よっちんのフォト日記

旅先や日常で感じたことを
写真と文章で綴ってみたい。
そう思ってブログを始めてみました。

ハンガリー・オーストリア旅行記:2日目(その13)-「死者の靴」:ドナウ川遊歩道の靴・ブダペスト

2019年09月30日 | 海外旅行ーハンガリー
Cipők a Duna-parton, Budapest, Hungary

さてさて、ブダペストにある国会議事堂(Országház)の見学ツアーを終えたワタクシ達は、
国会議事堂の外に出てドナウ川河畔へと向かいました


威風堂々たる国会議事堂の姿は、どこから、どのアングルから見てもただただ美しく、圧倒されてしまいます


これだけ外観も内装も豪華な国会議事堂を建設しようと思うと、現在の貨幣価値だといくらかかるのだろう。
なんでもすぐにお金に換算してその価値を計ろうとするのは、大阪人の悪いところですな


ただ、この国会議事堂はブダペストの観光スポットとして、多くの観光収入をもたらしてくれています。
そう考えれば、多額の費用をつぎ込んだ価値はあったのかも知れません


国会議事堂からドナウ川に沿って、南へ300mほど歩いて行った場所に、思わず足を止めてしまう光景が広がっています。
ドナウ川遊歩道の靴(Cipők a Duna-parton)と呼ばれる場所があるんです


美しいドナウ川の河畔にたくさんの人が脱ぎ捨てていったかのような靴が並んでいます。これは集団自殺の現場ではありません。
死にたくなどなかったのに命を奪われた、犠牲者たちの靴のオブジェなんです。
1944年、ハンガリーではナチス・ドイツの支援を受けた矢十字党という政党が権力を握っていました。
彼らは反ユダヤ・ファシストの集団で、ブダペストのユダヤ人に対して暴行と虐殺を行っていくのです。
その中で、約2000人のユダヤ人が、ドナウ川の堤防で無惨に射殺されていきました


そのとき、犠牲者たちは靴を脱ぎ、自分の手で、射撃される場所からどけておくように強制されました。
なぜなら当時、靴は高価な日用品だったからなんですよ。この靴のオブジェは材料が鉄だとは思えないほど、
細かな質感まで再現されていました。靴の形は様々です。作業ブーツに、ビジネスマンのローファー、女性用のハイヒール、
小さな子供の靴…つまり年齢も性別も職業も関係なく、無慈悲にユダヤ人が殺されていったことがわかります


ユダヤ人への迫害の歴史は紀元前13世紀に始まります。そして、ヨーロッパでキリスト教が絶対的な力を持つようになると、
主なるイエスを迫害し、抹殺したのはユダヤ人であるということから、ユダヤ人への差別や迫害が強まります。
ユダヤ教とキリスト教はともに旧約聖書を聖典とする根っ子は同じ宗教であるにも関わらず、ここまで長きに渡って
ユダヤ人への迫害の歴史が続くことは日本人であるワタクシには理解出来ないんですよ


複雑な思いにかられながら、ワタクシ達は地下鉄に乗ってホテルへと戻って行ったのでした

使用したカメラ:1、3、4枚目はFUJIFILM X-T1、他はFUJIFILM X-Pro2


日本でもアイヌに対する差別や迫害の歴史があり、在日韓国人や朝鮮人に対する差別は根強いものがあります。
私はネルソン・マンデラの言葉を思い出さずにはいられません。
「生まれたときから、肌の色や育ち、宗教で他人を憎む人などいない。人は憎むことを学ぶのだ。
もし憎しみを学べるのなら、愛を教えることもできる。愛は、憎しみに比べ、より自然に人間の心にとどく」



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ハンガリー・オーストリア旅行記:2日目(その12)-「まるでここは宮殿!?」:国会議事堂・ブダペスト

2019年09月29日 | 海外旅行ーハンガリー
Országház, Budapest, Hungary

さてさて、ブダペストにある国会議事堂(Országház)を訪ねたワタクシ達ですが、
内部の見学を進めて行くとその美しさ、絢爛豪華さにただただ驚くばかりです


廊下を抜けると大階段に着きました。周囲の人からも「ワォ」という歓声が上がりますが、その豪華さに誰もが驚きます


両側の壁には歴代の王の像が飾られています。自分が今、国会議事堂ではなく何処かの美術館か、
あるいは宮殿の中にいるような錯覚に陥ってしまいます


天井にはこのようなフラスコ画が描かれているんですよ。ただただ、驚くばかりです


そして、さらに奥に進んで行くとハンガリー王国の宝物である王冠や宝剣が保管されている、ドーム型のホールがあるんです。
ただし、このホール内の撮影は禁止で、とりわけハンガリー王が代々受け継いできた、聖イシュトヴァーンの王冠は
衛兵に厳重に警備され、写真を取ることはもちろんですが、あまり近くに近寄ることも出来ません


