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はるばるブログ@信州四賀の里山暮らし

日々季節を送る農の暮らしは、まるで旅人です。田んぼに畑に、土手に畦、山川草木に虫の気配、花鳥風月、私の視線。

ヒルとユウ

2009-08-17 00:25:08 | 農の風景


090727撮

夏の昼と夕のあいだ。普段は忘れいるけど、とても好きな瞬間。
あたりは案外しんとしている。いや、風景を見ている私が静けさを感じている。

こんなときは誰も知らない深い記憶が立ち上ってくるよう。
たとえば、ここに、田やムラができる前の、はじめの一行も訪れていないころ。

今、このときの風景は、記憶でできている。と思ってみる。
田をなぞる尾根の陰。稲穂を渡る風の跡。
穏やかな時の移ろいを感じようと思った否や、猛烈に今を喰って
生きている、風景の中の細胞群に圧倒。我に返る。


草土手のやさしさ

2008-11-10 22:14:22 | 農の風景


陽射しがなければ肌寒い。
陽射しがあれば、ありがたい。

草土手の陽だまり。
稲刈り前に刈られたそこはやわかなヤブカンゾウが
いつのまにかにぎやかに。

こうして、日本には網の目の大草原が広がっている。

僕の「日本浄土」へ

2008-09-24 23:07:37 | 農の風景



運動会の観戦の横目をずーっと追って振り向けば、絶景。
風景鑑賞モード、オートにセット。

吟行モード、ノウソン観察モード、素粒子観測モード(測定不可)




最近、ブルーシートがポップに美しく見える。

一瞬素になって、あ、ハクサイこんなにデカくなってら。いいな。
って、帰って畑に行ったら、うちんのもでかくなってました。
今回は適期適量台風。

それにしても、この菜園いとうつくし。天上のよう。風力3で飛びます。きっと。

*タイトルの「日本浄土」は、藤原新也氏の新刊書籍タイトルより (東京書籍)

仕事のフトコロ

2008-04-18 21:53:11 | 農の風景


みのる式の苗代作りの様子を見せてもらいに、地区のベテラン農家のお宅へ。
里山に抱かれた敷地は、杉木立の祠、リンゴなどの古い果樹、大きな門、
湧き水、足元から里の谷へ続き山脈を望む眺望、すばらしい世界。
それなりきの手入れがあってこそなのだろうが。

昨年は、苗が出来上がりつつある頃に、お邪魔した。
そのとき、ヤマアカガエルのオタマジャクシが、それこそうようよいたので、
どんなものかと期待していった。

案の定、卵塊群現る。
すごい、合戦があったのだろうな。

ふと浮遊して世界を眺める。ぼーっ、と。
物語は私たちをも内包していた。
語り手は、なかなか現れない。

ハルのシアワセ

2008-03-22 00:17:18 | 農の風景



雨上がりの翌日。
いつもの春。これだ。この感覚。
シャーーーー。
種を蒔く前に苗床に、光る水をたっぷり。
ヒンヤリした空色の空。時より大げさに騒ぐ強い風。春風。
ありきたりの大満足感にはっと気付く。

これはキロクキロク。カメラを出してきて、今度はヤラセシーン。
それでも、キラキラ、光る水は、いつまでも出るこのジョウロ。


光る麦の波

2008-03-17 08:32:48 | 農の風景


暖かな日が続くようになり、空の光も地に下りてきた。

一見、冬枯れのままの風景の中に、土手や畑の草はすでに休眠から
目覚め、緑の彩を広げ始めている。
オオイヌノフグリの花が陽に向かって顔をそろえている。

小麦の葉も柔らかに伸び始めた様子。
春の光は、そういうところに飛びついてくる。

早春の湖の漣(さざなみ)の風景を、ふと、思う。目を細める。