音楽と映画の周辺

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庄司紗矢香/デュトワ/N響 ショスタコーヴィチ『ヴァイオリン協奏曲第1番』

2005-10-13 08:24:53 | クラシック
 9日のN響アワーは,「世界を舞台に活躍する日本人演奏家」。
竹澤恭子/準・メルクルのこってりしたブルッフ「スコットランド幻想曲」も良かったが,庄司紗矢香/デュトワのショスタコ「ヴァイオリン協奏曲第1番」が素晴らしかった。

 全4楽章で,緩-急-緩-急という構成。全編,余韻嫋々,いや,聴きようでは,陰々滅々といってもいいくらいの楽想が続く。この日は軽めの第2楽章スケルツォが時間の都合でばっさりとカット。聴き通すのはしんどいと思われたが,これが幸いし,内省的な緩徐楽章こそこの曲の聴き所であることに気付くことができた。特に,第3楽章パッサカリアの素晴らしさ。やはり,20世紀のヴァイオリン協奏曲を代表する名品である。

 それにしても,この人,驚くくらいジックリ,丹念に演奏する。同じブロン門下でも,レーピンとはタイプが異なるよう。彼女は,この9月定期Bプロのショスタコで,2002年シーズンのN響ベスト・ソリストに選ばれている。

 12月10日には,NHK音楽祭2005で,アラン・ギルバート/北ドイツ放響とブラームスのヴァイオリン協奏曲を共演するとか。こちらも楽しみ。

庄司紗矢香ウェブ・サイト

コメント (6)
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