これが聖イシュトバーンの王冠です。撮影はできませんので、ハンガリー国会議事堂HPからの転載です


見学ツアーの最後が議会ホールでした。この議会ホールがなければ、本当に宮殿の見学をした気分でした


これだけ格調高い議会ホールですと、「居眠り」「野次」「暴言」などは憚られる気がしますね


ブダペストの国会議事堂内部見学ツアーは、こんな美しい建物で仕事ができるハンガリーの国会議員を
羨ましく感じてしまうほどのもので、ワタクシには強く記憶に残りました


国会議事堂の見学なんて…と思われるかも知れませんが、ブダペストに行く機会があれば是非どうでしょうか
ワタクシはお勧めしたいと思います。

使用したカメラ:5枚目はハンガリー国会議事堂HP、2、6、7、8枚目はFUJIFILM X-T1、他はFUJIFILM X-Pro2


調べてみたら日本の国会議事堂も見学できるんですね。しかも、日本の場合は無料で見学出来るようです。
私はなかなか東京に行く機会が無いのですが、今度東京に行くことがあれば国会議事堂も見てみたいです。
ただ、関東の方に行くことがなかなか無いんですよねぇ。



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ハンガリー・オーストリア旅行記:2日目(その11)-「美し過ぎてため息が出ます」:国会議事堂・ブダペスト

2019年09月28日 | 海外旅行ーハンガリー
Országház, Budapest, Hungary

さてさて、ドナウ川のクルーズの後、ワタクシ達が次に向かったのは、このブログで何度もその美しい姿を撮影した写真を掲載してきた
国会議事堂(Országház)でした。トラムの駅から国会議事堂に向かって歩いて行くと、その大きさに圧倒されると同時に、
その美しい姿にため息すら出てきます。よくぞこんな国会議事堂を造ったものだなぁと思います


1867年、ハプスブルク帝国の支配下にあったハンガリー王国はオーストリア・ハンガリー帝国となり、オーストリアから自治を獲得します。
ハンガリー政府はブダペストを首都と定め、1880年に国民議会は、新しくて国を代表するような国会議事堂の建設を決議しました


国会議事堂は1885年に建設が始まり、1896年には建国1000年祭が開始され、1904年に完成しました。
国会議事堂の建設にはおよそ1000人が従事し、4000万個のレンガ、50万の宝石と40kgの金が使われたということです


この国会議事堂なのですが見学するには見学ツアーに申し込まなくてはなりません。
マジャール語、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語のツアーがあるのですが、日本語はありません


一回のツアーは定員もさほど多くないので、満員だとツアーに参加することは出来ません。
ですので、当日に行っても満員で入場できない可能性が高いんです


ワタクシ達は事前に8月21日、14時30分の英語のツアーを予約していたので、チケット売り場に並ぶこともなく、
ツアーに参加しました。英語ですので内容の半分くらいしか理解できませんが、他の言語だと全く理解できませんので
良しとしましょう。ではでは、ツアーの時間となりました


外観も豪華絢爛ですが、中に入るとさらにビックリ。よくぞこんな国会議事堂を造ったものだと思います。
日本の国会議事堂も明治政府の威信をかけた建造物ですが、こちらはその比ではありません


ただ、言い方を変えればそれだけこの国にとっては、独立して自治を獲得出来たことがこの上ない喜びだったのでしょう


絢爛豪華な国会議事堂ですが、見学ツアーはこれからが白眉です

使用したカメラ:2、3、6枚目はFUJIFILM X-T1、他はFUJIFILM X-Pro2


ハンガリーの国会は一院制で定数は199人。日本は衆参二院制で衆議院が465人、参議院が242人で定数合計は707人。
この数字を見ると、日本は国会議員の数が多いなぁと思います。そのせいかどうかはわかりませんが、
前回の参議院選挙を見てもおよそ国会議員にふさわしいとは思えない言動、行動、品性を持ち合わせた人物が当選しますよねぇ。



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ハンガリー・オーストリア旅行記:2日目(その10)-「船上で飲むビール」:ドナウ川・ブダペスト

2019年09月27日 | 海外旅行ーハンガリー
Duna, Budapest, Hungary

さてさて、ブダペストを流れるドナウ川(Duna)のクルーズは天候にも恵まれ、実に心地よく楽しいクルーズとなりました


美しい建物というのはこれまで色々見てきましたが、この国会議事堂の美しさは心に残るものでした。
このアングルから見ると、見事なシンメトリー(左右対称)であることがわかります


