [メースィヒ] (形) ❶適度の、ほどよい、節度のある 
  eine mäßige Lebensweise / 節度ある生活  
     ❷たいして多くない、たいして大きくない
  ein mäßiges Einkommen  たいして多くはない収入
die Höhe (弱) ❶高さ、高度、❷高み、高所、❸(文語) 丘、高地、(低い)山
  Landquart liegt in mäßiger Höhe. / ラントクヴァルトはほどよい高所にある.
das Hochgebirge (同尾形) 高い山脈、高山形(の山地)
Felsenstraße (辞書不掲載) → Felsen + straße = 岩場の道 
 die Straße (弱) 道路、通り、街路
 auf der Straße spielen / 路上で遊ぶ   
  auf die Straße gehen /  (家から)通りに出る        
Ernstes (男複2)<der Ernst (単のみ) まじめ、本気 ❷重大さ、深刻さ
drangvoller (強女3) <drangvoll (形)❶ [文語] 押し合いへし合いの、
      ひしめいている;  ❷ [文語] 切迫した
wilder (強女3) <wild (形)❶野生の、未開の、❷荒れた、❸荒々しい、激しい

—————————————≪注意≫——————————————— 

ins Hochgebirge  は「高い山の中の(荒々しい切迫した岩肌)とやっては
間違いになります.ins は4格、すなわち「運動の方向」を示しています
ので、「~へ」と訳します:jetzt aber geht es ins Hochgebirge
            (今や汽車は山脈へと進みます).

 

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