音楽と映画の周辺

核心ではなく, あくまでも物事の周辺を気楽に散策するブログです。

良いお年をお迎え下さい

2005-12-31 20:21:43 | クラシック
 当ブログの管理人 hanbo でございます。
今年の4月,「私的な覚書にちょうどいい」といった軽い気持ちで始めたブログ。来年も続けたいと考えております。
拙い内容ですが,お時間のある方はお立ち寄り下さい。それでは,皆様,良いお年を <(_ _)>

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カルロ・マリア・ジュリーニのこと

2005-12-31 17:12:13 | クラシック
 ジュリーニが頻繁にフィルハーモニアと録音していた頃の話し。
EMIのウォルター・レッグがジュリーニにチャイコフスキーの5番の録音を提案した。ジュリーニは「あの曲は嫌いだから・・・」と断ったが,セッションをおこなわざるを得ない状況になってしまった。
セッションは始まった。しかし,いくらもたたないうちに,ジュリーニは指揮棒を置いて,「これ以上はやれない」と言う。
レッグはちょっと考えた後,オーケストラを解散させ,この企画は中止になった。どのくらいの費用が無駄になっただろう。ちょっと考えられないことだが・・・。
この話し,レッグのインプレサリオとしての度量の大きさを示すものとして紹介されていたが,同時に,レッグやEMIがいかにジュリーニを大事にしていたかという話しでもある。

ジュリーニがEMIに録音していた時期は,クレンペラーがメインであり,ジュリーニは2番手扱いであった。
しかし,その2番手が録音した「フィガロの結婚」「ドン・ジョバンニ」等は,今なお,同曲の最高の名演の1つに数えられる。上記の逸話も,ジュリーニの盤歴を辿れば,十分理解の範囲である。

 さて,2005年が暮れようとしている。
2005年を総括する場合,列車事故,郵政解散,耐震強度偽装問題等は落とせない出来事だが,私にとっては,カルロ・マリア・ジュリーニの死もまた,忘れられない出来事である
先日来,1959年6月のキングズウェイ・ホールでの録音セッションの様子を写した写真を眺めながら,ジュリーニ/フィルハーモニアのラヴェル『ダフニスとクロエ第2組曲』を繰り返し聴いている。
「夜明け」の濃厚な弦の響きはジュリーニならでは。金子建志氏の「ロマン的客観主義の指揮者」を思い起こさせる演奏。「パントマイム」のフルート独奏も見事。暖かみのある音からして,ガレス・モリスかしら? 「全員の踊り」など,普通の指揮者なら,もっと煽り立てるところだが,ジュリーニはそれをしない。この辺りが,ジュリーニに対する評価の分かれ目になるような気がする。ところどころで,ジュリーニが指揮台をドンと踏み込む音が聞こえ,指揮者の内なる燃焼のもの凄さを窺わせる。
『ダフニス』には,クリュイタンス,ミュンシュ,デュトワ等々,名演が少なくないが,このジュリーニ盤,捨てがたい味わいを持っているように思う。

 ジュリーニの死は悲しんでも余りあるが,幸い,EMI,DG,ソニー等に数多くの録音が残された。同曲異演も少なくないが,これはこれで聴く者に別なる愉しみをもたらしてくれるように思う。しかし,そうはいっても,ジュリーニをうしなったという喪失感は,当分の間,これらの録音をもってしても,埋め合わせようがないような気がしている。

La Mer / 3 Nocturnes
Debussy,Ravel,Daphnis,Pao,Giulini
EMI Classics

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布谷史人のマリンバ

2005-12-07 21:54:05 | その他の音楽
 12月4日(日),アトリオンでおこなわれた秋田県青少年音楽コンクール10周年記念演奏会を聴きに行った。
ピアノの佐藤卓史さんをはじめ,ヴァイオリンの松尾沙樹さん,クラリネットの松渕啓子さん,テノールの本田武久さん,いずれも素晴らしかったが,もっとも感銘を受けたのはマリンバの布谷史人(ぬのや ふみと)さんの演奏。

 コンサートホールでマリンバの独奏やデュオを聴くのは初めて。技術的なことは,何も言う資格はないのだが,目の前で繰り広げられていることが何かもの凄いことであることは管理人にも十分感じ取ることができた。集中力,音楽性の高さでは,この日の演奏の中で,一頭地を抜くものだったと思う。それくらい素晴らしい演奏だった。

布谷さんが演奏したのは,次の3曲。

鷲見 音右衛門文広『変化する共鳴の長さ』
リー・ハワード・スティーブンス『リズミック・カプリス』
山田 耕筰(布谷史人編曲)『赤とんぼ』

最初の『変化する共鳴の長さ』は,コンピュータの豊下哲さんとのデュオ。この曲が実に繊細。ステージ上の布谷さんの息遣いが,最後列の席にいた私にも伝わってきた。ピンと張りつめた空気の中で,奏者と聴衆が一体になれた幸福な時間。
ミニマル・ミュージック風の2曲目も良かったが,布谷さん編曲による『赤とんぼ』が感動的だった。前曲で執拗にリズムを刻み続けたマリンバが,『赤とんぼ』では,一転して,叙情的な旋律楽器と化し,聴衆を酔わせ,そして泣かせた。

さて,来週の12日(月),大館市民文化会館で「布谷史人マリンバリサイタル」が開かれる。時間は18:30~20:30。聴きに行きたい。だが,仕事が。くわえて,大館は遠い。仏蘭西ほどではないにしても。あっ,これ,前にも書いた ^^; 。

鷲見『変化する共鳴の長さ』,大館のプログラムに入っているだろうか・・・。

布谷史人 オフィシャルサイト

赤とんぼ
布谷史人
none

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秋田県青少年音楽コンクール10周年記念演奏会

2005-12-02 22:17:28 | クラシック
 12月4日(日),表題の演奏会がアトリオン音楽ホール(秋田市)で開かれます。演奏者は,今年で10周年を迎える秋田県青少年音楽コンクール県大会の各部門のグランプリ受賞者。開場13:00,開演13:30。入場料は,一般1500円,高校生以下1000円。
興味があるのは,佐藤卓史さんの弾くショパン『ピアノ・ソナタ 第3番』。ショパンは苦手な管理人も,3番のソナタは好きな曲 (^^)/ 。佐藤さん,第4楽章「プレスト,マ・ノン・タント」,どんな風に弾くのでしょう。

佐藤さんの演奏が何時から始まるか分かれば,行ってみたいところ。ショパンの3番のソナタだけでも,1500円,惜しくないんですけどね。

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