クルーズ船の乗船代にはドリンク一杯が含まれていました。ワタクシは迷うことなく生ビールを注文しました。
ビールというのはどこで飲んでも美味しいものですが、ドナウ川のクルーズ船で飲むビールは格別です


ハンガリーはワインの生産国として知られていますが、ビールのレベルも高いなぁと感じました。
国内にはDreher、Soproni、Borsdiという大手メーカーがあるようで、ワタクシの印象としては
レストランや食堂ではSoproniのビールを置いているお店が多いように感じました


ワタクシは日本酒以外はビール、ワイン、焼酎、ウォッカ、ラム酒、ジン、テキーラ等々、
「酒」「アルコール」の名前がつくものは何でも好きなのですが、特にビールを愛してやみません


クルーズ船ではさらに乗客にレモネード(マジャール語では「リモナーディ」)が提供されました。
このレモネードですが、酸味と甘みがあって実に美味しいんですよ


ハンガリーではカフェでもレストランでも、ソフトドリンクのメニューの中に必ずレモネードがありました。
ワタクシ達が泊まったホテルでは、ロビーでレモネードが自由に飲めるようになっていて、
ワタクシは外から帰ると必ずグラスで2杯飲んでいたんです。ハンガリーに行く機会があれば、レモネードはオススメです


あっという間に1時間20分が過ぎ、ワタクシ達はクルーズ船乗り場へと戻ってきました


ではでは、次の目的地までまたトラムに乗って行くとしましょうか。24時間チケットがあるので便利ですわ

使用したカメラ:1、8枚目はFUJIFILM X-T1、他はFUJIFILM X-Pro2


外国に旅行に行くと(国内の旅行でもそうですが)、アルコールを飲むことができるということ、
そして、食べ物に好き嫌いやアレルギーが無いというのはありがたいなぁと感じます。
今回の旅行もいろんな物を食べ、お酒もいっぱい飲みました。



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ハンガリー・オーストリア旅行記:2日目(その9)-「静かなる大河」:ドナウ川・ブダペスト

2019年09月26日 | 海外旅行ーハンガリー
Duna, Budapest, Hungary

さてさて、ブダペストに滞在するワタクシ達は、大きな楽しみであったドナウ川(Duna)のクルーズ船に乗り込みました


ドナウ川は全長2850km。ドイツから流れ出てオーストリア、スロバキア、ハンガリー、クロアチア、セルビア、ルーマニア、
ブルガリア、モルドバ、ウクライナの10カ国を通って最後は黒海に注ぐ国際河川です


日本の河川は日本の国土面積が小さく,山地が多いために河川が短くて流れも急であるのが特徴です。
ですので、ドナウ川のような川を見ていると「川」というものに対する概念が全く違う気がします。


ブダペストを流れるドナウ川には観光用のクルーズ船、貨物船、客船など様々な船が行き来しています。
「悠々たる大河」…そんな言葉がふさわしいドナウ川です


王宮、マーチャーシュ教会、漁夫の砦、セーチェーニ鎖橋、国会議事堂とブダペストの主だった観光地の多くが
このドナウ川の川沿いに集まっています。ですのでドナウ川クルーズは観光客に人気で、昼間はもちろんですが
ディナー付きのナイトクルーズなども人気なんですよ


川面を吹く風が心地よく、気温は30℃ほどあるのですが、あまり暑さを感じません。
湿度が低いというのも、気温ほど暑さを感じない理由の一つでしょうね


クルーズ船の乗車時間は1時間20分。船内は空いており、ゆったりと時間を過ごすことが出来ました。
特に2階席は日差しが当たるので皆さんが敬遠しており、ワタクシ一人しかいなかったんですよ。
ですので、進行方向に向かって船上を右に行ったり左に行ったりしながら思う存分写真を取ることが出来ました


ブダペストの愛称は「ドナウの真珠」です。この光景を見れば誰もこの言葉に異論は無いでしょう。
もしドナウ川が無ければ、ブダペストの魅力は半減してしまそうな気もしますね


ブダペストの空には雲一つ無く、抜けるような青空がワタクシの頭の上に広がっていたのでした

使用したカメラ:1、6枚目はFUJIFILM X-Pro2、他はFUJIFILM X-T1


私達がハンガリーに行くまでブダペストは決して好天が続いていたわけではないんです。
でも、私達がブダペストに着く前日から晴天となり、私達がブダペストを後にする日から曇り出しました。
私は仕事で運に恵まれない分、遊びの時の天候には恵まれることが多いです。



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