自由経済農業とは文字通り自由主義世界でのグローバル競争環境下でしのぎを削る農業である。
本来はそんな農業は好ましいものではないように思うが、現今世界情勢を見ていると自由主義経済圏での資本主義丸出しの弱肉強食論理の農業生産活動が最も人間の本性にあったやり方であることは残念ながら認めるしかない。
人間は所詮欲望の塊だからだ。
一方、戦略的農業とは突き詰めればやっぱり人間の欲望に行き着くのだが、そこをオブラートに包んで別の角度、もっとヒューマニズム的視点からのアプローチとするところに分けるべき必然性がある。
そのうちの一つはズバリ食糧安全保障、自給率の確保だ。昨今の世界の食糧情勢は実に危うい。毎日毎日ひやひやしてニュースを眺めている。70%もの食糧を輸入に頼る現状は、早急に改めるべきだ。日常の風景は一夜にしてころっとひっくり返る。手遅れになる前に是非やってほしい。
そして戦略的農業の今一つは伝統文化の保存継承だ。文化のありようは民族のありようの基本中の基本だ。その風景を農村はたっぷりと持っている。古き良き日本民族の伝統の継承と発展のために、ぜひ農村の余利用保存継承策をつくるべきだ。